60 起点
腹減りました。
俺は、女神7人と、エルフのフルちゃんと、妖精マツカを連れて、街に戻りました。
ふぅ……危なかった。ある意味、逆に俺が食われるところだった。
あれ? フルちゃん、気絶してたんだね? とりあえず治さなくちゃ。
「ひーちゃん、フルちゃん回復してあげて」
「分かりました~。治りました~」
俺はひーちゃんに頼んで、フルちゃんを気絶から復帰させます。
さすがひーちゃん、仕事が早いです。
さて、さっきのピンク色の巨大ワニ鳥は忘れて、ワニ鳥の肉でも売るかね?
焼き鳥形式でいこうか!
露店の出せそうな空間が何故か空いているので、そこで露店を出して貰います。
木材とか、取った記憶ないけどさ?
「マジちゃん。無いかもしれないけど、材木とか取ってないかな?」
「大丈夫でスー! ありまスー!」
「ヴァルちゃん。ちょっと焼き鳥の串が無いから、作ってもらえる?」
「分かりました」
俺は、マジちゃんとヴァルちゃんに頼みました。
よーし肉を、仕込んで焼こうか!
焼き鳥って、たれが大事なんだよね。
……今気づいたけど、焼き鳥のタレってどうやって作るんだろ……?
むしろ醤油の作り方も、よく分かってないんだよな……?
煮た大豆を潰して、大豆発酵させて、醤油種麹いれて、塩入れて熟成させるんだっけ……?
まずいな……料理知識はあっても、調味料作る知識が曖昧だな……。
どうしよ……困ったな。
「こんなこともあろうかト!」
「マジちゃん!? まさか作れるの!?」
「もう作ってありまス!」
「どうやって作ったの!?」
「企業秘密でス! 焼き鳥のタレモ! 既に作ってありまス!」
さすが、マジえもん! 魔法は最高だね!
ってか。焼き鳥のタレって、酒とか、みりんとか、砂糖とか、必要だよね?
原料無いのに、どんな方法で作ったの?
まぁ……こういうことは、深く考えたら負けです。
ある物を使いましょう。
ジュージュー焼ける音が聞こえます。
タレが焦げる、香ばしい匂いが、辺り一面に広がります。
匂いに釣られて、露店の前に客が群がります。
今か今かと、客は待ちかねています。
幾らで、売ろうかね?
一串50gで、鉄銭5枚でいいかな?
一本200円、換算位かな?
焼けて来たし、売り始めるか。
「こっちは5本だ!」
「こっちに10本頼む!」
「こっちも10本お願い!」
「こっちは15本お願い!!」
客たちの大量の注文で、大忙しになります。
女神達、フル稼働です。
「こんな! 美味い! ワニ鳥っ! 食った事ねぇ!!」
「なんだ! このワニ鳥についている! タレは!?」
「めちゃくちゃうめぇ! こんな美味いワニ鳥! は初めて食べた!!」
「美味すぎる! もっとだ! もっとワニ肉をくれぇ!!」
お客さん達は絶賛の嵐です。
俺も食べてみるけど、あー、こりゃーうめぇーなぁー。
ワニ肉美味いな!
めっちゃ、歯ごたえ合って美味いです。
タレがやばいです。
モグモグ焼き鳥を食いながらワニ鳥肉を焼いています。
食べていると、子供たちが露店に群がります。
「勇者様! 孤児院助けてくれてありがとうー! みんな元気だよ!」
「勇者様! お金もってきたー! 1本下さいー!」
「勇者様ー! 昨日は、焼肉食べさせてくれてありがとー!」
「勇者様ー? 今日は、違うお肉焼いてるんだねー?」
「勇者様~! お肉の焼ける、においだけでもいいから~! かいでいい~?」
「……勇者様、だって!?」
「え、勇者様が焼いているの!?」
「勇者様!?」
「勇者様!?」
「勇者様!?」
「勇者様だって!?」
「勇者様が、いるらしいぞ!?」
「勇者様が、露店出してるみたいだぞ!?」
「勇者様が、露店でワニ鳥を焼いてるらしいよ!?」
「勇者様が、この世と思えないほどの、美味いワニ肉を焼いてるらしいぞ!?」
露店の前が客の声で、ざわめき始めます。
「勇者様! 儂、この街を仕切る『奴隷商ドン』です! 昨日の節は、ありがとうございます! おかげ様で、この街のメンツを守ることができました! おい! お前達! 勇者様のお手伝いをして差し上げろ!」
「「「「「ヘイ! ドンの親方!!!!!」」」」」×13
「勇者様! 私、奴隷商ビリーです! 今は、ドン親方の傘下に入っております! 勇者様のおかげで、目が覚めました! ありがとうございます! 自分達の街ですから! 破壊活動なんて、無意味なのですね! 第一勢力、第二勢力など、関係ないのですね!? お前達! 勇者様の、お手伝いをしてあげるんだ!」
「「「「「へい! ビリーの旦那!!!!!」」」」」×11
「勇者様! 僕は、狼族の『アル』です! こんな所にいたんですね! 僕達、ずっと探したんですよ! ルナを、救ってくれたお礼とか、言葉だけじゃ、足りないくらいです! 僕達も、お手伝いさせてください!」
「勇者様! 病を治して下さって、ありがとうございます! 私、助けて頂いたのに、自己紹介すら、まともにしてませんでした! 狼族の『ルナ』って言います! 私も、お手伝いさせて下さい!」
「勇者様! おかげで! 原因不明の、病に掛かっていた患者達が治りました! ありがとうございます! 私の子供を、勇者様の力で、奴隷から解放して頂き! 私、感謝しきれない気持ちで、一杯です! 後、この有り余った筋肉を! もっと役立てたいです! なんなりと私に、勇者様のお手伝いを! 申し付けて下さい!」
「勇者様! 原因不明の病、毒虫の変異種と見抜き! 毒虫の特効薬を頂き、助けて下さって、ありがとうございます! 特効薬で助けられた、皆! 勇者様のお手伝いをするのよ!」
「「「「「「はい!」」」」」」×15
「貴方が、勇者様ですか! 毒虫の特効薬は、どうやって作ったんですか!? 私、奴隷都市の医者としてのプライドを賭けてます! どうか、教えて頂けませんか!?」
「流石! 勇者様です!」
(すごい人気ですねー)
「うわーー!! ピンク色の巨大なワニ鳥が来たぞおおおおぉーーーー!!」
「化け物だぁぁ!! 食われるぞ!! 逃げろぉーー!!」
「私の旦那様! どこですかーー!?」
「………………」
やりすぎた! 逃げるぞ!
「すーちゃん、宿屋に転移頼みます!」
「分かりましたー!」
俺は、すーちゃんに転移を頼みました。
俺と女神7人とフルちゃんとマツカを連れて、一度宿屋に転移しました。
俺は逃げ出した。




