⭕ 幻夢への依頼
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
早い時間から覗きに来てくださり、有り難う御座います。
御無沙汰していました。
「 7月から予約投稿 」に変更していましたが、予定通り「 6月から予約投稿 」を再開する事にしました。
「 クスッ 」と笑っていただけるか分かりませんが、暇潰しに読んでいただけると嬉しいです。
また、今日から宜しく御願いします。
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── 陰陽師4事務所
──*──*──*── 応接室
[ 応接室 ]にはテーブルが1台と1人用のソファが4台、置かれている。
1台のソファにはスーツを着た男性が腰を下ろして座っている。
男はスーツこそビシッと決めてはいるが、疲れきった顔をしている。
両目の下に出来ている隈の濃さが、男の疲れ具合を物語っている様だ。
男はソファの横に大きめの紙袋を6つ置いている。
菓子折りが入っている訳ではない様だ。
ドアが静かに開く。
[ 応接室 ]に入って来たのは、陰陽師の衣装を着た男女の判断が難しい人物だった。
陰陽師の衣装を着た人物は足音も立てず歩いて来る。
物音を立てる事なく静かにソファへ腰を下ろして座る。
動作の1つ1つが洗練されている様に見え、とても上品な立ち振舞いをする人物である。
男は人物の美貌に見惚れ、無意識に生唾をゴクリ──と呑み込む。
獅聖幻夢
「 お待たせしましたね。
最後の1人が終わりました 」
柔らかい口調だが声色を聞いて、目の前の人物が自分と同じ男性なのだと理解した。
少しだけ残念な気持ちが過るが、顔に出さない様に努める。
男
「 ………………あぁ…いぇ……アポなしで来てしまった此方が悪いので…… 」
獅聖幻夢
「 そうですね。
次回は予約しくださると助かります。
此方はワタシの名刺です 」
ピシャリと肯定されて、男はギョッとした。
普通なら「 そうですね 」とは言わず、相手を立てて嘘でも「 そんな事は── 」と言うものではないだろうか??
取り敢えず、男は差し出された名刺を受け取る。
名刺には “ 獅聖幻夢 ” と書かれている。
記載されている電話番号は《 陰陽師4事務所 》のだろうか。
《 陰陽師4事務所 》の数字は陰陽師の人数を表している事は同僚に聞いている。
鯔のつまり、この《 陰陽師4事務所 》には4名の陰陽師が在籍しているという事を意味している。
向かいに座っている陰陽師も同僚から聞いた通り、凄腕の陰陽師なのだろうか──。
獅聖幻夢
「 貴方は警察の方で間違いないですか 」
男
「 あ…はい。
私は刑事の尾宮山と言います。
実は事件解決の協力をしてほしくて来ました 」
獅聖幻夢
「 依頼ですね。
事件1件を解決させた成功報酬に10万程頂く事になります。
解決させた事件が増える程、報酬額が上がりますけど、大丈夫ですか? 」
刑事:尾宮山
「 え?
1件に付き10万ですか?! 」
獅聖幻夢
「 慈善事業はしていません。
商売として陰陽師をしていますので、報酬はきちんと頂きます。
あくまでも稼ぐ手段の商売ですから 」
刑事:尾宮山
「 ……………………事件解決の謝礼に金一封では駄目ですか? 」
獅聖幻夢
「 金一封ですか?
それは100件の事件を解決しようと1000件の事件を解決しようと金一封は “ 変わらない ” という事ですか? 」
刑事:尾宮山
「 厳密に言えば…… 」
獅聖幻夢
「 警察は使い切れない裏金を溜め込んでいるでしょう。
報酬額には裏金を使えば支払えます。
解決させたい事件は何件ありますか 」
刑事:尾宮山
「 今回は紙袋に入れて持って来ているんだが── 」
獅聖幻夢
「 拝見させて頂いても? 」
刑事:尾宮山
「 あぁ…好きなだけどうぞ── 」
尾宮山刑事は紙袋の中に入っている資料の一部をテーブルの上に出す。
獅聖幻夢は出された資料を数枚程手に取ると1枚ずつ目を通す。
獅聖幻夢
「 何れも行方不明者の資料ですね。
行方不明者の捜索に人を割けない──という事でしょうか 」
刑事:尾宮山
「 お恥ずかしいですが、そんな所です。
人手不足な上、毎日何処かで事件が起きますので、手が回らなくて── 」
獅聖幻夢
「 米●町は犯罪率が高くて有名ですからね。
有能な探偵も多く、検挙率も群を抜いて高いと聞きますよ 」
刑事:尾宮山
「 確かに検挙率は高いですが、未解決の事件も多いです。
得に行方不明者の捜索願いは年々増える一方で── 」
獅聖幻夢
「 そうでしょうね。
明らかに行方不明者の捜索番組が増えていますから 」
刑事:尾宮山
「 陰陽師もTV見るんですか? 」
獅聖幻夢
「 勿論、見ますよ。
陰陽師の姿をしているのは勤務時間だけです。
プライベートでは私服ですよ 」
刑事:尾宮山
「 で…ですよねぇ……ははは…… 」
獅聖幻夢
「 その紙袋の中身は全て行方不明者の資料ですか? 」
刑事:尾宮山
「 そうです。
これは未だほんの一部ですが…… 」
獅聖幻夢
「 事件解決の協力は出来ますけれど、限界は有りますね。
精々、生存者と死亡者を判別するくらいでしょうか 」
刑事:尾宮山
「 お…陰陽術で生存者と死亡者が分かるんですか!? 」
獅聖幻夢
「 これだけの量ですから、1週間は掛かるでしょうけど、出来ない事はないですよ 」
刑事:尾宮山
「 生存者と死亡者に分けてもらえるだけでも助かります!!
