番外編:神級変態屑王子の幸せ走馬灯
僕はフレディ。キャズム王国の王子で、いずれ来る王位継承の日に備えて最愛の妻ナスターシャと共に国を支える仕事をしている幸せな男だ。
今は幸せな僕だけど、幸せにたどり着までにはいろんな不幸せがあった。
最初の不幸せは僕が6歳の時。優しかった母上との別れだった。
国を守るために必要な【結界】。そのエネルギー源として、母上は【聖女】の役割を果たした。
母上の最期を見届けて以来、僕は大人の女性を見るのが怖くなった。
あの瞬間を思い出してしまうから。
だから、僕は学校が好きだった。
学校には大人の女性は居ない。安心して勉強ができる。
僕は国王の一人っ子。いずれ王位継承権が回って来る。その時に、母上のような犠牲を出さずに済むように勉強を頑張った。
誰も犠牲にすることなく皆を幸せにできる【技術者】になりたいと思った。
歳を重ねて学年が進むにつれて僕は背が伸びた。
そして、同じ学年の女子の背も伸びてきた。
母上の姿が重なるようになって、僕は学校に行くのが怖くなった。
幸い、勉強を頑張ったおかげで学校は飛び級で卒業させてもらえた。
国内各地の学者様達の指導で勉強や研究を進めつつ、幼馴染のヘイリーのところに通うのが楽しみになった。
ヘイリーは病弱で優しい女の子だ。背が低いから一緒に居ても母上の事を思い出さずに済む。
背の低い女の子は可愛い。チビッ子ヘイリー可愛いよ。
細い手足でフラフラ歩くヘイリー可愛いよ。
立って見下ろしたら頭頂部が見えるヘイリー可愛いよ。
近くに立ったらうっかり見失うちっちゃいヘイリー可愛いよ。
僕のヘイリーたん。ハァハァハァ……。
でも、僕の大切なヘイリーが【聖女】にされると聞いた。
ヘイリーにまで置いて行かれたら、僕は生涯不幸せになってしまう。
僕はもう大切な人を失いたくない。その一心でヘイリーを助けるための技術を開発した。
技術開発と改造手術は成功した。僕の【最高傑作】だ。
誰にも取られないようにと、ヘイリーは死亡したということにしてナスターシャという名前を与えて隠した。
ナスターシャは母上の名前だ。
二度と僕を置いて行かないで欲しいという願いを込めた。
でも、ナスターシャは、背が伸びてしまった。
病弱を克服して元気になったのは嬉しかったけど、母上の姿が重なるようになって僕はナスターシャと一緒に居るのが辛くなった。
代わりの【聖女】の用意に忙しくなったのもあり、一旦ナスターシャの事は忘れて異世界から【聖女】適性者を召喚する技術の開発に没頭した。
そして、僕はマリアを召喚した。
小さい。そして、かなりの強運持ち。
なんだかよく分からないけど、マリアなら僕を残して死なないと思った。
若返らせて傍に置いたら僕は幸せになれると考えた。
でも、【聖女】は必要。僕は悩んだ。
予定を変更してナスターシャを【聖女】にしてマリアを残すか。
だけど、それには大きな問題があった。
ナスターシャの身体に組み込んだエネルギー源は、停止時の安全性が未検証。個体死亡時には【核反応】が暴走して、王城と周辺を蒸発させるほどの巨大爆発が起きる可能性がある。
苦渋の決断だったけど、僕はマリアを【聖女】に選んだ。
でも、マリアは生きてくれた。
困ったことにはなったけど、僕は幸せな気持ちになった。
小さいマリア可愛いよ。アラフォー喪独女マリア可愛いよ。
年の功を感じるほうれい線と肌のたるみを隠せないマリア可愛いよ。
立って見下ろす頭頂部に白髪が混じるマリア可愛いよ。
九死に一生を日常にして生きてきた不死身級の強運ステキだよ。
僕のマリアたん。ハァハァハァハァ……。
いろいろあって、マリアと一緒に国家存亡の危機を越えて、王に即位することになった。
だからマリアを手に入れて、若返らせて王妃にしようとした。
そしたら、殴られてしまった。
王位継承もお預けで皆の前で大恥をかいてしまった。
しかも、父上にマリアを取られてしまった。
不幸せな気分になってしまった僕は、殴られた後でなんとなくナスターシャの家に行った。
住宅設備点検のため庭師や屋根職人のオジサン達が庭で作業していたけど、屋内の作業は完了済みとのことなので、予定外だったけどお邪魔した。
部屋の掃除をしていたナスターシャは、僕を見て嬉しそうに駆け寄ってきた。
大きくなったナスターシャは、母上の姿が重ならないことに気付いた。
それだけで幸せな気分になった僕は、なんとなくナスターシャを抱きしめてみた。
その瞬間、僕の【魂】に衝撃が走った。
触れている箇所全てから伝わる【女】の感触!
