一汁二采
今回は主人公の綱菓子 朝弥視点です
次回からはサブキャラの視点になります
多分、主人公が帰ってくるのは3話ほど後になると思います
さて、ここからどうするべきか
九尾の姿になった俺は考えていた
とりあえず間違いなくわかっているのは現実世界ではなく異世界
そして、俺の力は最大限に使うことができる
この二つだけだ
確信はないけどここは日本ではない
そして、社長たちはいない
あの後どうなったかはわからないのは辛い
「どうかしました?」
「いや、なにも」
しばらくはここで様子見だ
どうせあの人たちのことだし死んでいることはないだろう
まあ、操られているとか捕えられている・・・もしくは、力が使えないの可能性はなくならないけど
「ん? ここは?」
「私の家です」
「そうなのか」
口調はものすごく冷静だが心の中ではものすごく驚いている
理由はものすごく簡単、この子の家が・・・お菓子の家だ
壁はクッキーらしきものでできているし、屋根はクッキーの上にホイップクリームを使っている
正直、ものすごく甘ったるい匂いがして入るのをためらってしまう
「どうかしました?」
「・・・」
どうすればいい?
基本的には甘いものは苦手な俺はどうすればいい!?
逃げるのか? 逃げてしまった方がいいのか?
いやでもここで逃げると帰って怪しまれてしまう
男には腹をくくらなきゃいけない時があるよな
よし
俺は本院山の後ろをついて行った
数分後
俺は直面したことがない危機に遭遇していた
「お腹がすいているでしょう。た~んと食べてください」
「あ、ああ」
冷や汗をかきながら俺はそう答えた
目の前に出された一汁二菜は・・・ ※(一汁二菜とはご飯におかずが二つあって汁物と漬物があること)
ご飯:いなりずし
まあ、これは狐だからお揚げかと思って想定内
おかず:ショートケーキ
お菓子の家だからな。まあまだ大丈夫だろ
おかず2:ウナギのかば焼き
さて、ここからおかしいよな
汁物:あさりの味噌汁
ここで和風路線が帰ってきた
漬物:キムチ
すべてを見て俺はこういう結論にたどり着いた
間違いなく腹を壊す
え~とだまず酸っぱいものと辛いものと脂が多くのっているもの
一つ一つ見ればよだれがでる
でもだ、一気に出さないでほしかった
「どうかしました?」
「・・・いただきます!!」
俺は勢いよく箸を手に取る
ちなみにもう人間の姿に戻っています
まずは・・・ショートケーキ!!
まるまる一個箸で巧みにつかみ取り俺は口に運ぶ
「ガハッ!!」
「!?」
衝撃的な味だった
甘くなかった
いや別にいい
いちごのショートケーキでも甘さ控えめでいちごの味を重視するところもある
しかしだ
このクリームの味がまさかの・・・
「肉だと!?」
口の中にいっぱい広がる肉汁?
のど元を通り過ぎたのに残る圧倒的存在力
そして、なぜかここにきてまずいことを思いだす
食中毒
立派な毒だ
いくら元勇者であろうが毒の耐性は別だ
こんなところで俺は死ぬのか?
いやだ! もっと生きたて遊ぶ!!
そのためには・・・
目の前の物を・・・排除するしかない!!
数分後
ああ、そうか
ここで俺は死んでしまう
そうなる可能性が高い
強きものと多く闘い、あまたの名誉を異世界で受け取った勇者はここで死ぬ
目の前の一向に減らない料理を見てそう思った
「あの・・大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫」
「本当に大丈夫ですか!?」
まずい、意識がはっきりしなくなってきた
どうすればいい
「あの残してもいいんですよ?」
「大丈夫だ。このぐらいなら食べることできる」
「いや、でも顔がもう真っ青ですよ?」
「いつもこういう顔色なんだ」
「それだとやばいですよ!?」
そう言いながらも俺は箸を進める
そして、完食した
終わった
生きている
思わずうれし涙を流す
「あ、デザート持ってきますね」
(やめてくれ!! 俺のHPはもうほとんど・・・)
「はい」
言葉が出なかった
ただ思っただけだったので彼女はデザートを持ってきた
ホールケーキ
見るだけで吐き気がする
だが、このぐらいならはい・・・
絶句した
ホールケーキから湯気が立ち上っている
なのにクリームは溶けていない
どういう物質を使っているんだ?
もう目の焦点が合わない
「それでは私は隣の部屋に行きますね」
「ま、まっ・・・!!」
見ていられなかったのだろう
さあ、勝負だ
俺とお前※(ホールケーキです)
どっちが先にギブアップするか
お前の実力を確かめてやろう!!
思いっきり箸をど真ん中に刺し、ガブリつく




