表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜  作者: どこでもいる小市民
第四章〜バルトロールダンジョン編〜
76/158

転移者と転生者

今日は久しぶりに予約投稿です。前の話を投稿した日のPVが、1000を超えました。ありがとうございます。

「卵、だよな?」


大きさとしては直径20センチほどか?青と赤と白が交互に波状の模様となっている。あれだ、理髪店でよく見るやつの柄だ。


「あら、ご主人様。その卵は一体?食べれますか?」


「どう考えても食べちゃダメな色だろうが。食い意地張りすぎだぞ、ハズク」


ハズクが卵に気づいてそう言う。それを見て、チワとルナも寄ってきた。


「トキヤ様、それも袋の中に入っていたのですか?」


「そうなんだ。一体なんの卵だ?食用では無いとは分かるが」


チワがそう尋ねてくるので、そう返す。


「とりあえず温めたら?何か生まれるかもしれないじゃない。卵は私の専門外だけど、帰ったら一応調べといてあげるわ」


「そうだな。そうしてくれると助かる。温めるって言うが……毛布で包んでおけばいいのか?後は……ハズクかチワが持った方がいいんじゃないか?俺たちよりも温かいし」


そう言って、俺は毛布に卵を包んでチワに渡す。


「ところでご主人様、なぜ卵が入っていたのでしょう?」


「う〜ん……あの魔黒龍が実はメスで、その卵があったからついでに入れておいた?……そう言えば、ピクシスのやつ、最後プレゼント入れておいたって言ってたけど……これのことか?」


だとしたら、生まれてくるのは魔黒龍の幼体……?


「……危険かもしれないし、今のうちに割ってしまうか?」


「トキヤ様、ダメです!私たちで育てましょう!一から育てればきっと大丈夫です!」


俺の言葉を聞き、チワはすごい勢いでそう言ってきた。やっぱ命を奪うって事が嫌なのか。ハズクを一度は殺したやつの子供かもしれないのに。……一応卵だが、母性本能でも生まれたのかもな。それなら、ハズクの方が卵だから生まれやすそうだが。


「チワはそうらしいが……2人はどうするべきだと思う?この卵はパーティの戦利品。多数決で決めるべきだと思うんだ。2人が反対なら割るが、もし賛成なら、みんなで責任を持って育てる。どっちだ?」


俺は2人に尋ねる。


「チワさんに賛成」


「ご主人様には悪いですが、ハズクも賛成です」


ルナは即答だった。ハズクは若干言いにくそうだったが。2人が賛成ならしょうがないか。龍の主食って肉だよな?


「分かった。絶対に捨てず、責任を持って育てる。3人とも良いな?」


「はい!」

「えぇ」

「了解です」


こうして、俺たちは卵をゲットした。何が生まれるのか楽しみだ。多分、魔黒龍の幼体だけど、一応期待したくなるじゃないか。ピクシスがプレゼントって言ってたし。


卵はチワが温めている間に、他の3人で装備品などを片付ける。……さて、と。


「じゃあ、ルナ、ハズク。2人にはまだ話してなかった事がある。今から話すからちゃんと聞いてほしい」


俺は2人にそう切り出した。ピクシスの試練の前に、ルナに約束したからな。その後、ルナも何か隠していることもあるみたいだし。2人は真剣な顔でこちらを見る。特にルナは、自分も話すからか、ハズク以上に真剣さが滲み出ている。


「ピクシスが言ってた、『転生者』と『転移者』の事だけど……俺は転移者なんだ。チワには、2人に出会う前に話していたんだけど。ピクシスの言葉を聞いて、この先2人に隠し事がしたくなくなったんだ。だから聞いてほしい」


2人はいまいちピンときていないようだ。実はチワの時も結構苦労したしな。やばいな。話の出す順番間違えた。こう言う大きな隠し事をしていたってことは、お互い信用が無かったって事になる可能性もある。最悪、パーティ解散の可能性も……。卵の話の後にする事じゃ無かったな。でも、してしまった以上仕方がない。押し切るぞ。


「「てんいしゃ、ってなに(ですか)?」」


やっぱりそこからか。


「う〜ん、簡単に説明するとな、違う世界からこの世界にやってきたって事なんだけど」


「つまり、国が違うみたいなこと?」


ルナがそう聞いてくる。


「違うよ。国も結局は同じ大地でつながっているでしょ?海の向こうの、リリス海岸の向こうにある国も、結局は大きい水溜りがあるようなもので、大地としては繋がっている。でも、俺の世界の場合は、また別の大地があるって事なんだけど」


やばいな。説明が難しい。他の人達はどうやって伝えてんだろ?て言うかそもそも伝えてないな。


「トキヤ、私が分かっているかどうか確認したいのだけど」


ルナはそう言って紙を二枚持ってきた。そのうちの一枚に、丸を2つ、繋げて書く。その丸に、『バロン』と『ルーラシア』と書く。ルナはそれを持って話し始める。


「……つまりは国同士で国境があろうと、それは同じA紙の上での出来事。トキヤの場合は、また違う別のB紙の上の、別の国の人って事になるわね。それがいきなり別の紙の上に移動している。そのことをてんいしゃ、っていう事かしら?」


ルナはそう言い、書いたペンをB紙から、A紙に移動させて俺に聞いてくる。ハズクはうんうん唸っている。


「そう言うことだ。俺の国は日本と言って、魔法とか、龍みたいな大型生物は基本的に居ない。でも、その代わり何百メートルもある大きな建物、人が大空を飛ぶ技術、海に潜る技術とかが発達している」