引き締まっている所と、柔らかい所のコントラスト!
折れそうなほどに細いながらも、しっかりとした弾力!
そして何より、【女】であるところの【大きさ】!
僕のナスターシャたん。ハァハァハァハァハァ……。
幸せで満たされた僕は、寝室で脱がせて【既成事実】を完遂した。
ナスターシャを完璧なまでに仕留めた僕は、【真理】を悟り過去の過ちを悔いた。男の正しい【愛】は【豊満】に注ぐべきもの。貧乳低身長には【愛玩】がふさわしい。そう。【残念】と【貧】の間であるマリアが男に見向きもされずアラフォー喪独女となったのは歴史の必然だったのだ。
【高◎性能】で仕留めた初めての【獲物】を抱きしめながら、心の中で父上に詫びた。僕が【愛】を熱く語るたびに父上が老けていったのは、こういうことだったんだ。でも、ナスターシャの【豊満】のおかげで僕は正しい【愛】に到達した。
ナスターシャさえ居れば僕は何だってできる。マリアにしてやられたままではいられない。マリアよりもナスターシャが【女】として【獲物】として素晴らしいという【真理】を、キャズム王国中に知らしめなくてはいけない。
【愛の真理】を悟った僕の腕の中で、ナスターシャは【異常過熱】で【茹でタコ】みたいになって気絶していた。
庭の端にある冷却用プールまで担いで運んだら、水が黒く濁って異臭を放っていた。作業していた浄化槽担当者の方によると、作業ミスで浄化槽の【汚泥】がプールに混入してしまったとのことだった。
でもまぁ、冷却には支障が無いので、ドブみたいになったプールにナスターシャを放り込んだ。
しばらくしたら、ナスターシャが絶叫しながらブールから飛び出してきた。
浄化槽作業員の姿を見て悲鳴を上げながら泥水プールに戻ろうとしたけど、汚れたままでは可愛そうなので捕まえて肩に担いで家まで運んだ。
途中、やたら【タオル! タオル!】と叫んでいたので、近道のために庭師と屋根職人の人達が作業している区画を横切った。
風呂場で綺麗に洗ってあげたら何故かどんよりしてしまったけれど、【結婚式】に行くと言ったら元気を出して素早く身支度をしてくれた。
二人で会場に到着し、僕とナスターシャの【愛】の力でマリアの【魂】を大宇宙に吹っ飛ばした。
キャズム王国の重鎮が集まる会場内での大勝利。誰もが僕とナスターシャの結婚を認めたことを感じた。
大宇宙から帰ってきたマリアに【愛の真理】で勝利宣言をした時に、ナスターシャは僕に【正体】を明かしてくれた。
無限の力を持つ身体に死を乗り越えた魂を宿した強い命!
骨と筋肉に【山のヌシ】の力を取り込んだ最強の肉体!
万物の捕食を【神】より許された【究極の捕食者】!
進化する力を自ら獲得した僕の【最高傑作】!
