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食事情

 私が参加する事なく倒したイノシシのドロップ品は私のアイテムボックスに仕舞って帰る、匠さんにはこれだけの量を仕舞える事に驚かれた、私も同様に驚いたよ、創造神様が言うには入れた物は時間経過しないらしいとても便利で有難い、これ普通に元の世界でも欲しかった、持ってくる物をもっといっぱい持ってこれたのに…。

 あと玄武のスキルはまた今度という事になった、なぜなら匠さんが今回の異変を報告したいという事で、もう帰る事になったから、私は匠さんの屋敷でお世話になるらしい、そしてお肉の提供を求められた、別にいっぱいあるし、独り占めしても食べきれないしそれに承諾した、匠さんはお肉が食べられると喜んでいた、ふと不思議に思ったので、こちらの食事について聞いてみた

 大体はダンジョン一階層で食料が揃うらしい小麦、大豆、米、野菜、果物、牛乳、卵、肉など色々、塩は塔の外にある岩塩を使うらしい、2階層からニンニク、スパイス、砂糖、ハチミツなど手に入るらしい、異世界の人達は小麦でパンを作って食べるらしい、因みに匠さんは米一択で、屋敷に勤める人達も米を食べてるらしい、匠さんは味噌、醤油が欲しいとぼやいていたのでわたしが元の世界から持ってきたと言うと、とても喜んだ、この話のついでに匠さんには相談を…

 こちらに来る時に調味料に困らないよう醤油と味噌を造るための市販の醤油種麹と味噌種麹(白味噌用種麹も持ってきた)それと栽培目的の大豆を持ってきたことを伝え、こちらで醤油と味噌を造れないものかと聞いてみた、匠さんは元の世界で自家製醤油・味噌を造っていたので任せろと張り切った、良いスキルに恵まれていない人達の仕事にもなると喜んでいた、どうやら40階層攻略の功績を認められ(同伴していた前王フルハント様の死は不問)塔が作る外の安全領域に、領土を頂いているので造る場所はいくらでもあるらしい、心強い、後私用のために造るとなると造る領民のお給料を出さないと駄目なので大量生産して商売にしたいと言われた、私は継続的に醤油味噌が得られるのならばやって欲しいと頼んだ匠さんはスキップをしそうなぐらい軽快な足取りになっていた

 因みに創造神様からの補足で米は異世界召喚がされる様になってから出すようにしたらしい異世界人(日本人)が求めたからだ、ドロップされるのが玄米状態のため、外で農作が出来ないらしい、私があっちの世界から農作前提で持ってきた種籾で栽培を広めて欲しいとのこと、別に良いけど匠さんに丸投げしちゃおう、領地持ちだしね

 しかし匠さんはダンジョンで手に入るのにやる必要あるのかと難色を示した、確かにそうなんだよね~何でまた創造神様はそんな事を言い出したのかな?

『100階層が攻略されますと食料の排出割合を減らすので、お願いします』

『ええー!!何で減らすのですか!?』

『人の自立を促すためです、塔から離れれば離れるほど塔の恩恵を得られ辛く、良いスキルを与えられなかった者達が追いやられているのが現状です、私が施しをするよう言い伝えていますから雑事を与えて少量の食料を与えるようになっています、私としては良いスキルを得られ無かった者達も幸せになって欲しいですからやって欲しいのです』

