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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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8.オーガ討伐・後編

いつもお世話になりますアリス工房(仮)です

オーガ討伐編の後編になります

今回もかなり話が長くなり結構カットしました

相変わらず纏めるのがへたっぴです


「そうですよね、冒険者のミランダ・ファルシオーネさん!」


俺の問いに静かだがうっすらと笑みをこぼすミランダの姿があった。

「どこでその名前を?いつ気付いたのかしら」


ミランダの目をみながら、この討伐依頼に対しての疑問を話し始める。

「そもそも、この討伐依頼はおかしい。ランクC~E限定で、パーティ募集も三組。オーガクラスの魔物であればもう少しランクが高いメンバーを集めた方が勝率も高い」


「そう思ったのに、なぜナツメ君はこの依頼を受けたのかしら?」


「何か裏が有りそうだとは思いました。けど最悪、あなた達がいなくなっても、この依頼は 達成できると思いましたから。こう見えて、俺とユーリは結構強いですよ!」


「大した自信ね、無謀とも思えるわ。オーガは、生半可な強さでは勝てないわ」

ミランダは嘆息しながら言った 。


「生半可な強さでなかったとしたら」

俺は、自身に満ちた眼差しで言葉を返す。


「話を戻します。この討伐依頼が、そもそも偵察 を兼ねていて、集落を見つけた次点でこのなかの誰かが町へ戻り 、討伐出来る本体と合流。集落へ向かうというのが今回の作戦ではないかと思いました」


「それから、あなたの名前を何処で知ったのかお答えします。簡単ですよ、マルクさんって 無口に思われていますが、凄く小さな声で喋っています。俺、耳が良いんです よ。オークに襲われた時、あなたの名前を言ってましたミランダ様って」


眉間を少し寄せながらミランダは 答える。

「あなたマルクの声が聞こえるのね、対したものだわ。それと、あなたが今推理した 事は正解よ。今回は二回目の偵察!最初にオーガを見つけた時、私達だけでは集落までは解らなかったわ。それで討伐と偽った依頼を申請して集落を探し、見つけたら私が町へ戻って、待機しているチームと合流して討伐する手筈になっているわ」


さあここからが交渉だ!


「それではお願いです。出来ればこのまま今のメンバーでオーガを討伐しませんか ?俺とユーリだけでも何とかなるとは思うんですけど、今回のパーティ、結構強いと思いますよ。特に、ミランダさん。あなたの強さは、ズバ抜けている!」


「私の強さを見抜いたことと、今回の討伐依頼の真意に気づいたことは認めるわ。でも 、肝心なものが足りないわ。あなた達二人の強さが、さっきの戦いだけでは信用できない」


「普通はそう思いますよね。口先だけでは何とでも言える。ユーリの強さは、魔力量を見て 貰えばわかります。ミランダさんクラスであれば、余裕ですよね!出来れば、ユーリに 魔法を使わせたい。魔力はあるが、魔法の使い方を知らない」


アイテムウインドウから空圧砲を取り出し、ミランダに渡す。

「俺の方の確認は、それを使って貰えば解ります。威力は知ってますよね」


テント内だと狭いので、俺たちは外へ出る事にした。二人の只ならぬ雰囲気に、全員が黙って見守っている。


ミランダは、空圧砲の劇鉄を引き俺に向けて構える。


「ナツメさんっ!」


悲鳴にも近いユーリの言葉を右手で制しながら、左手を前に突き出し構えを取った 。


「いつでもどうぞ」


引き金を引くと、特大の魔力弾がナツメに向かって発射される。空圧砲は劇鉄にこめる魔力量に応じて威力が変化する魔道具。今放たれたのは、ミランダが全力で 打った魔力弾!


凄まじい爆音とともに、一瞬!周りにいた人は手で顔を隠し吹き荒れる爆風に飛ばされないよう踏ん張っている。


爆風が止み、静寂とともに徐々に現れるナツメの姿。前に突き出された左手の前に、人が隠れる程 の大きな魔法陣が現れ、魔力弾の暴力的な攻撃を無傷で防いでいる。


「これで、俺の実力は証明出来ましたか?」


周りのみんなは、何が起きたか良く解らない状態。ユーリだけが目を輝かせながら食いついた 。

「なんですか今の盾!すごくカッコいいです。私にも教えて下さい!」

見えないしっぽをブンブン振って、俺の服を引っ張り

ながら聞くユーリ ちゃん。


「驚いたわ、てっきり避けるかと思ったら、正面から受け止めるなんて」


「認めるしかないわねあなたの実力。良いわ、あなたの提案受けましょう」


俺は、ホッと胸をなで下ろす。

「御協力、ありがとうございます。ユーリに魔法の使い方を教えてくれたら、その空圧砲は差し上げます」


「えっ、良いの?実は、この魔道具。売って貰おうと思ってたのよ。言い値で買うつもりだったのに、それぐらいすごい物よ!」


「別に構いません。但し、ユーリに魔法を教えるのが

条件ですけどね」


「ええ、わかったわ。今後の方針と、今までの経緯を含め、作戦会議を開きたいわ」


ミランダさんの一言で、作戦会議が始まった !


