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転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね? ~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~  作者: 鶯埜 餡
13才編『攻略対象者3』

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 アリアは現実世界で目を覚ますと同時に、赤い毛が視界を覆ったので驚きでもう一度目を閉じてしまうところだった。

 しかし、目を閉じる前にギュッと肩を捕まえられた感触があったため、目を見開きあたりを見回してみると、そこには目を真っ赤に腫らしたアラン、目元にはっきりとした隈を作っている母エレノア、心配そうに見ている国王一家。そして、所在なさげにたたずんでいるセルドアとクレメンスの姿があった。

「あ、えっと、あの―――」

 アリアはどういったらいいものかと思い、うまく頭が回らない中言葉を出そうと思ったが、失敗した。大人たちは、一瞬顔を見合わせたが、

「大丈夫だ」

 と、国王が出てきた。アリアは一瞬起き上がろう、と思ったが、国王に制された。

「起きずとも好い」

 国王はそう言って、彼女が横たわっているベッドの側にある椅子に座った。アランは静かに彼女のそばを離れた。


「今回の件を含め、申し訳ないと思っている」

 国王は全員の退席を促し、今はアリアと二人きりだった。国王は普段と異なり、かなりやつれているように感じられた。

「今回の件も、フレデリカの時も、儂の力不足であると同時に、わが父王の時に狂いが生じ始めた」

 王はぽつりぽつりと話し始めた。

「そもそも、あの人は自分に国王としての才能がないのに、王位を狙い、実の姉でさえ手にかけた。それを知っていたのかは知らないが、アリア姫、君のおじい様であり、儂の叔父は伯母であるマリア=アンネ王女が亡くなるとほぼ同時に政の表舞台から去った。その後すぐに、名もなき子爵家の婿となった。

 そうして彼の妻との間にエレノアとエンマという娘をもうけ、立派に成人させた。

 しかし、三代前の当主の要請で、わが父から娘を差し出せという命令を彼は受けた。しかし、仕方なく彼は受け入れ、エレノアをスフォルツァ家へやった。その当時、君の曽祖父が当主が隠居し、彼の息子である君の父方の祖父母が爵位を継いだ。しかし、彼らの仲は爵位を継いだ当時はもう、最悪(・・)だった。彼は妻一筋だったが、妻の方は最初は夫婦の義務(・・)として嫡男であるマグナムを出産して以降、男どもの間を渡り歩いていたらしい。そして、いつの間にか妊娠していたのがフレデリカであり、一応彼女を引き取って、屋敷で育てていたが、女ならばと、隠居した先代当主が王宮へ上げた。王宮で色気しか出さない彼女に、いつの間にか私は溺れた。すでに、妻がいたのにね。こうであってはいけない、ともわかりつつね。」

 その過去を話す国王の顔は散々なものだった。

「そんな状況の家に、エレノアは嫁いだ。儂としては後悔してもし切れていない部分が多い。だからこそだ。


 せめて、息子には賢い女性と結婚してほしい。そう思った。

 君には悪くない話である上に、愚息との婚姻を結んでほしかったし、今でももう一人の愚息と結婚してほしい、とも思う」

 国王の父としての顔に、アリアはうつむいた。確かに、スフォルツァ家としてはほかの公爵を押さえる、という意味では役には立つ話だが、ほぼうまみがない。そんなアリアの思考を読み取ったのか、

「分かっているさ。だから、そうではない(・・・・・・)役割を果たしてもらおうか、と考えている」

 と国王は言い、席を立った。十分に休みなさい、と言って彼は部屋を出て行った。アリアは彼の背中が、以前王宮夜会で見た時からして、遥かに小さくなっているような気がしてならなかった。

10月29日修正

後半部分大幅に修正いたしました。

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鶯埜 餡
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