第三話
やっとのことで、一歳の誕生日を迎えた。
もっとも、食事の世話に来たときに、今日が誕生日ですと
告げられただけで、プレゼントやお祝いはなし。
ううん、いい感じに冷遇されているね。
暴力的に虐待されてないだけ、マシなのかな?
あれからハイハイでの移動や、ベッドに掴まりながらの歩行は
なんとかできるようになった。
言葉を知るために、召し使いに対して、何とか聞き出そうとも頑張った。
お陰で、はじめて話した言葉がありがとうという感謝の言葉だぜ。
ちゃんと言えなくて、いまいちだったけどお礼はお礼。
多用せざるを得ないから、何度も話すうちに多少は発音もマシになった。
一歳の子供がこの世界でお礼を言えるかはわからないけど、
割りとスルーされることからすると奇異には思われてないんだろう。
単純に関心持たれてないだけって可能性もあるけど、
もしそうだとすると悲しすぎるから無視だ無視。
この世界を知るために色々学びたいけど、いくらなんでも幼児が自ら学びたいなんて言い出したらおかしいのはわかってる。
ましてや、俺は一歳になったばかりだ。
まずは部屋を抜け出して、自力で見て回るしかないかな。
そのためには、掴まらずに歩行できるようになることが
最低限必要だろう。
最近始めた腹筋運動や腕立て伏せに合わせて、
足だけで立つ練習を増やすぜ。
目標ができると一気に実現に向けてやる気が出てきた。
召使いたちにばれると、ややっこしいことになりそうだから
気をつけはするけど、相変わらずの無関心ぶりからすると
隠さなくても一緒かも?とか考えちゃうな。
下手に目をつけられることもないから、基本隠して行動するけどね。
誤字脱字がございましたら、ご指摘いただけると幸いです。




