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目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第五章〜組織の三代最高幹部編〜
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半年後 前編

長らくお待たせしました。久しぶりの更新です!

今日はもう一話投稿します。


本日から2部の開始です。

さて、これからの方針を話し合って半年が過ぎた。現在俺たちのパーティランクはBに上がっている。簡単に説明すると、翼竜(ワイバーン)を倒せるレベルだな。Eランクの時点で、既に倒してはいたが。


「トキヤ様、朝ごはんが出来ましたよ。今日の当番のハズクさんの手作りです」


チワが俺のことを呼びに来た。半年前は、俺1人が早起きして料理を作っていたのだが、半年間掛けて、俺がチワとハズクとニーナちゃんに覚えさせた。


料理は覚えておいて損はないしな。ちなみに腕前は俺〉〉〉〉〉超えられない壁〉〉〉〉〉ニーナちゃん〉〉〉〉〉ハズク=チワ〉〉〉〉〉超えられない壁〉〉〉〉〉〉〉〉〉〉ルナの順番だ。


ルナの腕はもう違う意味でトップクラスだ。何故みんなで教えて、同じように作ってできるのがあれなのか、未だに理解できない。


さて、未だに宿は半年前の同じだ。ここでも充分だし、わざわざ高い宿に帰る必要性もないだろう。そうそう、隣にニーナちゃんが寝ているので起こそう。


「ニーナちゃん、起きて、朝だよ」


「んぅぅ?……トキヤお兄ちゃんおはよ〜」


そう言って、ニーナちゃんは起きた。歯磨きや顔を洗うなどの事をして、朝ごはんの席に着く。


「おはようございますご主人様。今日はハズクの手作り料理ですよ」


三日ごとにそうだけどな。


「おはようハズク。ところで、今日のクエストは最近大量発生している魔物を討伐だったよな?」


「はい、そうですよ」


俺が尋ねると、ハズクはそう答えた。


「それにしてもトキヤ様、半年前は魔狼一匹であんなにも苦労していたのに、今では軽く朝飯前程度に倒せるようになるなんて、これも成長ですね!」


チワがそう言ってきた。だが、現在のチワは三匹同時に相手にできるけどな。ルナは遠距離専門なので比べない。


そして、俺たちは朝ごはんを食べ終わる。クエストに行くための準備をし、ルナを迎えに行く。


「おはようトキヤ」


「おはようルナ。今日もニーナちゃんを預かってて欲しいんだけど良いかな?」


「半年前からいつもそうしてたでしょ?もちろん良いわよ。私と入れ替わりでニーナちゃんが入ったから、おじいちゃんも喜んでいるもの」


そう、ニーナちゃんはルナの家の魔道具屋で預かってもらい、無給のアルバイト、つまりボランティア、お手伝いをしてもらっている。ニーナちゃんも喜んでいるし良いだろう。


「じゃあ、ギルドに行こうか」


そう言って、俺たちはギルドに向かった。ハズクは『日差しを遮るマント』を着ている。ルナが調べて、必要な素材を取りに行ったことがあったな。


そしてギルドについた。今でもあの時の事を思い出すな。俺は約5ヶ月前に、Dランクに昇格した時のことを思い出す。


***


5ヶ月前、俺たちはギルドに来ていた。その胸の内には、いや、目に見えて喜びがあった。今回のクエスト達成で、Dランクへ昇格出来るからだ。


そして、受付嬢の所でDランクに昇格をしてもらった。別にどうともなかったな。ギルドカードが灰色から青銅色に変わったのと、受けられるクエストが追加され、ちょっとした制限が発生しただけだ。


ちなみにEランクが灰色(グレー)、Dランクが青銅色(ブルーブロンズ)、Cランクが銅色(ブロンズ)、Bランクが銀色(シルバー)、Aランクが金色(ゴールド)。そして、Sランクが白金(プラチナ)だ。


