『バロン王国滅亡を望む会』三大最高幹部の1人、東海綾羽
やっと組織の名前?を決めることができました。結果……まぁ、ネーミングセンスに関してはノーコメントでお願いします。ノーコメントでお願いします。大事なことなので、二回言いました。
皆さん、たくさんの誤字報告ありがとうございます!とても嬉しいです!(嬉しんじゃダメだろ!きちんと仕事しろっ!)
8月4日9時現在
急遽私的な予定ができました。強制的にスマホが触れなくなりましたので、今度の水曜日の更新はお休みです。
その代わりですが、土曜日に二回更新します。すみませんでした。
白殺虎は動かない。
「みんな、ちょっと俺に任せてくれないかな?大丈夫、死にはしないよ」
俺が一歩を踏み出す。なんでだろう。こうして実際に会うまでは、会った途端に『狂化』を発動させて、速攻で殺すつもりだった。でも、なんだろう。会ったら会ったで、あまり殺意が湧いてこない。
「おいトキヤ!いくら前は大丈夫だったかって、そんな簡単に近づくな!」
アランが俺を止めようとそう言ってくる。だが、俺は止まらない。
「なぁ、お前は操られているのか?お前は一体なんなんだ?なんで俺を助けた?」
そうか。人を殺すために来た白殺虎が、なぜか俺だけを見逃したんだ。それを確かめたかったからなのかもしれないな。
グルルゥ!
白殺虎はそう唸る。だが、俺に対しての敵対心は感じない。白殺虎も一歩を踏み出す。お互いの距離がどんどん縮まっていく。
俺と白殺虎が同時に止まる。その距離は3メートルほどだ。ここまで来るとでかいな。キュウと比較するのもおこがましい大きさだ。
キュウが約5メートル、翼竜が約10メートル、白殺虎も同程度、そして、魔黒龍が約30メートル。
大きさとしては同じ獣魔皇には劣るが、さすがは獣魔皇の一角なだけはある。近づくだけで威圧感が半端無い。これでも、敵対心はなさそうなのにだ。
白殺虎は顔を近づける。舐めるのだろうか?俺は動かない。なんとも言えない安心感がある。なんだろう、この感じは……ハクちゃんだ。ハクちゃんと同じ感じ、匂いがする。
ドクン!
心臓の鼓動が一瞬、急に大きくなった。なんだ?何が変わった?……白殺虎の様子がおかしい。赤い目がさらに赤くなった。……これは、まずい!
「トキヤ君!『氷結の弾よ。鋭き刃で敵を貫け!《氷弾》!』」
『水よ。球となりて、圧縮せよ。目の前の敵を貫き倒せ!《水球打》!』
アクシオスさんとルナが、白殺虎に向けて魔法を放つ。俺はとっさに後ろに飛んで、受け身を取りつつ転がりながら、白殺虎から離れる。
白殺虎は自身の鋭い爪を使ってそれを防ぐ。アクシオスさんの《氷弾》が砕ける。ルナの魔法も水に戻ったようにあたりに飛び散る。
「掛かった!『冷気よ。凍れ、吹雪け!氷結の嵐となれ!《氷雪》!』」
この魔法は本来上級魔法だ。そのため、本来なら詠唱の時間はもっと長い。だが、アクシオスさんはそれを短縮して魔法を使っている。この技があるからこそ、アクシオスさんは魔法騎士団団長史上最強と呼ばれているのだ。
ルナの《水球打》の水が凍り、《氷弾》の砕けた氷と混ざる。そして、それらが白殺虎の体を急速に冷やしていく。
白殺虎の毛並みに氷が張り付き、霜焼けみたいになっていく。動きも若干鈍くなる。そして、白殺虎の動きを封じる。だが……。
グルァァァァァァァ!!!
白殺虎は止まらなかった。唸りを上げて、身体中の霜や氷を剥がす。その目はまっすぐに俺へと……違う!俺以外に向けられている。
白殺虎が動く。まず狙われたのは……ルナだ。全員が動けなかった。まただ……俺はまた、ハズクの時のような過ちを繰り返すのか?違う、俺はもう2度と、仲間をあんな危険な目に合わせるわけには行かない。
なら、どうするのか?決まっている。俺のできる最高をだす。スキル《狂化》を発動させる。間に合ってくれ!
