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15話 めでたし

屋敷内が賑やかになって一月が経った。

ロドリゲスが手続きを張り切って、ようやくシーラも今日からナメージコ家の一員だ。


ナンテコッタでは、夫婦のはじまりの日に白い衣装を着る。

この国の創成にまつわる女神の縁起を担いで、生涯2人が離れることがないように願をかけるからだ。


白い衣装に身を包んだシーラは、もう天使に違いない。

エスコートするつもりが、思わず腕の中に閉じ込めてしまった。

柔らかくていい匂いがする。

このまま横抱きして教会まで行こうかな。

「リード様、シーラ様のお化粧が崩れてしましますから」

リディアがシーラを取り上げようとしてくる。


シーラからもグーパンが飛んでくるけど、まったく痛くない。

かわいいな~。

「俺の女神だからな」

スリスリするとグーパンが止まった。

真っ赤になって、かわいいな〜。


考えてもみてみ?

何年もでかい家に1人でいてさ、掃除洗濯も飯の作り方も分かんなくてさ、適当に外生活して

『俺何やってんのかな〜』

ってなってたら急に現れた天使だぞ。


俺すげ〜汚いのに、嫌がりもしないで話し相手になってくれたし。

その後いきなり裸に剥かれて、スライムけしかけられたのはびっくりしたけどな。

…あれは開けたらいけない世界が待ってたな。


シーラに逃げられないように、早く家族も増やしたいし、

「男の子が生まれたらマークで、女の子が生まれたらクマミだな」

「でしたら、きっと男の子が生まれますわね」

「ですよね」

間髪いれずに答えが返ってきた。しかも四方八方から。

なぜだ?シーラに似た女の子もかわいいぞ。


まあ、

「そのためにも早く夜にならないかな」

スネや太ももにばんばんピンヒールが食い込んでくるけど、まったく痛くない。離してやらん。

涙目がかわいいな〜。


「変態行動も、自分の嫁にやる分には咎められませんよね」

「シーラが鈍臭い子でよかったですね」

「もう、ササっと行って、チャチャっと帰ってきて部屋に押し込んでしまいましょう」

「どうせ3日ぐらい出て来ないのでしょう?」

「奥様が出てこないと、お庭の果物の発育が悪くなるのが困りますけどね」


なにやら使用人たちも賛成のようだし、俺、行ってくるわ。


「こういうことは、2人だけの時でお願いします」

車に入るとシーラが上目遣いでぷるぷるしてお願いしてくる。

「あ〜、うん。わかった」

あんま自信ないけどな。

で、今は2人だけだからいいってことだよね?



ナメージコさん家は今日も平和です。


これにて完結です

読んでいただきありがとうございました

明日から本編に戻れるのかな?と思います

そちらもよろしくお願いします

(^人^)

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