VS大毒蜘蛛
「居た!あいつか、ルナ?」
「えぇそうよ。気をつけて二人とも。大毒蜘蛛は近づく敵には毒の霧を吐くわ。あと、足にも、それに牙にも毒がある。それ以外はただの大きいだけの蜘蛛よ。見た目は気持ち悪いけど頑張って倒すわよ」
「あぁ」
「はい」
俺はさっき見失った(正確にはルナで俺は見てすらいないが)大毒蜘蛛を見つけて背後から襲いかかろうとしていた。
現在その大毒蜘蛛は木に引っ付いている。大きさは8本の足を入れて大体全長2メートルぐらいだろうか?そのうち体は50センチ程だ。俺の世界じゃ蜘蛛と言っても種類がいっぱいいて、俺も中学2年の生物で蜘蛛を見て自分で軽く調べるまでは知らない情報がたくさんあった。
まず、蜘蛛は糸を吐くのが当たり前だと思っていたが糸を吐くのは半分ぐらいらしい。残りの半分は普通に捕まえて捕食だそうだ。その中でも毒を持つ蜘蛛はさらに限られていた。
だが大毒蜘蛛はルナの言うことが本当なら毒を持っている。糸は吐かないが毒というだけで厄介だ。厄介だ。正直あんなのを瀕死状態までしてそれを俺が回復するなんて正直ごめんだ。
「なぁルナ」
「なにトキヤ?しょうもない事だったらあなたを先に攻撃するわよ」
「怖いこと言うなよ。俺あんなのに近づいて回復するなんて無理だと思うぞ」
「……ならあれは狩るだけにしましょう。初めての魔物にそんな油断しているみたいなことをするなんてよく考えたらおかしいもの。私のミスだわ。ごめんなさい」
ルナが謝った。「傭兵との時も悪くなくてもそうやって謝っとけば良かったのに」なんて口に出しても言えない。
「いや、初めから俺たちも気づいておけば良かったんだ。さっきから一応年上なのにルナに頼りっぱなしで済まないな」
本当に俺はさっきからルナに頼りっぱなしだ。情けなくなってくる。いつも聞いてばっかりだ。異世界だからとこの世界のことを聞くだけ聞いて知ろうともしていない。チワの知識と合わせて帰ったら纏めなければな。そのためにも今は目の前の大毒蜘蛛に集中!そんなことを考えいたのだった。
俺たちの中で初めに動くのはチワだ。矢に《風付与》の詠唱をしている。俺も《水拘束》の詠唱をする。二人同時の為、互いに釣られないかが心配だ。だが俺たち二人共が無事詠唱をし終わった。
チワが大毒蜘蛛に弓矢を向けて矢を放った。おそらく狙ったのは蜘蛛の頭胸部(脳がある場所)だろう。蜘蛛の脳はでかい。8割近くを占めるものもあるそうだ。そして全体的に体が柔らかい。《風付与》したチワの矢なら普通は一発で仕留められるはずだ。
ザクッ!矢は頭胸部では無く腹部に刺さった。矢が刺さった場所から青みがかった透明な血と思われる液体が出てきた。正直、いや正直じゃ無くても気持ち悪い。それにチワはスキル『命中精度アップ』を持っているはずだがまだ魔法に慣れていないのだろう。
「トキヤ!ボサッとしていないで《水拘束》を早く使って!」
「っ!悪い、《水拘束》!」
左手を蜘蛛に向けてかざして《水拘束》を使う。手から出た水の球が縄状になり大毒蜘蛛を結ぶ。8本の足全てを結んだはずだ。
「嘘ー!」
たが大毒蜘蛛は全ての足を《水拘束》から抜け出して木から降りて来る。そして、とても早い。先に矢を放っていたチワが今度は普通の矢を放つ。だがはじかれる。《風付与》をしないと今後魔物に普通の矢は通じないと考えたほうがいいだろう。
「ルナっ!」
「任せて!5秒ほど足止めよろしく!」
「わかった!チワ!」
「はい!」
俺たち二人は足止めの為に蜘蛛に近づく。大毒蜘蛛は前足を両方振り上げて左右にいた俺たちに攻撃して来る。足にも毒がある為絶対に触れてはいけない。だが毒は毒でも弱い毒だ。そのおかげで鉄製の剣には無害となる。
「はぁっ!」
「やぁっ!」
俺は右前足を一本、チワは短剣で左手前足を一本と一番後ろ足を一本切った。そしてルナの邪魔とならない為に蜘蛛から離れる。
「2人ともありがとう。時間ピッタリよ」
『水よ。球となり、圧縮せよ。目の前の蜘蛛を貫き倒せ!《水球打》!』
詠唱が俺たちよりも長い。ルナがそう言うと俺が《水拘束》をした時みたいに手に水が集まる。だが、量は俺の倍近くだ。その水が球の状態になり、10個ほどまで別れる。その別れた水の球がビー玉近くまで小さくなる。そして一人でに大毒蜘蛛に飛んでいく。
ヒュン!水の球は大毒蜘蛛の体を貫通する。足を切っておいたので動きは鈍くなっているため、全ての球が命中した。見た感じ水属性の攻撃魔法だ。おそらく中級以上の難易度だろう。
「二人共!後はよろしく!」
「おお!」
「はい!」
そうして瀕死状態の大毒蜘蛛の足を全て切り落としてから脳を剣で刺した。
こうして2度目の魔物との戦いは俺たちの圧勝で終わったのだった。
所で組織の名前が思いつかない。
誰か良い感じのありません?
感想で書いて下さい。そうすればもしかしたら採用するかもしれないので。
(マジでお願い。思いつかない)




