第四話
絵本GETだぜ!
といっても新品じゃなくてお古だけど。
どうもいらなくなった本を捨てるのがもったいないからと、まわしてくれたようだ。
となると、この家には必要な存在が俺以外にいるってことなんだろうな。
そんなことすら、類推してわかるほどに無視されている毎日だ。
まあ、主人公かゲームではテオに殺された長男のものと考えるのが
妥当かな?
それ以外に兄弟がいた描写は、特になかったし。
ともあれ、文字を覚える絶好のチャンスだ。
食事を用意しに来る召し使いに読んでもらって、読み方を覚えていった。
何度も頼んだら、いい加減に呆れられたのか、
拒否されるようになってしまった。
それでもどんな文字があるかはわかった。
この絵本にあるもの以外にも文字はあるんだろうけど、
まずは書き写して覚え
………筆記用具がないので、指でなぞることで覚えることにした。
紙やペンが貴重なのもあるんだろうけど、二歳に満たない子供の部屋に
無造作にインクがおいてあったら飲んで大騒ぎになりそうだし、
仕方ないかな。
いや、さすがに無関心ぶりを発揮されて無視されるとは、思いたくない。
数字はローマ数字みたいな本数表記みたいだ。
幸い十進数なようで、俺の記憶が活かせるようだ。
お陰で、時計から時間を知ることができるようになるなど、
生活の幅が広がるぜ。
特に夜遅い時間に家の中を探索するには、
時間を把握しないといけないよな。
部屋を出る野望を達成するため、全力を尽くすぜ!
………自分で言ってて、侘しくなってきた。
今はまだ、雌伏の時と自分に言い聞かせて、頑張って行こう。
一話をもう少し長くしても良いのかな?と思いつつ、
とりあえずここで区切ります。
誤字脱字がございましたら、ご指摘いただけると助かります。