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会社の崩壊への罠


「おつかれさま」


 あのあと一般人の記憶を消して俺は避暑地に行こうとしていたおっさんどもと一緒に社長の元に行った

 ちゃんと全員、一回だけ折ったが・・・

 さすがは俺より早くここに勤めているおっさんどもだ

 全員回復してやがる


「いやー、参ったよ。急にあいつらが合わられるからさ」


 軽い口調で話しを進めようとしている次長 名前 品柄(しながら) 明喜(めいき)

 顔立ちは青年のようだが実年齢45歳だ

 金髪で長髪のストレートで背が高い

 今でも逆ナンされると豪語するがすぐさま奥さんに連れ去られるお調子者だ

 ちなみに元勇者で実力は俺より上だ

 

「いや、私としたら綱菓子君に攻撃された方が驚いたのだが・・・」


 疲れたような口調で話す無精ヒゲ面の部長 名前 伊井田(いいだ) 松濤(しょうとう)

 顔立ちは凛々しく無精ヒゲがかっこよく似合っている

 短髪の黒髪で身長は品柄次長と一緒ぐらいに背が高い

 クラブに行くとモテると豪語するが奥さんに連れ去られてばんそうこうと包帯を巻かれた状態に帰って来るお気楽者だ

 この人も元勇者で実力も俺より上だ

 ・・・どうしてこの2人がいたのに

 あんな状況になっていたのだろう

 ちなみに後もう一人仮社員の引きこもりがいる

 そいつはメールで言っている通り家にいるのだろう

 とりあえず今一番の疑問を聞くか


「どうしてあなたたち二人いたのに捕まっていたんですか? 普通に返り討ちできるでしょ」

「そうだな~。確かに最初は一般人に被害が及ばないように反撃しようとしたんだが・・・」

「だが?」

「なぜか急に魔力が体の中から消えたんだ」

「消えた? 感じなくなったじゃなくてですか?」

「ああ、お互いに確かめ合ったが完全になくなっていた。なので仕方なくそれぞれの妻子を避難させながら一緒に一般人も避難させようとしたんだが信じてもらえなくて交渉している間に捕まった。そして、腕を折られた」

「そうですか。お疲れ様」

「私もほとんど一緒だな。腕を折られた」

「お疲れ様です」

「「綱菓子君に腕を折られた。しかも両腕」」

「災難でしたね」

「「ほんとだよ!! 無傷だったのに味方が敵だったよ!!」」


 声をそろえて文句を言う

 文句は社長に行ってほしい

 俺の意志じゃ・・・まあそれは置いといて


「魔力が消えたのか」


 社長が悩み始めた

 確かに前代未聞のことが起きている

 俺達元勇者は少なくも魔力を持っている

 そこからそれぞれの異世界に精神の糸や俺なら鏡で元の魔力を現実世界に召喚する

 だが、全部自分の中に魔力がないとできない

 こっちで使うとなくなってしまうが時間で元通りになる

 

「今は大丈夫なのか? お前達」

「う~。一応、回復したけど軽い違和感を抱いている」

「同じく」

「違和感?」


 さらに社長が頭をかしげる

 自分で回復した魔力に違和感を抱いている

 確かにおかしい

 でも一時的なものの可能性がある


「とりあえず、私たちは様子を見ようと思っています。それでは・・・」

「待て」


 社長が電光石火で部長の肩を掴んだ

 部長はなんだか焦ったような表情をしている

 そして、部長は・・・天使のような笑顔をしている


「どこに行こうとしている?」

「い、いや。そのちょっと・・・」

「さっき、綱菓子の思考を呼んだんだが部長と次長・・・そして、仮社員の吉金(よしかね)は私に断りもなく休んだな。しかも避暑地に行こうとするとは贅沢ではないか」

「はっ? それはどういう・・・松濤! 助けてくれ!!」

「む、無理」

「なぜだ!?」

「さっきから綱菓子に・・・『一歩でも動いたら殺す』レベルの殺気を当てられている」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「「すみませんでしたーーー!!!」」


 二人は即行で土下座をした

 ・・・この2人

 同じ大学出身だと聞いて息があっているなと思っていたけど予想以上だな

 まさか土下座でシンクロするとは

 

「それじゃあ、二人ともここに残るよな?」

「「は、はい!!」」


 声をそろえて返事をする

 あれ?

 なんかおかしくないか

 俺はこのおっさん2人に呼び出されて社長に言って、ここに来た

 でもこの2人は避暑地(ハワイ)に行くらしい

 なんで呼び出した?


「で、どういう用件で私達を呼ぶつもりだったのだ? 綱菓子」

「はっ?」

「そうだ。お前が用事あるから交差点で待っていたのに」

「ちょ、ちょっと待ってください。あなたたちでしょ? 俺と社長を呼んだのは?」

「何を言っている。家族ぐるみで明日ハワイに行く私達にそんな暇があるわけないだ・・・」

「おい! ハワイに行くことナイショだろ!!」

「しまった・・・」


 二人は落ち込んでいるが・・・そんなことどうでもいい

 明日ハワイに行く?

 おかしい。確かメールには絶賛ワイハ~を満喫中と書かれていた

 もう1つもやっぱり避暑地に行くに限ると書いていた

 この2人のメールではない?