意外と全員、ことの成り行きをすんなり受け止めてくれた。作戦会議は順調に進み 、ユーリに魔法を教える為、魔力量を計ったらとんでもないことがわかった 。結論から言うと、ユーリの魔力量はケタ違いで、ミランダさんが持っている、簡単に調べられる 測定器では測定不能!


マジパネェっすユーリさん !ちなみに俺も測定したが普通の人でした。むしろそれも驚かれた。あれだけの魔法防御した奴が、 普通の魔力量だからね。


今回は時間が無いので、簡単な魔力操作と、一つだけ魔法を教わった 。


フレイムボム火属性下位の魔法


下位魔法もユーリの魔力で発動したら、あまりにも凄まじく、このまま打ったら 火の海になりそうだったので、真上に飛ばし事なきを得た 。


ミランダさんも、ユーリのケタ違いの魔力に、顔が若干だが引きつっている。


他の魔法は、討伐依頼が無事に完了したら教えてくれる手筈になっており、ユーリは嬉しそうにする。

「これで、盾魔法使いの道が開けます!」

などと、仰っていた。



諸々打ち合わせも終えて、全員就寝。そして、朝を迎えた 。


当初、ここから集落の場所を探さなければいけなかったが、コレにはアテがある。


ユーリさん、再びの登場!


ユーリさんの探索範囲は、俺よりも遙かに範囲が広い。大まかではあるが、あそこ等変に何かいる!程度は解る様で、強い力を持った魔物という位置づけの方向に向かって移動したら、すんなり集落は見つかった。


段々とユーリさんが、チート化してきた気がする のは気のせいかな………?


オーガ討伐の作戦は、以下の通りだ !


前衛に俺、ユーリ、ミランダさん。オーガとの戦闘を優先に戦う メンバー。


後方支援は、残ったメンバーで、オークをまとめて相手する 。

細かな作戦はあるが、単純に言うとこんな感じである 。


「作戦開始するわよ!」


ミランダさんが、一声上げて空圧砲をぶっ放した。幸い集落はかなり開けた場所にあり 、火の魔法を使っても大丈夫そうだ。これなら、ユーリの魔法も使える。戦力アップは、正直嬉しい。


ミランダさんの魔力弾を皮切りに、洞窟らしき所からオーク達が、かなりの量が現れる。その数、三十体!


先ずは、ギルとポルコが前線に飛び出し、オークの相手をする。二人の間を抜けたオークは、双子のコンビによる弓攻撃!マルクは、双子の護衛をする事で相手を近づけさせない。


オーガ討伐組も、突進してオークを蹴散らしながら前へ進んだ。暫く、 オークの相手をしていると奥の洞窟みたいな穴から一際大きな体で、肌の色が緑 色。オークを一回りくらい大きくした感じの、魔物が現れた。


間違いない。あれが、今回の討伐対象である魔物。オーガだ!


手にはデカい棍棒を持ち、俺たちに威嚇とも言える雄叫びを上げる。


「おっきいですねぇナツメさん」

暢気な声でユーリが話す 。


「ユーリは左から、俺は右から攻撃する。ミランダさんは、援護をお願いします」

短く伝えて走る。


ユーリの盾攻撃が、防ごうとしたオークの棍棒をアッサリ粉砕する。そこへ、ミランダさんの 空圧砲がオーガを捉え爆散!隙ができたオーガに、すかさず俺が剣を降り袈裟切りにする。返す刀で、上方に斬り捨てた。ゲームで習った技!必殺Vの字斬り(ボル○ス最強の技)である。


断末魔とも呼べる悲鳴とともに、あっけなく倒されるオーガ。だが三人は緊張の糸を切らさず 、奥にいるもう一つの気配を伺いながら、それぞれ攻撃態勢を取る。


いきなり穴から飛びだした黒い塊は、そのまま目にも

留まらぬ速さでミランダさんの元へ攻撃を仕掛けてくる。


ガキィィン!

相手が振り抜いた剣が、何かに阻まれる音がした!


ミランダさんの前に立つ俺が、魔法陣の盾で黒い敵の一撃を防ぐ。

「あぶねぇ、結構早いぞこいつ」


後ろに飛び体制を整える黒い異形な魔物 !ゆっくりと大降りの剣を構える 。


黒い体躯に、先程のオーガよりさらに大きい二本のツノ!何よりも、このオーガが放つ魔力が 段違いに違う。どうやら本命のようだ!


