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この異世界転生はベタばかり  作者: 龍神慈樹
第一章

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33 『恐れ』




「な、に、言ってん、だよ……こ、こんなときにッ、冗談なんて言ってる場合じゃ——」


「妾は本気じゃぞ」


 カサネの言葉が理解できなくて、言い返そうとした。

 しかし、遮られてしまう。


「ッッ」


 グッと奥歯を噛みしめる。

 あまりにも笑えない発言だ。こんな自分に何ができるというのか。

 あんなに強かったラキシアが、手も足も出なかったのに。


 ……それなのにッ、俺なんかが勝てるわけッ…………。


「は、早くッ! 信仰心であの魔物を倒してくれよッ!!」


 ズキリ。


 おもわず責め立てるような言い方になった。


「笑えない冗談はいらないからさッ!!」


 ズキリッ。


 まるでカサネを糾弾するような、そんな言い方だ。

 カサネは何も悪くないとわかっているのに……。


「…………」


「な、なぁ……頼むよ、カサネ…………できるんだろ?」


 ズキリッ!


 アサヒは、今の自分がひどく醜いなと思った。

 責め立てるような言い方の次は、無様に縋り付くような言い方だ。

 なぜそんな醜い言葉をカサネに投げかけているのか、その理由はもう自覚している……いや、気づいてしまった。

 あれだけラキシアを助けたいと思っていたのに、いざそのときが来たら……。


 ……ズキリッ!!


 胸の奥で鋭い痛みが走った。

 カサネから離れたくて、一歩下がる。


「…………」


「カ……カサ、ネ……」


 アサヒの、そんな醜い心の内をちゃんと見抜いているのだろう。

 カサネはアサヒから視線を逸らさない。


 ……や、やめろ……頼む、から……。


 カサネが静かに息を吸う。

 何か言おうとしている。

 聞きたくない。何も聞きたくない。

 言われたくない。何も言われたくない。

 今、アサヒが思っていることを言葉にしてほしくな——


「恐れておるのか?」


「ッッ」


 思っていたことを言葉にされて、アサヒは声を詰まらせた。




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