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朱雀は卵を小さな火の鳥に持たせて温めている、端から見ると不安なので一度温度を確かめてみた(手を突っ込んで)見た目より熱くなく適温だと思う


「そうだ、卵も呼吸してるから空気の入れ換えを忘れずにね」


「分かった」

 さて、行こうかと思った時に鐘が鳴った、外に出てから驚いたのがこの鐘だ、初めて要塞で鐘が鳴っているのを聞いた時、要塞にいる誰かが鳴らしている物だと思っていたのに、外にいても鐘の音が聞こえる、これは塔全体で鐘が鳴っていたという事、今鳴った鐘で調度お昼時


「それじゃあ、お昼にしましょうか?ここら辺なら見晴らしも良いし、良い感じに草も生えて馬達にとって調度休息するのに適してますし昼食をするには良い所でしょう、こちらの木陰で休みましょうか?」

「確かに良い場所ですね」

 ポーカ王子達も辺りを見回している、私はポーカ王子達から預かっていた荷物を出す


「イボガワ様、有難う御座います」

 ポーカ王子が礼を言う


「私はスキルのお蔭で負担になっていないので気にしないで」

 私は持ってきていた木製のお弁当を出す、これは匠さんから頂いた物、中に何が入っているのか分からない


「そうだ朱雀、念の為回りの警戒お願いね」


「任せといて」


「あとの皆も、何かあったら教えてね」


「「「はい」」」

「イボガワ様、彼等は食事をしないのですか?」

 コーノレ団長が尋ねてくる


「あ、はい皆式神で食事が要りませんから」


「シキガミ?」

 昼食中は四神獣達の事を詳しく紹介した因みに、お弁当はご飯と匠宅自家製の青野菜のお漬物に厚切り豚肉(プヒモ肉)の西京焼き、甘い卵焼き(出汁は入ってない、鰹節が無いから仕方ないね)美味しかった

「ご馳走さまです」

 お弁当を作ってくれた料理番の人に感謝


「ご主人様、そう言えば竹が要るとか言ってなかった?」


「え?要るよ、もしかして見つけたの?」


「うん、竹藪があったよ~」


「それって本来の進路から近い?」


「近いよ」


「じゃあ、案内をお願いね、ポーカ王子、ちょっと寄り道しますね」


「構いませんよ」

 そう言う訳で竹を求めて寄り道、昼休憩で元気になった馬を走らせて少し走ると遠目で竹藪っぽい所を目視出来た


「あれだよご主人様、多分モンスターもあの中にいるから気を付けてね」


「うん、分かった、皆、竹藪の手前で一旦止まろうか」


「分かりました」

 ポーカ王子達は異論が無いらしい、竹藪の手前に差し掛かると減速し、馬を止める、竹藪を見ると中が暗くてちょっと不気味でなんだか嫌な感じがする中に入りたくないな…外側の竹さえ取れば問題ないよね?モンスターもいるらしいし自ら危険地帯に踏み入れる必要は無い

「それじゃあ、白虎手前の竹を刈り取って」

「分かりました!」

 白虎が一緒消えたかと思ったら


『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』

 いくつもの竹が倒れる中で変な叫び声が何カ所かで聞こえた


「え!?一体何?」

 声がした方を見ると倒れたいくつかの竹がスッと消えてタケノコが落ちていた


「どうやらモンスターが擬態していた様ですね」

 コーノレ団長が警戒態勢を取りながら辺りを見渡す、どうりで竹藪を見た時嫌な感じがしたんだ、そして手前側の竹を白虎が刈って一つ奥の竹が見えるけど、それらも嫌な感じがする


「もう、どれがモンスターなのか分からないし、どうせ普通の竹も切っちゃうし白虎手当たり次第やっちゃて!」


「はい!おまかせを!!」

 また白虎が消える


『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』

 もう、どれぐらい倒したのか分からないぐらい一杯倒したみたい、あちこちにタケノコが落ちている、タケノコが一杯で嬉しいな竹も取っておこう落ちている素材をアイテムボックスに入れていると

、突然目の前に大きな黒い熊が威嚇するかの様に二足立ち万歳の状態で出てきた


『ぐぁああ!!』


「「「「ご主人様!」」」」


「っく、はぁああっ!!」

ビックリしたけど反射的に魔法拳の火を纏った拳で土手っ腹に正拳突き!咄嗟に出来て良かった、常に身体強化を使っているので良い突きが出来た


『ぐふぅ!』

 私は即座に熊から離れ態勢を整える、熊は正拳突きが効いた様で膝から折れてうつ伏せに倒れるとお腹から火が出てきて熊を炎が包み上げたと思ったら炎が消えて熊の毛皮とお肉がその場にあった、どうやら倒せたみたい良かったと、ひと安心してたら黒い熊のドロップアイテムの横から白熊が突然二足立ち万歳状態で現れた


『ぐぁああ!』


「「「「ご主人様!!」」」」

 黒い熊が来た時も突然現れたと思ったらそういう事か、何かのトラップ?警戒態勢を取っていた私に抜かりはない!


「はぁああっ!!」

 黒い熊の時よりもっと良い火魔法を纏った正拳突きをお見舞いする


『ぐふぅ!』

 白熊は黒い熊と同じ様に倒れ、燃えて白い毛皮と肉と鉈をドロップした


「イボガワ様、お見事です!」

 ポーカ王子達が拍手をしながら褒めてくれる、照れるな


「ご主人様、お怪我はありませんか?」

 玄武が私の確認をしてくる


「うん、大丈夫だよ、それにしてもあのモンスターが前触れ無く現れたのはビックリしたよ」

「あれは我々も驚きました竹藪に瘴気があり、モンスターの存在は把握していましたが竹に擬態したモンスターだけではなかった様ですね」


「現れるのに条件があると思うんだよね~、確かあの時私は竹とタケノコを取ってた所で」

 そう言いながらタケノコをアイテムボックスに入れた


「あれ?これじゃない??」

 違ったかな…次に竹をアイテムボックスに入れると


『ぐぁああ!』

 さっきまで竹があった所に黒熊が現れた


「出た!」


「ふんっ」

 玄武が腕を横凪にしたかと思ったら、威嚇する黒熊の脇下ぐらいから上の頭と腕が綺麗に下半身とお別れして崩れ落ちると毛皮とお肉になった、その後で再び


『ぐぁああ!』

 白熊が黒熊のドロップアイテムの横に出てきた


「ふんっ」

 玄武がまたすんなりと倒してしまった、ドロップアイテムを回収して


「え?竹取る度に倒さないと駄目なの?」


「面倒ですね」


「こういうやつって何かロジックがあって、簡単に取れる方法があるものじゃないの?」


「そうであれば良いのですが、謎を解く足がかりがありませんから分かりませんな」


「皆、竹を取っていくから出てくる度に倒してね」


「「「「分かりました」」」」


「それじゃあ行くよ」

 取っては倒してを繰り返して行った、ロジック?力技で踏み潰す

 倒れた竹と落ちてるタケノコを全て取り切った後に竹藪の中から節の一カ所が光る竹が見えた

「あれ何?」

「これは、また…竹取物語ですかな?」



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