「オーガ亜種!まずいわね。とんでもない化け物よ」 ミランダさんが、つぶやいた 。


俺はすかさず剣を相手に振るった。すると、オーガは左腕でそれを簡単に防ぐ 。オーガの腕に当たると言うよりは、その手前の何か?不可視なものに当たる感触がした。なんだ今の感触?コイツ、何かバリアみたいの張ってないか ?


ユーリも盾を振りかぶりオーガを殴ったが、これもまたバリアみたいな物に防がれる。

「ナツメさん。凄く堅いです!」


「魔力障壁よ!あれを破らないと、ダメージは与えられないわ」

ミランダさんが言いながら、空圧砲を発射!オーガに直撃した物の無傷。オーガはユーリに攻撃を仕掛ける。オーガの攻撃を、盾で二、三回防ぎながら後ろに下がる。ミランダさんは冷静に、空圧砲と下位魔法フレイムボムを連発で打つ。一瞬怯むが、全くダメージが与えられない。


「まいったわね。予想以上に堅いわ、あの障壁」

溜息をつきながら、空圧砲を構えるミランダさん。


俺はもう一度、オーガにVの字斬りを振るった。しかし、これも障壁に阻まれダメージを与えられない。


「なるほど。先ずは、あの障壁を何とかしないと、ダメージを与える事が出来ない」


持っている剣をアイテムウインドに収納。そして、新たな剣を召喚する。


名剣MASAKO!


世界に7本しかない。TAKAHASHIモデル最高傑作!


一遍の曇りもない、もはや芸術とも言える白銀の剣を構える。


目の前では、ユーリが賢明にオーガに攻撃している。

俺はユーリに向かって走りながら指示を出す。

「ユーリっ!俺がその障壁を破るから、フレイムボムを奴に撃ってくれ」

嬉しそうに頷いたユーリは、後ろに下がって呪文を詠唱し始める。


その隙を逃すまいとオーガも攻撃しようとするが、ミランダさんによる、空圧砲の連発にその場で防御するしかなく動けずいる。俺はオーガに突っ込み、縦に一振り!すると、魔力障壁はいとも簡単に砕け散った。


そのまま下から突き上げるようにして剣を振るい大剣を持つオーガの腕を両断!俺はバックステップで後退しながら叫ぶ


「ユーリ今だ!……打てぇ!」


「我が手に集いし紅蓮の炎よ・フレアボム」


超特大の炎の塊が、オーガに向かって放たれる。


オーガに直撃した刹那!とてつもない火柱とともに爆発!大地が揺れ始める。


そして、一瞬の静寂!


白煙の中。黒こげのオーガが姿を表す。まだ動くかもしれず、警戒を解かずに構えていると、オーガは力なく後方へ倒れた!


「やりました、ナツメさん。倒しましたよ」

嬉しそうに抱きついてくるユーリに、安堵しながら周りを確認した。


主を失ったオーク達は、統率を失いそれぞれがバラバラに逃げ始める。


「取り敢えず終わったな。まさかお前さん達だけで

オーガを倒しちまうなんてな」

ポルコがため息混じりに言った。


一方横ではギル達は、ミランダさんの元へ駆けつける。

「ミランダ様ご無事ですか。お怪我は有りませんか?」


「大丈夫よ。それより、ナツメ君。倒したオーガから魔法石が取れるわ。それは、あなた達二人の物よ」


ギルが、ミランダさんに、今回の目的の物。と言って

いたが、ミランんは別に良いと制し、俺たちに譲って

くれた。


オーガから採取した魔法石(最初のと合わせて2つ)は、俺が受け取りアイテムウインドに収納した。

物凄く大きかったんですけど魔法石!


「さあ帰りましょう。オーガ討伐完了したわ。ユーリちゃんに、魔法を教えないといけないしね」

ユーリに向かってウインクした。


「はい!よ、よろしくお願いします」

嬉しそうに返事をするユーリちゃん。


「それからナツメ君!あなたには、色々と聞きたい事が山ほどあるわ。どうせ、ユーリちゃんが修行する間暇でしょ。たっぷり聞かせて貰うわよ」

妖艶な笑みを浮かべながら、ミランダさんは仰られた。


「お手柔らかに頼みます」

そう言って、返すのが精一杯のナツメであった。








初めての前後編いかがでしたか?

私はもっと上手く書けたらなと反省だらけでした


次回はユーリ視点の物語です



皆様の暇つぶしに少しでもなれたら幸いです


それではまた次回!


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