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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第五章〜組織の三代最高幹部編〜
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半年後 後編

今日から久しぶりの投稿です。毎週の月曜日と金曜日の0時前後に定期更新します。

ハズクがリュビル村の村長に、大量の魔物が向かっていることを伝える。それを聞き、急いで村の人達は避難を始めた。


これが、魔物が大量発生するのが常習化していなかった時、財産を全て持って逃げようとする人が多数で、道が詰まって逃げ遅れて死亡する事態が、多数確認された。


それにより、今では財産は両手に抱えられるだけと、国が定めた。それでも、あまり効果は無かったが。貴族たちは平民を雇って、できるだけ多くの財産を持ち出そうともしているところもあった。だが、今回はそんな心配もなさそうだな。


「『風よ。矢にを纏いて、魔物を射て!《風付与》!』」


「『水よ。球となりて圧縮せよ。魔物たちを打ち倒せ!《水球打(アクアショット)》』!」


2人が自分の十八番を唱える。チワに関しては、《風付与》以外の魔法を使っているところを見たことが無い。自身に掛けて、短剣に掛けて、俺たちに掛けて、などだ。まぁその分、《風付与》自体の性能も上がっているが。


チワは矢を5本同時に発射する。ルナも合計15発まで放てるようになった《水球打》を放った。2人の魔法により、合計で九匹の魔物が死んだ。そして、三匹の手負いも出来た。俺も負けてられないな。


「『我が火よ。球となりて、魔物を焼き尽くせ!《火球》!』……いけっ!」


俺は最初、低級魔石で作った剣は使わずに、両手に《火球》を作り、それを魔物に向けて放った。俺の場合、《炎球(フレアボール)》も使えるのだが、それでは1発ずつしか使えない。


その分、《火球》は2発同時に放てるので、普段はこっちを使っている。まぁ、若干の火力不足は否めないが、今回の魔物程度なら、半年前より強くなった俺の敵では無かった。


そうそう、俺の魔法属性は火属性と水属性。2属性使えるのは便利なのだが、お互いに打ち消しあうので、合体魔法などば使えない。


三分の一の魔物を減らしたところで、魔物たちがハズクの元に到着する。俺も前線に行くか。チワもこちらに来ているし。


ハズクは相変わらず近接戦闘だ。自身の足爪とナックルダスターで、魔物たちを殴り、蹴り殺している。いつもの変態、ご飯大好き発言からは想像できないな。


「ご主人様!すみません、もう少し数を減らしてあげれば」


「別に構わないぞ?寧ろ強くなれるチャンスが増えてありがたい」


俺とハズクはそんな会話をしながら、魔物達を殺していく。ふぅ、半年前ならめちゃくちゃ疲れていたけど、騎士団やクエストで体力とか剣の腕とかの、技術レベルを上げておいて良かった。


そして、10分ほどが経過した。ここまで来ると、一応慣れてはいるが、命のやり取りなので体力の減りが稽古の比じゃない。だが、残りの魔物も10数匹にまで減っていた時だ。


「ご主人様、あれを」


ハズクがそう言って、魔物が来た方向の空を指差す。……あー……そう言う事か。……何したんだよ、あいつ。迷惑をかけるなって言ったのに。いや、言葉は通じないからしょうがないけど。


来た方向の空には、一匹の(ドラゴン)がいた。大きさとしては、翼も合わせて縦横に5メートルほど。黒く硬くて軽い鎧のような鱗の皮膚だ。


その龍も、こちらに向かって来る。そして、数十匹の魔物を食い殺していく。当然、魔物も逃げるが、龍は鋭い爪の生えた腕で切り裂き、死んだ魔物を食べている。


ちょっと食事シーンはグロくてあまり見たくは無かったな。チワとルナは顔を青くしている。そして、龍は魔物を食べ終わり、こちらをみる。


ギャオォォォォォ!!!


龍はそう咆哮する。そう、この龍は俺たちの仲間?ペット?みたいなものだ。半年前、ピクシスからもらった謎の卵。それから生まれたのがこの龍だ。


あの卵は以前、奴隷商人に調べてもらったが、そのコネクションを持ってしても分からずじまいだったものだが、5ヶ月前、突如生まれた。


「キュウ、あまり人里には出て来るなって言っただろ?」


俺は龍の名前、キュウにそう注意するように言う。だが、キュウはドラゴンなのにあくびをしてごまかす。


「キュウちゃん、久しぶりですね。きちんとご飯は……食べてましたね、はい」


チワがそう言い、キュウの鱗を撫でる。そう、一番懐かれているのはチワだ。次に俺とハズク、そして最後がーー。


「あ、私も……きゃっ!やったわね!お肉にして食べましょうか⁉︎」


ギャオ!


そう、ルナだ。何故かルナは嫌われている。今も、チワが撫でていたのを見て、ルナも撫でようとしたのだが、その手を尻尾で払われたのだ。本当、なんでなんだろう?相性か?


何故かキュウという名前になったのか。鳴き声が最初キュウ、と鳴いていたからだ。ちなみに俺は『ヘイロン』と名付けたかったが、全員が名前をつけたがり、ある勝負をして結果、チワの『キュウ』が名前となった。


まぁ、魔物討伐は完了したし、クエストは達成かな?少しずるい気もしてきたけど、構わないだろう。


「じゃあキュウ、これからはあんまり人目のつくようなところに行かないようにな?」


ギャオ!


そう鳴いて、キュウは飛び去っていった。さて、村の人たちも見ているだろうな。自分たちの村の行く末を、俺たちが握っているんだから。どう誤魔化そうか?


