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男装女神は14歳っ!?~夢を追う者達(ドリームチェイサーズ)冒険譚~  作者: 鴉野 兄貴
ダンビュライトは夢の輝き 後編

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エピローグ 茜の空

 「ね。ね。チーア!!」うっさいなぁ。アキ。

俺は目を覚ます。どうも朝になっていたらしい。

ロー・アースもファルコも帰ったらしい。俺だけ酒場で酔いつぶれかよ。別にいいけどな。


 まぁいいや。懐かしい夢を見れたし。

「どーせ、今日も仕事がねぇとか抜かすんだろ」もう飽きた。

こいつには何度からかわれた事か。

「あらら。ご挨拶」そういって彼女は温かいミルクを俺のテーブルに置く。サービスらしい。


 ……母親の短剣の鞘。透明で翡翠色の不思議な石で出来ている。ベルトのバックルもそう。

実は希望石ダンビュライトを魔法加工して作る。『ほたる石』といわれる品だ。

一般に言う蛍石とは完全に別物である。

あの後、ドワーフたちの大歓迎を受けた俺達は、『孔雀石』と『藍銅鉱』の結婚に立ち会った。

……二人は。凄く。凄く幸せそうだった。


 別れ際に二人は俺達に素敵な贈り物をくれた。それが。この石。

「未来のダイヤモンドを護る者へ」そういって彼らはその技の全てをふるって俺達にこの石をくれた。

他にも革で出来ていて底のある黒い靴とか、さまざまな武器とかを惜しみなくもらった。

「村を訪ねるものがいたら必ず伝える。『夢を追う者達ドリームチェイサーズ』の物語を」村長はこっぱずかしいことを言いやがったので全力で止めたが、正直効果があったかというと疑問だ。


 「チーアたちに手紙が来てるのよ。ほら」うん。読めないけど、この字は解る。

「差出人は『孔雀石』って人だろ?」多分、内容はわかる。「ご明察!!」

俺の代わりに手紙を読むと言い出したアキは手紙を勝手に開いた。


 「あらあら。まぁまぁ」

アキは愉しそうに笑っている。

「一ヶ月もたたずに修理代をタダにしちゃった上に、ドワーフの村まで救ったとか」

そのことを当面黙って、延々とこき使いやがった癖によく言うぜ。


 「チーア。あのね。『孔雀石』さんって人。子供が出来たって」

出来ないんじゃないかって心配してたらしいが、杞憂だったな。

「たぶん、初産は母親と同じ種族の、女が産まれると思うぜ」俺は補足説明する。

理由はわからんが、たいていそうなる。


 「すっごい!エルフとドワーフの夫婦なのっ?!!」

彼女の両親も凄かったらしいけどな。驚くアキに苦笑する俺。


 「すっごい。似合わなさそうっ!面白いねっ?!」あはは。マジ美女とイノシシだったしな。

『孔雀石』にキスされたあのときの『藍銅鉱』とそれを見守る村長の髭の上からでも判る赤い顔はなかったぜ。


 「ところで」うん?

「あのね。手紙の末に変なことかいているんだけど」???


「えーと。『最後に。チーアさん。もし、娘が生まれたらユースティティア。ティアと名づけて宜しいでしょうか』だって。意味わかんない。これナニ?」

 俺は盛大にミルクを噴いた。

俺、足引っ張ってばかりだったじゃ無いかっ?!嫌味かっ!嫌味かっ!二人ともっ!!??


 「良くわかんないけど、おっけ~って書いておくねっ?!!」

「やめっ!やめっ!!それだけはやめろっ!!!」「意味わかんないけど、愉しそうだからそう書いておくっ!」

 つかみ合う俺達二人を闇を打ち払う太陽の茜の色が染めていく。

今日を希望に包むのが、明日への物語だと伝えるために。


 ……もし。君が叶わぬ願いを胸に秘めているなら。

もし。何か悩み事があるなら。

もし。郊外の森の中に奇妙な形の冒険者の宿をみつけたら。


迷わず。『俺達』を指名して欲しい。

きっと。君の願いは叶うから。


ただし。『余計なオマケ』は自己責任で。

(Fin)

 長文、駄文失礼しました。

週に一回くらいは更新していきたいシリーズです。

拙い文ですが、少しでも心に残れば幸いです。


 ちなみに、お察しの方は解ると思いますが、

『孔雀石』の母、『にがよもぎ』さんは最強の妖魔種である『ダークエルフ』です。

見た目はエルフそっくりで、『魔族』とも呼ばれる恐ろしい敵です。

改稿前のラムザは『孔雀石』に。ギルは『藍銅鉱』に。村長ことリックは『磁鉄鉱』に改名しました。

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