超生命体ナスターシャたん。ハァハァハァハァ……。
僕の首を狙って掌を挙げるナスターシャの姿を見て、最高に感動した。
仕留められたのは僕の方だ。いや、僕だけじゃない。既に国全体がナスターシャの【獲物】なんだ。
ナスターシャには誰も逆らえない。誰も止められない。もう誰にも殺せない。何があっても死なない。絶対に僕を置いて行かない。世界最強の存在だ。
ナスターシャは僕があの時以来ずっと求めていた【不死身の伴侶】に自ら進化してくれた。
感動のあまり僕の【魂】は【木星】まで跳んだ。
大型船が【木星】から何かを採掘しているのが見えた。
ずっと欲しかった【不死身の伴侶】を手に入れた僕は、幸せになった。
マリアから受けた訓示も素晴らしい物だった。
もう大切な人との別れに怯える必要は無い。ナスターシャさえいれば、僕は【王】を越えて【世界一の男】にでも、【神】にでもなれる。そう確信した。
………………
…………
……
僕は幸せな男だ。
今日もナスターシャを上に乗せて寝ている。
暖かくて柔らかい感触がたまらない。
たまに骨を折るけど、ナスターシャは僕には優しい。
この前【骨盤】を挟まれた時に【約束】した件も、リーセス国との医療技術交流で見通しが立った。【結果】を出すために進めているナスターシャの身体の【代謝調整】も順調だ。
僕とナスターシャの子供。楽しみだ。本当に楽しみだ。
うーん。一度に3人欲しいというから、男児二人、女児一人がいいかなー。
女児はヘイリーに似た可愛い女の子が欲しいな。ナスターシャみたいに成長してほしい。
夫になって責任は重くなったかもしれないけど……
ミシミシ ゴキッ ※左第九肋骨折損
久々に感じる激痛。ナスターシャがまた僕の肋骨を折ったようだ。
折られるのは痛いけれど、僕を抱き締めるナスターシャの強い力を感じると僕は幸せな気分になる。
痛みに耐えて目を開けると、ナスターシャが僕の肺を圧迫しながら睨んでいた。
折りながら怒るナスターシャたん可愛いよ。ハァーハァーハァーゲホッ……。
「フレディ様! 先程の言葉は本当ですか! フレディ様にも分かるほど私は変わってしまったのでしょうか!」
「……? ああ……、ナスターシャは変わったよ」
ミシッ ベキッ ※右第八肋骨折損
「そうだったのですね。私は自重していたつもりなのに、フレディ様にも分かるほど変わってしまっていたのですね……」
「ナスターシャの変化は見ればわかるよ」
メキメキメキ ボキッ ※左第八肋骨破断
「フレディ様は私をそういう目で見ていたのですね。だから、この前くださった衣装を着た時にがっかりしたのですね!」
「いや、あの時はナスターシャが【ミニスカート】と【ホットパンツ】を一緒に着用したのがいけなかったんだ。あの二つは組み合わせたらいけないんだ。台無しなんだよ」
ミシッ バキッ ※右第七肋骨折損
「台無し! 体質的に厚着ができないからあの衣装は普段着として重宝してたのに、そんなことを言われたらもう着られませんわ!」
「いや、そうじゃなくて、【組み合わせ】の問題なんだよ! 【ミニスカート】が生み出すチラリズムと【ホットパンツ】が生み出す豊満感は至高だけど、組み合わせると打ち消し合ってしまうんだ! それは残念な事なんだよ!」
ナスターシャが身体を離して、僕の上で四つん這いの姿勢になった。
女性の四つん這い姿勢は【大きさ】を強調する。【残念】が【貧】に、【貧】が【普】に【格上げ】されるほどの姿勢だから、ナスターシャがそれをするとネグリジェの隙間から【極上】が見える。
「【豊満】で【残念】ですか。すごく気にしている私にそういうことを言いますか。フレディ様」
「ナスターシャ。落ち着いて。発言の変な切り取りはヤメテ。先ず冷やそう。プール行って冷やそう」
デレる【極上】ナスターシャたん機嫌を損ねても可愛いよ。
【代謝調整】でわざと【油】の消費量を絞った成果!
