10.エルフの生態
「そうそうエルフも肉食で思い出したけどエルフって普通に肉を食べるの?」
食生活が違えば違う調味料があるはず。
「普通に肉は食べるわ。イノシシ肉とかが多いかな?放っておくと畑が荒らされたりもするから、お肉にすると一石二鳥だしね。」
まあそうだよね。イノシシは雑食だし増えすぎると間引いたほうがいい。
「あとはきのことかが多いかな?あと一部ではたけのことか?」
「おお!きのこたけのこ戦争は起こっていないんですね?」
「何その戦争?」
「元の世界ではどちらが美味しいかで戦争になっていたのですよ。まあ武器は使わない戦争でしたが・・・・。ところで調味料って何を使っていますか?」
やはり椎茸には醤油だろう。焼き椎茸に醤油と山葵があればご飯2杯は行ける。たけのこも刺し身や煮物にするのにも醤油がほしい。
「普通に塩かしら?岩塩の鉱脈が近くにあるしね。」
「くっ、やはり醤油はないのか・・・・」
「醤油ってなんですかぁ?」
「大豆っていう豆を発酵させて作る調味料なんだけどね・・・。」
なんとなくな感じで伝えてみる。
「菜食主義エルフだったらタンパク質の摂取のために豆文化とかありそうだったのに肉食系エルフとか使えない。体格がもやし。もやしといえば大豆から芽が出たもの。エルフも大豆からできたようなものなんだから大豆製調味料ぐらい作っておきなさいよね。」
「理不尽な要求しないでよ。ちなみに大豆はあるわよ。枝豆にしてビールのつまみにすると最高よね。」
「あっ、わかりますぅ。仕事終わりの一杯に最高ですよねぇ。」
こいつら飲兵衛だったのか・・・。成人すれば飲酒はOKだがそういえばビールはあるんだよね。地球の歴史的にはビールも昔からあるけど長年進化し続けているからどのくらいの状態かはよくわからない。
ちょっと飲んだことはあるけど、美味しいのがあった。まあ完全に前の世界と同じ順番に発展しているわけではないからそういうこともある。魔法で熟成を促進したりもできるしね。
「肉食系の割に大豆は食べるのね。ビールっ腹にならないのは羨ましいわ。」
「別に肉も食べるだけで野菜のほうが多いわよ。相変わらず失礼な聖女ね。」
とりあえずバターはあるし新鮮なきのこでソテーでも作るか。あとはシチューにグラタン。
「そういえば椎茸はないの?出汁を取るのにも使えるし干したものとか大量にほしいんだけど売ってる?」
「あんな高級品を大量に欲しがるとかどこのお大尽よ!」
「やっぱり栽培とかはしていないんだ。」
椎茸栽培も割と近年の技術で戦国時代転生ものでは良く知識チートに使われてるからな。そうもの思いにふけっていると両肩を掴まれて顔を覗き込まれた。
「聖女さん。ちょっとまってね。」
「何でしょう?」
なにか急に真面目な顔になったのでちょっと引いている。
「椎茸を栽培って今言わなかった。」
「言いましたけど?」
「ひょっとして栽培法を知っているの?ちょっとそれ教えなさいよ。別に減るものではないしいいでしょ!」
ああそういうことか。高価なものを栽培する方法がわかればボロ儲けだからね。椎茸の人口栽培方法が確立したのは20世紀らしいしね。
「減りはしませんけどざっくりしたことしかわかりませんし、技術って血と汗と努力の結晶ですよ。それをただでよこせというのは技術に対する冒涜です。」
「わかったわ。あなた達にイケメンエルフを10人、いえ20人だすわ。そいつらを好きにしていいから技術を提供しなさい!」
いやいやあなたさっき男エルフの残念さを語ったばかりじゃないですか?
「エルフは旦那に向かないって言ったその口で何を言うかな?」
「そこはほら、精力が10分の1しかないなら10倍の数を揃えればいいのよ。だから2人で20人なら丁度いいわ。イケメンたちにちやほやされるの好きでしょ?」
この女同族を生贄に出すのに数で補いやがった。容赦ねーな。
「モー子さんはどう思う?」
自分だけの意見では仕方ないので聞いてみる。
「もやしばかり増えても飽きますぅ。女2人にもやし20本の輪姦学校とか不潔ですぅ。」
「そこはほらイケメン小間使がいっぱいいると思えばいいんじゃない?」
ふたりとも乗り気でないのがわかるのか清貧さんが焦りだす。っていうかこいつ全然清くないな。貧しいのは確かなのに。
「それに生まれてくる娘が貧乳だったら牛獣人としてはちょっと可愛そうですぅ。やっぱりバッファ○ーマンとかが理想ですぅ。」
「うっ私の研究をうっかり漏らしたのがまずかったか・・・・。まあ仕方ない。ウェーイするのがいっぱいいても動きづらい。もともと当面は旅を続ける予定だし身重になっても困るしね。」
「そんなぁ。夢の椎茸生活が・・・・。」
あら?金儲けより食い気だったのか。
「そんなにイケメンを売りたかったのか・・・。20人とかイケメンの投げ売りもいいところじゃない?勝手に決めても良かったの?」
「別にいいのよ。人間の一生なんてエルフの寿命にとっては一瞬だし、それで椎茸食い放題ならお釣りが来るもの。あなた達が死んだら開放してもらえるなら一時的に奴隷にしたっていいわよ。聖女というくらいだからそれほど無体なこともしないだろうし。」
食い意地の張ったエルフとは恐ろしいものだね。私は聖女としては割と無体なことをしている気もするけどね。
「投げ売られていくイケメンェ・・・・需給バランス崩れまくりですぅ。」
「イケメンはとりあえずいらないけど、別に教えないわけではないわよ。普通に商業契約をして私達に利があれば構わないわけだし。」
「そうなの?わかったわ。かなり高額の契約になるだろうから、そうなると国王案件かな?」
そういうことでエルフの村で滞在したあとは王宮に向かうことにしたのだった。




