表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!
第1章 聖女は出会う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/203

9話 フリッツ

 それから30分もかからずに解体は終わっていた。彼から借りたナイフは切れ味が鋭く、最初の方は力加減を間違えて想定よりも深く切りすぎてしまったくらいだ。謝ったら彼は笑って許してくれた。それで何度か調整したら今までの時よりも遥かに早く進み、あっと言う間に終わってしまったのだ。


「こんなに早く解体出来るとは思ってなかったよ」

「いえいえ、えーっと私だけの力じゃないですよ。貴方が早かったからです」


 そういうと彼は思い出したかのように話し出す。


「そう言えば自己紹介をしていなかったな。俺の名前はフリッツ、近くのリッター村で冒険者をしている」

「フリッツさんですね。私はクロエと言います。神官と名乗ってはいますが回復魔法は使えないんですが」


 聖女はこの世に1人しかいないが、神官はかなりいるので名乗っても不審には思われない。


「ん? そんなハズは」

「どうかしましたか?」

「いや、何でもない。それよりも行こうか」

「はい」


 こうして私たちは出発した。


 険しい森の中を進むが、フリッツさんが先頭を歩いてくれて、歩くのに邪魔な枝や葉を切り落としてくれる。そのお陰で楽に歩くことが出来た。


「そう言えばそのリッター村はここからどれくらいなんですか?」

「そうだな……このペースで行ったら4日くらいか」

「ああ、やっぱりそれだけ遠いんですね」

「仕方ない。こっちにまで来ないと修行にならないしな」

「修行?」

「ああ、これでも冒険者をやっているからな。それなりに強くはなりたいのさ」

「グリズリーベアを一発で倒せるんですから、かなりの高ランクじゃないんですか?」


 どれだけ低く見積もってもBランクはあるだろう。もしかしたらAランク、下手をしたらSランクと言われてしまうかもしれないと思って答えを待った。


「俺はCランクだよ。だからもっと強くなれるようにこんな場所まで来ているのさ」

「Cランク? 昇級試験は受けないんですか?」

「ちょっと事情があってランクは上げていないんだ」

「そうなんですか……勿体ない。あれだけの剣の腕があれば城でも雇って貰えそうなのに」

「……」


 そう言うと会話が途切れてしまう。フリッツさんから放たれる空気もどことなく重い。もしかしたら何かいけないことを言ってしまったのかもしれない。


「城とかは興味がないんだ。取りあえず今は強くなりたい」

「どうしてですか?」

「大事なものを守りたいから。どんな敵に襲われても奪われないですむように」


 そう言う彼の背中はどことなく哀愁を漂わせている。


「凄いですね。それだけ目標があって」

「君はしたいことはないのかい?」

「私は……今のところありません。少し前に目的も無くなっちゃったばかりですから」

「ならまた新しい目的を見つけないとな」


 そう言ってフリッツさんはわざわざ振り向いて微笑んでくれる。


「ありがとうございます」


 そんな会話をしながら道を進む。


面白かった、続きが気になると思っていただけたなら、ブックマーク、下の評価をお願いします。


星1個でも頂けると、小説を書く励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