【スキル《狂化》を発動しまーー。】
その言葉は途中で打ち切られた。いや、自分で打ち切ったの方が正しいのかもしれない。自分の意思ではなく、とっさの判断だが。
白殺虎の鋭い爪がルナを襲う……その直前、1人の女の人が現れた。その人は俺と同じくらいの身長だ。鼻が長い。そう、今日……昨日に魔物の存在を教えてくれた女の子だった。
その女の子が、白殺虎の攻撃を、片手の手のひらで受け止めたのだ。アクシオスさんの防御魔法すらも、あれは軽々潰せる威力に見えた。それを、たった一人の女の子が止めたのだ。
いや、よく見ると違う。止めたは間違ってはいない。だが、その手には高密度の魔力で出来た盾みたいなものを使って防いでいる。
そして、白殺虎が再び動きが止まった。再度動き出す気配もない。そして、その女の子は俺の方を見て、安堵したような顔を向ける。
「良かった〜。あなたみたいな人が死ぬのは間違ってるよ。でも逃げて。この子はまだ完全にはコントロールできていないの」
「……は?……なにを……言ってるんだ?」
「いいから早く逃げて!この子抑えるの大変なんだから!」
その女の子はそう言う。俺以外の他の人も唖然としている。それはそうだ。アクシオスさんすら抑えることができなかった白殺虎を、こんなただの女の子が抑えているのだから。
思い出せ。コントロールができていない、と言うことはつまり、この女の子は操ることができると言うことなのか?つまり、組織の人間なのか?
だが、俺たちは一応契約を交わしているはずだ。お互いに不干渉だと。つまり、それが破られた?いや違う、おそらく、俺がここにくることを予想していなかった、が正しいだろう。
つまり、今回干渉してきたのは俺たちの方ってことになる。白殺虎が操られていると確信してはいなかったが、今回のことは確実に引き金となるだろう。
「……悪いけど、逃げられないよ。俺たちはそいつを倒さなくちゃならないんだ。この村の住民を守るためにね。それよりも……君は一体どこに所属しているんだい?」
ビクッ!
女の子の肩が跳ね上がる。はぁ、やっぱりか。……そう言えば、『私も初めて』とかなんとか言ってたしな。今回が初任務なのだろうか?
「え、えっと……魔法騎士団だよ。私もみんなも守らなくちゃいけないんだし」
その女の子はそう言う。確かに普通の人ならそれで行けるだろう。だが、相手が悪すぎる。
「嘘をつくな。私は魔法騎士団団長、アクシオス・ティンゼルだ」
「私は魔法騎士団第三部隊隊長、グラシア・ファイツなのですよ〜」
2人が女の子を冷めた目で見つめながらそう言う。
「う、うそっ!なんでここに⁉︎」
この子、力はあるけど頭は弱いな。そんな反応をしたら、今のが嘘だと絶対にバレる。まぁ、取り繕っても今回は無理だろうけど。
グルァァァァァァァ!!!
白殺虎が、その女の子の守りを破ろうと、鋭い二本の大きな牙を向ける。
「ねぇ、組織は一体なにが目的なんだ?教えてくれ。もう、俺たちは人が死ぬのを見たくないんだ。お願いだ、この場を引いて欲しい。もちろん白殺虎も」
「……無理だよ。いくらあなたのお願いでも無理。村人を殺すのは予定のとおり……今の無しっ!……ボスの言うことは絶対なんだよ。私たちはそう言う存在なんだから。ねぇ、お願いだから逃げて。あなたみたいな人、初めてだったの。本来なら殺す対象なんだけど、あなた達は見逃してあげるからさ」
その女の子はそう言った。殺す予定は無しと言っておいて、俺たちも殺す対象だけど見逃すとも言っている。頭は弱そうだな。いや、組織の人間なら、好意に飢えていたはず。俺が偶然そこを刺激したのか。
「さっきからあんまり話が見えてこないが……トキヤ、お前はあの子と知り合いで、敵対はしている……のか?」
アクシオスさんがそう尋ねてくる。
「簡単に説明したなら、あの子は白殺虎を操っている組織の一員で、昨日の昼、俺と少し喋った仲です。ですから……残念ですけど白殺虎を倒して、あの子を取り押さえましょう。情報を聞き出します」
「「「「了解」」」」
俺がそう言う。みんながそう返す。誰も白殺虎とそれを抑えた女の子を倒せるのか?などとは聞かない。いや、聞くと自分の望む答えが返ってこないことに、気づいているのだろう。
「……はぁ、本当にあなたは倒したくなかったんだけどね。あなたみたいな人、初めてだったんだから。……でも、敵対するならしょうがないな。あなたのこと、忘れないからね。『バロン王国滅亡を望む会』、三大最高幹部が1人、トーカイ・アヤハ、行きますっ!」
面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。
あと、私のもう1つの連載作品の
『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』
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