そして、ギルドでクエストを新たに受けて、旅立つ時だ。俺の首筋に何かが当たった。後ろを振り返ると、何故か金髪仮面がいた。


何故ここにいる?何故このタイミングを分かった?答えは簡単だった。ずっと付けていたのだろう。そうでなければ分かるはずがない。


「みんな、悪いけど先に行っておいてくれないか?」


「なに?どうしたのトキヤ?」


ルナは俺に尋ねた。


「ちょっとトイレだ。この場じゃ言いにくいから先に行っておいてくれ」


「あ、う、うん。分かったわ……」


「分かりました」


チワとルナは少し顔を赤くしながらすぐに去って行った。大きいほうだと比喩したからな。追い払うための嘘だけど。


俺はその金髪仮面がいる、いかにも怪しげな路地へと入って行った。まぁ、とりあえずDランクになったらと言っていたしな。


「さて、言っていた以上に速かったですね」


金髪仮面はそう言いながらパチパチと拍手をする。だが、そこには一切の感情がこもっていなかった。


「まぁな……それで、俺たちは次にどうすればいいわけ?主導権握ってんのそっちでしょ?それに、少なくともBランクになるまでは殺さない、だったよな?」


俺はそう尋ねた。金髪仮面は『フフッ』と微笑して言う。


「次はCランクですね、ではご武運を。との事です」


そう言って、金髪仮面は去って行った。


そしてその3ヶ月後、俺たちはBランクになった。この前みたいに呼び出される。はぁ、これで契約も解消かと思いきや、『次はAランクになってください』と、来たもんだ。


そうそう、最後に気になることを言っていた。『白殺虎は、いつもあなたの事を想っている』と。気持ち悪いな。それにそれは俺の方だ。殺したいぐらい、殺したぐらいじゃ足りないぐらいの殺意を、な。


***


さて、そんなこともあったな。そう考えつつも、ギルドに入る。ギルドに入ると、一番に受付嬢の元へと向かう。クエストを受注するためだ。


「トキヤさん、今日もありがとうございます。昨日言っていたクエストですね。承りました」


俺たちはクエストを受けた。今から向かう予定だ。そこに見知った顔が入ってきて、俺たちに近づいてきた。


「ようトキヤ、おはようだな。チワさん、ハズクさん、ルナさんもおはよう。そして付き合ってぐへぇ!」


「は〜い、ここに紅一点の私、マーシャがいるんですけど。それなのに他のパーティの女の子を誘うってどう言う事?ねぇ、どう言う事?」


「うるさいな。徹夜だから頭に響く。早く済ませてくれないか。エリーに1秒でも早く会いたいんだ」


この人たちはだいたい半年ぐらい前に知り合った冒険者仲間だ。余計な事を言って、現在もスリーパーホールドを掛けられているのがアレク、掛けているのがマーシャ、最後のシスコンがクラディスだ。


「それでクエストはどうだったんだ?」


「ゲホッゲホッ!……見ての通りだよ。これで俺たちはAランクだぜ。お前も早く上がってこいよ。じゃあな」


「皆さん、では」


「また会おう」


3人はそう言って去っていった。……もうAランクか。


「トキヤ、ほら行くわよ。……もしかしてマーシャさんに見惚れてたの?」


「いや、違うよ。……俺たちも強くならなきゃな」


「そうね。頑張りましょう。ほら、さっさと行くわよ」


俺はルナに手を引かれて、俺たちはギルドを後にした。クエストへ向かう道中だ。王都には色々な屋台がある。その屋台の陰で、こそこそと隠れて行動している、1人の知り合いの少女を発見した。