王城パティシエと共同開発した【脂質大増量スイーツ】の成果!
甘党で 【極上】肥やす ナスターシャ
さらなる【極上】。もっと肥やすぞ。 ハァハァハァハァ。
ナスターシャが四つん這いのまま少し後ろに下がって、その太腿で僕の両脚を鋏んだ。
その動きで大きく揺れる【極上】をやっぱり凝視。その視線に気づいたのか、紅潮したナスターシャが僕を睨む。
涙目のナスターシャは最高に可愛い。だけど、鋏まれた両脚が痛い。
「フレディ様の、バカァァァァァァー!」
ゴキッ ボキバキッ ※右股関節脱臼+両脚大腿骨複雑骨折
…………
僕の【魂】は久々に大宇宙を漂う。
目の前にある宇宙要塞の中から、【脚なんて飾り】っていう【超理論】が聞こえた。
両脚大腿骨をあっさり折られた僕の心に、その【超理論】はすごく響いた。
ナスターシャ。最近当たり前のように僕の骨を折るけど、それでも自重しているんだよね。
僕は気付いているよ。最終的にはどうあっても僕を【捕食】するつもりなんだろう。
でも、それでいいんだ。
リーセス国からの技術供与を受けて完成させた【不老不死】の技術。その鍵となる仕組みは僕の血肉に組み込んである。
君が僕を【捕食】することで、君はさらに強大な力と永遠の寿命を手に入れる。そして、僕の【最強傑作】である【永遠のナスターシャ】が完成する。
世界最強で不老不死となったナスターシャは、絶対僕を置いて行かない。
僕は君の一部となって、この世界で一緒に永遠を生きるんだ。
愛しているよナスターシャ。
僕は、本当に幸せだ。
●オマケ解説●
フレディ王子 186cm ※文武両道の細マッチョ 実は結構強い
ナスターシャ 172cm ※グラマラスナイスバディ 二人きりの時はデレる
夫婦として釣り合いの取れたハイスペック美男美女。
そう。夫婦は総合的に釣り合いが取れて成立するもの。
だから【片方だけがヤバイ】なんてのはあり得ない。
男として、紳士として順調に成長していたかに見えたフレディ王子。しかし、幼い頃に母を目の前で失った心の傷は彼の成長を根底から歪めていた。
ちなみに、母親の身長は158cm。それに近い体型の女性を無意識に避けた結果がチビッ子フェチ。かつて138cmのヘイリーを溺愛し、その後144cmのマリアに求婚して殴られた。
成長期に入ったことで一旦趣向から外れてしまったナスターシャ。でも、母親とかけ離れた長身グラマラスまで成長したことで、最終的に王子の心を仕留めた。
長身は貧乳を併発しがちなので、そういう意味でも貴重な彼女。若い王子はもう夢中。
とてもじゃないけど人に言えない最低すぎる趣向遍歴。
ちなみに、女性はそういうのに敏感だから、嫁と姑には全部バレている。
元凶は【国王】ではあるけれど、一人息子が自分のせいでこんなんになったら、ジジイにもなりますわ……。
異世界転生で【結婚】の夢を果たした池中まりあ。
その嫁ぎ先は、予想以上に【ヤバいご家庭】だった……。
でも、【姑】となったまりあならできる。【万能の拳】の出番だ。いまならナスターシャが手伝ってくれる。性根が治るまで【拳で修正】だ。
世界の平和はその拳にかかっている!
※ポイントクレクレ記述
何かと最低なフレディ王子が【ひどい】と思った残念人生貧乳アラフォー喪独女の方は、【コイツ殴りてぇ】と思った数だけ★を入れてくれれば、まりあとナスターシャが心をこめて【万能の拳】で仕留めます(笑)。