 そうなると・・・


「冥界を超えよ 我が力 死霊の使い(ネクロマンサー)!!」

「「!!?」」

 

 社長が臨戦態勢にうつる

 すぐに俺も・・・


「砕け散れ 狂いの鏡 乱反射鏡(バッドミラー)」

 

 全力で見えない相手に構える

 二人は驚いているがすぐに悟り・・・


「滅せよ 悪の導き 白の刃(ホワイトソード)」

「すべてを包みこむ大いなる力をわが魂に・・・雷神裁き(サンダージャッジメント)」


 それぞれがふさわしい姿となる

 社長は近くに自分の分身みたいなものを召喚し、黒い邪教師の服装を身にまとい異彩を放っている

 次長の姿は変わらず白い剣を召喚しただけだがそれだけ威圧を感じる

 部長は全身を雷が身にまとい、触れれば感電死する

 全員がそれぞれの世界で最強だった

 だけどこちらの世界に来ると力は激減される


「気を引き締めておけ。お前ら」

「「「はい!」」」

「だけど、少し遅かったな」


 突然、後ろから声が聞こえた

 全員がその場から声の元へと向かう

 でもそれは失敗だった

 

「「「「!!?」」」」


 声の方には長方形でちょうど自分の姿がおさまるほどの鏡が置いていた

 俺は一瞬、驚き反応が遅れたのでそのまま鏡を攻撃した

 すると―――バキンッ! と言う割れる音が鳴り響き・・・

 中から何かが飛び出した

 まわりも同じだった

 鏡を攻撃すると何かが飛び出た

 俺達は後ろに振り向きお互いの背中を預け、出てきた物をみた

 それは―――


「・・・犬?」

「猫?」

「亀か?」

「鳥・・・?」


 俺が犬、社長は猫、次長は亀、部長は鳥だった

 猫は真っ黒で、足元が徐々に黒くなっていっている

 亀は緑色をしているが、背中になぜか次長と同じ色をしている剣が刺さっている

 鳥は黄色で雷を身にまとい、俺達を見下ろすように少し上を飛んでいる

 そして・・・犬は、太陽の光を反射し銀色に輝いている


「やっばいな」

「どうします? 社長」

「どうするも何も・・・倒すに決まっているだろ」

「「「ですよねー」」」


 そう言って俺達は瞬時に後ろに回り込み殺しにかかった

 だが、甘く見過ぎていた

 攻撃はすべて空振りに終わった

 いやそれだけではなく後ろに回り込まれて・・・

 それぞれ最強と思われる魔法をくらった


「「「「ぐわっ!!」」」」


 全員がそれぞれの方向に飛び散る

 その中、俺は空中で体を捻り着地に成功した


「「「いたっ!!」」」


 ・・・ほかはダメだったみたいだ

 しかしそのことを気にしてはいられない

 見えなかった

 俺には犬がいつの間に後ろに回ったかが見えなかった

 俺よりも強い

 

「決着をつけろ」

「わん!」

「にゃー!」

「カメーー!!   ??」

「ピギャー!!」


 どこからか聞こえてきた言葉に動物たちが反応する

 一人だけ自分の声に疑問を持っていたが・・・


「やらせるかよ!!」

「なめんな!!」

「終われ・・・」


 俺以外の元勇者が今持っているすべての魔力を使おうとしている


「ちょ! ここでそれは・・・」

「ダークジェット!!」

「白剣技(はくけんぎ)!!」

「ファイナルサンダー!!」


 それぞれの全力の魔法が動物たちに襲い掛かる

 俺は社長たちが勝つのを確信していたから止めようとした

 でも間違いだった


「ワォォォン!!!」


 俺の犬が遠吠えを吠え・・・すべての魔法を消した


「「「!!?」」」

「まずい!!」

 

 社長たちは魔力を使い果たし倒れこむ

 そこにそれぞれの動物が襲い掛かる


「異空 歪め カマイタチ!!」


 4体にできるだけ鋭くした風の刃が襲う

 そして、その間に社長たちのもとに向かい・・・


「大丈夫ですか!?」

「余計な・・ことを・・・」

「言ってる場合ですか。逃げますよ」

「ワーン」


 正直、何が起こったかわからなかった

 気がついた時には俺の体を何かが貫いていた

 

「ウ・・・」

「ワン! ワワン!!」

「アガァァァ!!!」


 どうにかして貫いているものを抜こうとするが触れない

 さらにどんどん見えない何かが俺を貫く

 そして―――


「・・・」

「アオーーーン」


 俺は意識を保ったまま動かなくなっていた

 指先すらも動けない状態だ

 口も動かない


「うむ。終わったか」

「ワン!」

「わかっている。仕上げをする」


 ゆっくりと俺の体に誰かが魔法陣を書き込む

 虚ろな目で俺はそいつを見る

 視界がぼやけてよくわからないが・・・

 わかりやすい特徴があった

 胸

 大きな胸だ

 巨乳ともいう

 俺はそれを脳裏に刻みこみ・・・


「厄式7番 始末」

「・・・」


 声を発することもなく心臓が止まり、死神の足音が聞こえた



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