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転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね? ~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~  作者: 鶯埜 餡
13才編『攻略対象者3』

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 国王が出て行き、代わりに母親とミスティア王女が部屋の中に入ってきた。

「お姉さま」

 エレノアは水差しをサイドテーブルに置いた後、先ほど国王が座っていた場所に座った。一方、ミスティア王女は部屋に入ってくるなり、アリアに抱き着いた。ちょうど抱き着かれたところの下にある傷口は痛んだが、王女の好きにさせてやろう、と彼女のなすがままになっていた。

「ありがとう、お母様も王女殿下も」

 アリアは二人に、動く範囲で軽く頭を下げた。エレノアは、

「そうね、あなたには心配かけられてばっかりよ」

 と、言いつつも、ほっとしていることが、その表情から伝わってきた。抱き着いたままのミスティア王女は、

「全くですわ。お姉さまが死んでしまったらどうしよう、と思いました」

 と鼻声で言って、うるんだ目でアリアを見上げてきた。その顔はかなり破壊力があったものの、

(我慢我慢)

 と、アリアは心の中で感情を抑え込んだ。


「そういえば、今更なのですが、あの狩り会で起こったことを、教えていただけませんでしょうか」

 エレノアにお茶を入れてもらい、ベッドにもたれかかるようにして、起き上がったあと、そう切り出した。少しまだ意識を持っていかれそうな痛みが、体中を走る。

 アリアの言葉に、エレノアもミスティア王女も一瞬言葉に詰まったのが分かった。だが、アリアとしても聞かないわけにはいかなかった。アリアがその質問をしてくるのはわかってはいたのだろうが、当事者であるアリアにそれを聞かせたくなかったのか、二人とも一瞬目を伏せた。

「そうね」

 しばらくしてから、エレノアが語りだした。


「あの日は、他の国からも賓客訪れる、というので警備はかなり厳重だった。アリアを刺した男――ロレンツォ・スパリツは王立騎士団に勤めていた男だった。でも、フェティダ家の家令の一族であり、前の事件ではデビトに加担した男だったの。で、あの事件で、デビトが追われると同時に、彼も王立騎士団をやめざるを得なくなった。それを逆恨みしたのか、陛下の暗殺しようと思ったのね。

 騎士団の内部情報を昔の仲間である王立騎士から聞き出し、警備の隙を突いた。でも、アリアが準備の日に武器を発見し、騎士団に引き渡したおかげで、南方にいるコクーン卿に連絡が行き、彼が戻ってきた。ただ、運悪くアラン君と接触している時に、ロレンツォと遭遇。彼の目的はなんとなくわかったから、アラン君だけでも逃がそうとしたみたいだったけれど、アラン君が逃げる前に二人とも刺されてしまったみたい。アラン君が叫んだ瞬間、一瞬森に身を隠したらしいわ。

 アラン君の叫び声を聞きつけたアリアが現れて、二人に手当てを施している背後が無防備になっていたから、ついでに、という事でアリア、あなたを殺そうと思ったみたいよ。

 で、あなたを刺したはいいけれど、結局御用になったわ。まあ、そりゃ当然よね。で、コクーン卿は重傷だったけれど、あなたの手当てのおかげで、命に別状なし。アラン君もけがはしていたけれど、意識はあって、翌日にはもう動いていたわ。


 で、アリアは意識失うし、結構出血もあったから、侍医の方も『覚悟していた方がいいですよ』と言われてしまったわ。でも、2日で目覚めてくれてよかった」

 エレノアはそう言い、アリアを抱いた。彼女は、

(いつ以来だろうか、こんな風に抱いてもらえるのは)

 と感じつつ、微睡の中へ落ちて行った。

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鶯埜 餡
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