「魔法が無い?……だから、トキヤは知識が足りない事があったのね。納得だわ。続きは?」


ルナはそう言って、どこかホッとしている。未知の文明の話を聞いて、もっと驚いたりするかもと思っていたけど、それよりも続きが気になるようだ。


「バルトロールダンジョンに書いてあった文字、あれは俺の国の文字だ。だから読めた。それと、俺はバロン語っていうのが分からない。俺の国の文字と、この国の文字は同じに見えるんだ。恐らくなんだけど、問題が無いように自動的な識字機能が付いていると思うんだ」


「だから、私たちが読めない文字も読めた……トキヤ、あんたの転移、それは事故じゃなくて、故意に呼ばれたのかもしれないわ。だって、そんな偶然があると思う?」


……あ……そうか。考えもしなかった。……いや、考えたくなかったんだ。誰かが俺を故意に転移させるなんて。そんな事……。


俺は帰りたい。家族に会いたい。でも、仮に戻ったとしても、また転移させられる可能性もある。だったら、その原因を根元から排除しなければ、意味がないかもしれない。


やらなきゃいけない事がたくさん増えたな。まず、帰りたいと言っても、ニーナちゃんと約束したからな。

白殺虎を倒す。敵討ちと、俺のリベンジだ。


あの時は何も出来なかった。でも、次に会った時は殺す。そう誓った。でも、あの時はそう思える力が無かった。でも、今の俺にある。もちろん、こんな力だけに頼ったりはしない。むしろ頼らない方が良いだろう。でも、切り札としては持っておく。


チワやハズクが安心して生活できるようにもしたいな。それが買った、引き取った責任だ。ハクちゃんに、生まれてくる卵は……みんなで飼ってくれるかな?向こうに連れて言っても新種の動物とかで、解剖?とかされそうだし。金持ちが違法な手続きで連れて行かれるかもしれない。その時、俺に守る力は無い。


「ご主人様、大丈夫ですか?」


ハズクが俺の顔を覗き込んでくる。心配させてたか。俺がこんなでどうする。落ち着け。今やるべき事を。先のことよりも、まずは目の前のことを。


「大丈夫だ。心配かけた……かけた、よな?」


これで『いえ別に』なんて言われたらすげー恥ずかしいぞ。


「もちろんじゃないですか!トキヤ様が落ち込んでいたら、みんなが心配しますよ。もちろん、私もですよ(小声)」


「そう、だよな、良かった。俺もみんなの事、心配だからさ。出来ればずっと居たいんだよな(大人になるまで)」


チワのその言葉で俺はそう返した。みんなが心配な風に、俺もみんなのことが心配で仕方がないと。


「「「え?……ずっと一緒に居たい(大人になっても)!」」」


「お、おう」


何故かみんながハモってそう言ったので、若干驚く。


「そうそう、もう1つの転生者。これは、B紙の人が死んで、A紙の世界で生まれるんだ。しかも、B紙の時の記憶を持ったまま」


「へぇ、そんな事が……なんでトキヤがそんなこと知ってるの?」


「えっと……向こうでそういう知識があったんだ。俺はそれを偶然知ってた。それだけだよ」


ハヤトの事を迂闊に言うわけにはいかないからな。あいつは隠しているしな。……あれ?俺今嘘ついちまった?でも……これはしょうがないんじゃないか?


「なるほどね。……ハズクさんは分かった?」


ルナはそう言って、未だにうんうん唸っているハズクにそう聞く。聞くまでもないと思うが?


案の定、分からないらしくルナに教わっていた。チワも少し理解は早かったんだが……。


10分後


「ご主人様、ハズクはようやく理解できましたよ」


なんてドヤ顔で言われた。何故ハズクはドヤれるんだ?


「じゃあ、次は私ね?……私の名前はルナ・ティンゼル。お爺ちゃんの名前がエドガー・ティンゼル。母親の名前はエレナ・ティンゼル。そして、父親の名前は……アクシオス・ティンゼルよ」


うんうん……それで?


「アクシオス・ティンゼル……ルナさん、もしかして、あのアクシオスさんですか⁉︎つまりルナさんは……」


「おい、俺は全然分からないんだけど、いったい何者なんだ?その、アクシオスってルナの父親は?」


チワの言ったことを聞いている限りじゃ、めちゃくちゃすごい人なんだろうが、俺には分からない。ハズクも同じらしい。


「アクシオスさんって言うのはーー」


バタン!


チワが喋ろうとした瞬間に、扉が勢いよく開いた。誰だ?一応剣の柄を持ち、身構える。入ってきたのは、銀髪の男の人だ。見た感じ、ヘプトさん辺りと同じぐらいか?服はボロボロに破れている。


ん?ルナが青い顔になって、震えている。いったい入ってきたのは誰なんだ?反応から見てルナの知り合いか?でも、良い関係ではなさそうだ。銀髪の男性が口を開く。


「ここに居たのかルナ、探したぞ。さぁ、帰るぞ」


銀髪の男性はルナの腕を掴み、無連れて行こうとする。俺たちは直ぐに立ち上がり、ルナの腕から放そうとするが、ルナの一言で立ち止まった。


「いやっ!放してお父さん!」


この人はルナの父親だった。


「そうそう、そこの君、君も来なさい。それと知らないなら教えてあげよう。私はルナの父親だ。名前はアクシオス・ティンゼル。役職は……現魔法騎士団団長だ」


アクシオスさんは俺にそう言った。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『普通を求めて転生したら勇者の息子だった件』

も、是非読んで見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