「あれ?エリーじゃん、久しぶり。一体どうしたの……かは大体予想がつくから良いか」


そう、その少女の名前はエリー。オレンジ色の髪をした、先ほど出会ったクラディスの妹だ。そして、クラディスのことが自称だが嫌いらしい。


「お、お兄さん……それに皆さんも。これからクエストですか?」


「エリー、クラディスのことが嫌だからって、わざわざ屋敷を抜け出すほどのことか?」


「ぎくっ!……な、なんのことですかお兄さん?」


「さっきクラディスに会ったからな」


そう、エリーは冒険から帰ってくるたびに、クラディスに追いかけられるので、最近は自分から屋敷を脱走しているのだ。


エリーは屋敷に住んでいる。実は、クラディスとエリーは貴族なのだそうだ。クラディスと知り合って2週間ほどが経った頃だったか。姓はガルドボルグ。


偶然、馬車に乗っていたエリーと再会したのだ。まぁ、出会い方は結構派手だったが、そこは……いつかまただな。


「はぁ、全くお兄ちゃんは……お兄さん、クエストに連れて行って来れませんか?」


エリーはそんな無茶振りをする。エリーは決して戦闘能力があるわけでもないからだ。まぁ、この歳であるならそれはそれで凄いけど。


「クラディスに殺されるから無理だな。まぁ、頑張ってできるだけ長い時間を逃げ切れるように、いい事を教えてあげるよ。クラディスは徹夜明けだから、うるさい所にはあまり行きたがらないと思うよ」


エリーも貴族。小さい頃から英才教育を受けさせられているからな。たまにはこんな息抜きも良いだろう。


「わぁーい!ありがと〜!お兄さん大好き〜!」


エリーはそう言って、俺に抱きついて来た。俺はそれを優しく受け止めながら『クラディスにも、この可愛さや、優しさを少しは分けてあげたら良いのに』なんて事を考えていた。


「ばいばい、お兄さん!」


そしてエリーは去って行った。


「……で、どうしたの?3人とも」


「「「別に」」」


一体なんなんだ?ハズクは……嫉妬?焼きもち?九歳の女の子に?それはないだろう。じゃあ、3人はなんで不機嫌なんだ?


「みんな、何か不満があるなら言ってくれよ?」


「「「別に」」」


「…………」


はぁ、なんだか分からないが、空気が悪くなってしまった。早いとこ、原因を修正しないとな。そう考えながら、俺たちはクエストの場所へと向かった。


さて、現在も俺たちがいるのは、王都から離れた村の1つ、リュビル村だ。最近、魔物の大量発生が続いている。原因は白殺虎だろう。その魔物達の駆除の依頼を、俺たちは受けた。


リュビル村は王都から離れているが、俺たちはBランク冒険者以上は、クエストに限り、無料で馬車を出してくれるそうだ。これも特典なのでありがたい。


「トキヤ様、これはまた酷いですね」


チワがそう言う。村を守る柵は壊され、血痕の跡が所々に、遠くからでも分かるほど見える。


「ご主人様、向こうから一体向かって来ています。あれは……魔狼(デビルウルフ)です」


ハズクが西の方向を指差してそう言う。一匹の魔狼がリュビル村に向かって走って来ている。このままでは、村の人々と戦闘になることは間違いない。


「チワ、矢で仕留めてくれ」


「了解です。『風よ。矢に纏いて、魔狼を射て!《風付与(ウィンドグラント)》!』」


チワは矢に《風付与》を纏わせて、魔狼に向けて矢を放つ。チワの放った矢は、魔狼の脳天を射抜いた。相変わらず、チワのスキル『命中精度アップ』はすごいな。


「あれ、トキヤ?まだ来るわよ」


ルナがそう言うので、魔狼が来た方向を見ると、何十匹もの魔物が、一斉にこちらに向かって来ていた。


「マジか?……魔物の大群だな。何かから逃げてきてるんだろうけど……このままでは、村と衝突したら危険だな」


「どうするのトキヤ?指示をお願い」


ルナがそう言う。基本的に、俺がパーティリーダーを務めているので指示を出している。


「チワ、ルナは遠距離から矢と魔法で攻撃、できるだけ数を減らしてくれ。

俺も少し前に出て、中距離から魔法攻撃をする。

ハズクは村の村長に通達。その後、魔物到達まで、最前線あたりで構えておいてくれ。魔物とハズクが戦闘になり次第、俺がハズクの援護に行く。

チワは中距離から矢で攻撃と、ルナの護衛を兼任。場合に合わせて短剣を使ってくれ。以上でいくぞ?」


「はい!」

「分かったわ!」

「了解です!」


こうして俺たちの魔物討伐が始まった。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら、剣の勇者の息子で杖の勇者になっちゃった〜剣技と魔法で最強〜』

も、是非読んで見てください。

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