生存者と死亡者では捜索の仕方が違いますからね! 」
獅聖幻夢
「 今回の依頼ですが、事件解決は警察の方々に任せます。
“ 生存者と死亡者を判明させる ” という事で、1件の値段を5万にさせて頂きましょう 」
刑事:尾宮山
「 値下げして頂いて有り難いのですが……金一封にしてもらう事は── 」
獅聖幻夢
「 出来ませんよ。
確り請求させて頂きます。
計算し易い様に資料を10枚ずつ封筒へ入れて御返しします。
終わり次第、連絡をしますね。
連絡先は《 警察署 》で良いですか? 」
刑事:尾宮山
「 はい、《 警察署 》に御願いします 」
獅聖幻夢
「 では資料を御借りしますね。
キノコン殿、紙袋の一時保管を頼めますか 」
キノコン:分身体
「 畏まりましたエリ 」
一体何処に潜んでいたのやら──、オレンジ色をした流暢に喋るエリンギを思わせる愛くるしい容姿の生物が現れる。
頭に付いている平ペッたい笠をパカッと開けると器用に取った紙袋を笠の中へ入れ始める。
まるで某アニメのゴム人間みたいに手が伸びて、重たい筈の紙袋を軽々と持ち上げている。
笠の中へ紙袋を入れ終えた生物は獅聖幻夢に会釈をすると姿を消した。
獅聖幻夢
「 キノコン殿は《 陰陽師4事務所 》の公式マスコットキャラクターですよ。
所長の式神なんです 」
刑事:尾宮山
「 同僚から聞いています。
実際に見るのは初めてですが、愛らしいですね 」
獅聖幻夢
「 あぁ見えて、強いんですよ。
《 セロッタ商会 》ではキノコン殿による “ 家事代行サービス ” を行っています。
無料で30日の御試し期間も有ります。
私生活で身の回りのサポートが必要な場合は申し込んでみてはどうですか。
目の下の隈も消えますよ 」
刑事:尾宮山
「 考えてみます……。
では、私はこれで失礼しますよ 」
獅聖幻夢
「 お気を付けて。
《 警察署 》迄キノコン殿を同伴させましょうか? 」
刑事:尾宮山
「 いや、結構。
交番に寄りながら戻らないといけないんでね 」
尾宮山刑事はソファから腰を浮かせて立ち上がると[ 応接室 ]から出て行った。
獅聖幻夢
「 さて、生者と死者を判別する呪具を作る必要が有りますね。
資料が多いですから、大量生産しなければ──。
セロ殿に相談してみましょう 」
獅聖幻夢は狩り衣の袖からスマホを取り出すと、セロフィートのスマホへLINEを送る。
獅聖幻夢の個人宛てLINEが4件有り、グループ宛てLINEが1件有る。
個人宛てLINEの相手は、セロフィート,マオ,絲腥玄武,厳蒔弓弦の4名で、グループLINEの相手はセロフィート,絲腥玄武,厳蒔弓弦の3名だ。
春舂霄囹とキギナ・メクド・ナールとはLINEIDの交換はしていない為、LINEを送る事はしない。
獅聖幻夢
「 呪具の大量生産の件はセロ殿からの返信待ちですね。
呪具の作成に取り掛かるとしましょう 」
ソファから腰を浮かせて立ち上がった獅聖幻夢は[ 応接室 ]から出た。
【 幻夢への依頼 】─→【 もみチュパ♥️おっパブバニーボーイ事件 3 】─→【 幻夢からの依頼 】の流れになっています。




