番外編 健康診断の結果はいかに?
番外編 健康診断の結果はいかに?
♦︎
メリサ「いたたた・・・。」
キャンピングカー。キッチン。
薬の調合を終え、椅子に座ろうとしたメリサが急にお腹を抑えてしゃがみ込んでしまった。
そばにいたシェルが駆け寄る。
シェル「メリサ、どうした!?」
メリサ「たぶん、盲腸・・・。」
レン「隊長、メリサさん、どうされたんですか?」
続いてレンが夕飯の下拵えを中断して駆けてくる。
フローナ「メリサさん!」
掃除から帰ってきたフローナも心配そうに駆け寄る。
コキア「・・・。」
コキアは無言のままメリサの横へ。
シェル「まずったな。唯一の医者であるメリサが倒れるなんて・・・とにかく医者を探そう。」
シェルはメリサを抱えて大きい病院へと向かった。
しかし、入口で警備の人にせき止められてしまう。
「うちは半妖お断りしてるんだ。」
シェル「俺は中に入らない。メリサだけでも入れてくれないか?」
「ダメだ、入っちゃいかん。」
♦︎
そんな中、街を歩いていると長い黒髪をたなびかせ、魔女のような格好をした女性が声を掛けてきた。
魔女「どうかされましたか?」
シェル「メリサが盲腸らしくて。半妖だからって断られちまって・・・。」
魔女「すぐに私の家に来てください。私は魔女ですが・・・医者でもあるのです。」
シェル「いいのか?俺半妖だけど。」
魔女「昔、半妖の方に助けられた恩があります。
それに困っている人を見過ごすわけにはいきません。」
シェル「ありがとな。」
♦︎
数時間後。魔女の家。
病院のベッドでメリサがため息を吐いた。
メリサ「はー・・・。」
シェル「大丈夫かメリサ。」
メリサ「いやー、痛すぎてしぬかと思ったよ。」
レン「それにしても手術早かったですね。凄い腕前だ。」
魔女「ありがとうございます。」
メリサ「君、名前はなんて言うの?」
フレーリア「フレーリアと言います。驚きました。あなたは男性なのですね。」
メリサ「いやーはは、綺麗な服が好きでね。よく間違えられるんだ。でも、心は男さ。」
フレーリア「そうですか。
せっかくですから皆さんも健康診断していかれます?」
シェル「え、いいのか?」
レン「メリサさんを診てもらっただけでなく我々も・・・ありがたい話ですが大丈夫ですか?先程も手術をされてお疲れなのでは?」
フレーリア「いえいえ、大丈夫ですよ。」
♦︎
自己紹介を終え、健康診断スタート。
一人目。レン。
フレーリア「レンさんは血圧が高いのですね。」
レン「ええ・・・普段よく隊長に怒ってるのでそれでかと。」
フレーリア「まぁ・・・それはお困りでしょう。」
メリサ「ぶふっ、あいたた!」
フレーリア「メリサさん、笑ったら傷が開きますよ!」
メリサ「はーい・・・。」
二人目。コキア。
フレーリア「コキアさんはどこも問題はないですね。」
コキア「ありがとうございます。」
三人目。フローナ。
フレーリア。「フローナさんは胃腸が弱いのですね。貧血もあるので鉄分をしっかりと取って下さいね。」
フローナ「はーい!」
四人目。シェル。
フレーリア「シェルさんは体力も筋力も申し分ない。」
シェル「てことは問題ない?」
フレーリア「ええ、元気の塊です。"頭"以外は問題ないでしょう。」
メリサ「くくっ・・・いつっ・・・。」
シェル「あのねぇ・・。
あ、そう言えばさっき半妖に助けられたことがあるって言ってたな。話聞いてもいいか?」
フレーリア「ええ。構いませんよ。」
♦︎
フレーリア「二年前、妖怪に襲われた時のことです。
青い髪の美しい青年と、黒髪の姉妹のような二人に救われました。」
シェル「水龍たちか。」
レン「ですね。」
フレーリア「お知り合いですか?」
シェル「ああ、友達だ。」
フレーリア「そうでしたか。
同じオーラを感じたのでもしかしてと思っていたのですが。」
シェル「オーラ、似てるかな?」
フレーリア「ええ。確かに・・・半妖の方には凶暴な方もいます。
しかし、全員がそうではありません。我々人間がそうであるように。」
シェル「そう言ってくれる、フレーリアみたいな人は珍しいよ。」
フレーリア「そうでしょうか?」
メリサ「僕ら、フレーリアさんのおかげで本当に助かったよ。ありがとう。」
フレーリア「いえ・・・。」
フレーリアは少し照れたように顔を染めた。
♦︎
メリサの手術と四人の健康診断が無事に終わった。
フレーリアの家を出ると五人はキャンピングカーへと歩き出す。
シェル「フレーリア〜!ありがとなー!!また会おうー!」
ブンブンとシェルが明るい笑顔とともに手を振る。
抱えられているメリサも振り返りながら小さく手を振った。
フローナはぴょんぴょん跳ねながら手を振り、
レンはメガネを整えると小さくお辞儀をし、
コキアは無言でお辞儀をする。
フレーリア「はい、いずれまた。」
フレーリアが小さく手を振る。
フレーリア「ふふ。皆んながあの方たちのように優しい人だったら、この世界は今よりずっと平和でいられるのでしょうね。」




