神聖魔法
要塞の門から見て真っ直ぐ進む為朱雀に道案内を頼む、小さな丘を下りる途中で馬に羊の体毛が生えたモンスターと遭遇
「初めて見るモンスターですので慎重に行きましょう」
コーノレ団長が声を潜めて話す、モンスターはこちらに気付いていない
「ご主人様、まだ使っていないスキルの確認をしたいのでここは私に任せて下さい」
玄武が申し出てきた
「え?何のスキル?」
「神聖魔法です」
「あ~どんな物なのか分かんないし試してみようか」
「はい、有難う御座います」
「何ですかそのスキルは?新しいスキルですか?」
ポーカ王子が少し興奮気味で玄武に尋ねている
「元の世界で我々がやってきた邪気祓いをこちらでも使えるようにしたと創造神様が仰っておりましたので、こちらでどうなったのかを確かめてみたいと思います」
「邪気祓い?」
「創造神様が!?」
「我々とは、他の皆さんも?」
「すっげー何それ早く見せて下さい」
ポーカ王子に混ざりコーノレ団長、ヘッドさん、ドーロさん達も質問をしている、異世界の人達はスキルに目がないのかな?
ポーカ王子と同じく興奮気味の3人に質問攻めをされる玄武は軽く遇って未知のモンスターに向けて神聖魔法を使う為に前へ出る
後には食い気味に様子を見る4人他の四神獣達は普段通りの自然体で玄武を見ている、右手に魔力を集めた玄武はモンスターに向けて手を翳す、モンスターは玄武に気付いていない
「神聖魔法」
玄武がスキル名を言ったと同時に魔力を帯びた輝く大きな光る玉がモンスターへ向けて飛んでいく、モンスターは一瞬気付いたが時既に遅く大きな光の玉が直撃して鳴いた
「ヒッヒーン」
あ、馬だったのかな?鳴き声は馬そのものだった
それにしても直撃したのに傷を負った部分もなくドロップアイテムを残して消える事も無くモンスターはピンピンしていた
光の玉が直撃した後のポーカ王子達はその状態を見て警戒態勢を取っていたが、モンスターは私達が居ることに気付いているはずなのにその場で足をたたみ寝だした
「このスキルの効果は一体?」
ポーカ王子が玄武に尋ねる
「ふむ、モンスターが纏っていた邪気がもう無いですな、そういえば創造神様は瘴気とか言ってましたかな?」
そんな事を言いながら玄武は寝ているモンスターに近づく
「え?玄武大丈夫なの?」
「はい、おそらくこの者はもう無闇に人を襲うことは無いでしょう」
そう言って玄武はモンスターを撫でる、モンスターは玄武が撫でても大人しく、寧ろ自ら玄武に頭を差し出し撫でる催促までした
「おそらくこの神聖魔法はモンスターを大人しくさせる、もしくは動物に戻してしまうのかもしれません」
「え?それ凄くない?」