『食料排出割合を減らす事は言ってしまっても良いのですか?』

『構いません、後ほどお告げとして知らせておきますから』

 それならば匠さんに言ってしまおう

「匠さん、塔は100階層攻略されると食料排出割合が減るように成るらしいので、前もって農作をしておく必要がありますから、前向きにこの話を進めて下さい」

「はっはっはっ、100階層攻略なんて無理ですよ~」

「私が、創造神様に頼まれて来たとしてもですか?」

「むっ、だから揖保川さん達は先程の様に強いのですか?」

「創造神様に期待されている事は本当です」

「そうでありましたか…、どうりで盛大にお持てなしをしろと、ふむ、成る程」

 匠さんは右手で顎を触りながらうつむき考え出して納得してくれた

「では、創造神様は私達がいた世界の様にしたいという訳ですね」

「はい、そうなります」

「これは国家規模の計画になりそうですね今日はこの後に王と王子と王妃と王太后を交えた会談の場がありますのでそこでお話し致しましょう」

「え?会談ですか?しかもあの王子と?」

「あ~、あの場のことしか知らなければ、悪印象しかありませんからね、しかし揖保川さんはポーカ王子に感謝するべきなのですよ」

「え゛!?それはあり得ないでしょ私が感謝なんて」

「まずは、あの場を離れた後のポーカ王子が宣言なさった事が『いずれ揖保川さんを妃にする、他の者は手出しするな』と仰ったのです」

 いやいや、あれで諦めないの?もっと殴らないと分からないかな?

「これにより揖保川さんは王子、所謂王家の庇護下になったと言う事です、元々同郷のよしみで私の庇護下になる予定ではありましたが、しかしながら私は所詮40階層攻略で得られた新参貴族、肩書きは侯爵でも、弱いのです、私より上の貴族が揖保川さんに何かを仕掛ると分かったとしても強く出れないのです、しかし王子の宣言で、他の貴族達は手出し出来なくなったのです」

「えぇ~深く考え過ぎじゃないですか?単純に強い女が欲しかったとか」

「いえいえ、王子は思慮深いお方、庇護の事より先の事までお考えでしょう、以前まで庶民だった私が計り知る事など出来ませんので詳細は分かりませんが」

「じゃあ、私が安全に行動出来るのは王子のお陰ということですか?」

「そうなります、だから、感謝を」

 んん~、感謝しましょうねと言われても、釈然としない、一応形だけ感謝しておこうかな…

「あ、だから謝礼品なんですね」

「その通りです会談の場で今回の異変の報告と共にお見せ下さい、その時にお渡ししましょう、あっ、お肉の1つは後で食べたいので見せなくても良いですよ」

「匠さん食い意地が凄いですね」

「いやーすみませんここのところ野菜とご飯ばかりでしたから」

「え?貴族なら何不自由なく食べられる訳ではないのですか?」

「、一応給金は結構な量を頂いておりますが、現物支給なのです、税自体が現物、所謂物納なんですね、肉を手に入れるためには長年築かれたコネが必要なのです、先程も言いましたように私は新参貴族コネなど無く私が支給で頂いている物と物々交換してくれる所がないのです、もしも、手に入れたいのであれば自分で取りに行くか配下に行かせるぐらいしかありません」

「いっぱい配下に行って貰ったら良いじゃないですか」

「それが、イノシシを狩る技量が無いのですその上運が絡みますから、肉は久しぶりなんです」

「そうだったのですか…それなら1つと言わずもっと確保しておきましょうか?」

「うっ、えっと、あの肉の塊はいくつあるのですか?」

「えっと~、12個ですね」

「そっ、それならば塊を2つお願いします配下の者達にも配りたいですし、」

「分かりました、そうしておきますね」

 結構苦労してるんだね

「有難うごさいます、それでは何かと交換しましょうか?揖保川さんが今欲しい物とか無いですか?」

「今は醤油と味噌を造ってくれれば十分ですよ」

「そうでしたか、それに関してはお任せ下さい」

 そんな話をしながら門前まで戻ってきたら大門の横にある小門に人だかりが出来ていた

「あれ?人がいっぱいいますね」

「おや、一体どうしたのでしょ?」

 匠さんはそう言って門番のところへ小走りで聞きに行った、何やら話している、あっ、こっちを手で指したと思ったら門番さんは安心したようだ、それから他の門番さんに何かを伝えている

「揖保川さん分かりました、先程のイノシシを目撃していた人がいたらしく混乱状態になっていたらしいです」

「あ~、それならもう解決ですねー」

「あのモンスターを討伐していただき有難うございますここの一貴族として感謝を」

「もう、急にどうしたのですか~」

「皆の慌てようを見て今回の事の重大さを思い知らされましたもので」

「なんか、こそばゆいですよ、早く行きましょ列が空きましたよ」

「そうですね次は王宮に行きましょう」

 というわけで王、王子、王妃、王太后と会談だ…やだな~

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