「ご主人様、リュビル村の人達の心配は大丈夫です。ハズクが少〜しだけ、頭の中を(いじ)っておきましたので」


「そうか……おい、使用する時はちゃんとみんなに聞けって言ったよな?」


「時間がありませんでしたので」


「全然あったじゃねーか。再前衛のお前が魔物の到達間に合ったんだから」


「……」


はぁ、全くハズクは。だが、結果的には助かっているし良いか。俺はそう考えた。


「トキヤ様、それでは帰りましょう」


チワがそう言う。


「そうだな。予定よりも早く終わったから、まだ時間はあるけど……今日はもう解散でいいか?」


「解散って言っても、私だけ離れ離れになるだけじゃないの。……もう少しだけ、一緒に居たいわ」


ルナがそんな事を言ってきた。うんうん、出会った頃はその性格もあってか、誰も友達居なそうだったけど、今ではこんなにもチワやハズクと一緒に居たいと言える仲か……良かった良かった。などと、トキヤだけは全然違う勘違いをしていた。


そして、俺たちは王都に戻った。そして、大して意味もなく散策をしていると、1人の知り合いを見つけた。ガルーダさんだ。


「お久しぶりですね、ガルーダさん」


「お?……おぉー、ひ、久しぶりだなー(棒)」


ガルーダさんはそう、棒読みで答える。これは……俺たちのこと、久しぶりすぎて忘れている反応だ。酷いな、1ヶ月前にはあったはずなのに。ヘプトさんが居なければ、戦闘面以外では全く役に立たないと、言われるだけのことはある。


「ところでガルーダさん、俺の名前、分かります?」


「あ、当たり前ではないか。私を誰だと心得る。魔法騎士団第二部隊の隊長だぞ?人の名前を忘れるわけがなかろう(棒)」


「じゃあ答えてください」


「…………トキオ」

「トキヤです」

「言い間違えたぞ(棒)」

「忘れていただけでしょう?」


「そんなことはない(棒)……おぉ!トキヤか!ギルドで食べ物を振る舞ってくれた時など、色々感謝し足りないぞ!」


やっと思い出してくれたか。そう、半年間、俺は度々ギルドに行き、保存食などを考えたりしていた。結構感謝されたんだったな。てか、それを作った人を忘れるって……。


「いえ、俺の方こそ、剣の扱いについては、色々教えていただきありがとうございます。アランにもよろしく伝えておいてくださーー」


「ようトキヤ、久しぶりだな。えと……ハズクさん、後チワさん、ルナさんも」


アランが現れた。俺は半年間、料理に関してのみ、騎士団に行っていたのではない。きちんと戦闘面においても行っていたのだ。終わりにデザートなどを作ってあげてはいたがな。


そうそう、実はだな……アランはハズクのことが好きらしい。理由は知らないけど、ちょっとした事件があって、それから好きになったらしい。相談はされてない。


だが、俺には分かるぞ。アランがハズクに話しかける時のみ、声のトーンが少し上がるし、目線が不自然に顔にだけ集中しているのだ。あれは目線を胸に行かせないようにするための我慢だと分かる。俺は恋愛ごとに関しては聡いからな。すまないアラン、隠しているつもりなんだろうがな。


などと、トキヤは他の人たち全員が聞いたら、全員が引くレベルのブーメラン発言を心の中だけでしている。これをもし、他の人が聞いたなら絶対に、特にチワとルナとハズクがキレるだろう。


「アラン、お前とガルーダさんはなんでこんなところに?俺たちはクエスト帰り」


「なに、ちょっとした用事だな。クエスト……トキヤ、お前も強くなったようだな」


俺が尋ねると、アランはそう答えた。


「当たり前だろ。対魔物用の戦い方だけじゃなくて、お前との対人戦も学んだんだから。序盤の黒星が痛いけど、徐々に差は縮まっていること、忘れるなよ?」


「忘れるわけがなかろう。だが、勝利数は勝利数。最近は勝ち越しているからといって、それがいつまでも続くとは思わないことだ。そうだトキヤ、第三部隊隊長殿が、お前を探していたぞ」


「グラシアさんが?」


グラシアさん、彼女の役職はアランが言った通り、魔法騎士団第三部隊隊長だ。ちなみに部隊は3つなので、第1部隊隊長兼団長のアクシオスさん、第二部隊隊長のガルーダさんと並んでの、トップ3だ。


知り合った方法は……まぁ、ちょっと他の3人の前では言いにくいので省こう。


「あぁ、なんでも、『ふえぇ〜〜!助けてください〜〜!トキヤさ〜ん!』だそうだ」


「つまり、何にも分からないじゃないか」


「そう言うな……まぁ、あの人は『忙しすぎです〜〜!』なんて言っているうちは大丈夫だがな」


はぁ、まぁ構わないか。今日はクエストも早く終わったし、すぐに終わるようなことなら別に構わないだろう。


「じゃあ、3人とも悪いけど、俺はグラシアさんのところに行ってくるよ。ルナ、俺は抜けるけど、チワとハズクとは一緒にいれるから問題はないだろう?」


「大有りよ。むしろ問題しかないわ。だから……私もついていくわ」


なんでそうなるの?なんて言える空気じゃないな。それに、『じゃあ(ハズク)も』と、他の2人も言っているし。


「それじゃあガルーダさん、アランも、さようなら」


「おう」


「あぁ、またな。ハズクさんも……チワさんとルナさんも」


2人にそう別れの挨拶をした。こうして、俺たちはアラン、ガルーダさんたちと別れ、グラシアさんのところへと向かった。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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