84話 今って魔物来てるよね?
「母さーん! 無事か?」
私とフリッツさんはカルラさんの家の前に来ていた。
そしてフリッツさんは躊躇いなくドアを開けて中に入る。自分の家なのだから当然なのだけども。
「あら? フリッツ、お帰りなさい。貴方はクロエさんね。いらっしゃい。ゆっくりしていって」
彼女は居間の机に座って本を読んでいた。更に今まではかけていなかった眼鏡をかけている。その姿は優雅な昼のひと時と間違えてしまいそうだ。今この村って包囲されてるということを彼女は知らないのだろうか?
「母さん。今この村で何が起きているのか知ってる?」
フリッツさんも同じことを思ったようだ。
「知ってるわよ。魔物が来ているんでしょう? しかも巨大なケルベロスですって。珍しいわね」
「何でそんなに冷静なんだ?」
「慌てても意味はないからよ。私が慌てても解決はしない。だから解決出来るように頭を働かせるか、解決出来る人が動くのを待つしかないのよ」
「我が母ながら凄いな」
「当然よ。母は強い。これは世界の常識なの」
何だろう。何とも言えないような迫力を感じ、かっこいいと思ってしまった。私もこの人位強くなれるのだろうか?
「それで、ドン・キホーテの所には行ってきたの?」
「まだだ、これから行く予定」
「そう、ならこれを持って行って、彼の好きな物が入っているから」
カルラさんはそう言って籠を差し出す。
フリッツさんはそれを受け取りながら言葉を返した。
「母さんもくればいいじゃないか」
「いいのよ。私が行くと彼は張り切り過ぎて腰を痛めてしまうだろうから。全く、年を考えないんだから。何時まで若い時のつもりなのかしら」
そういう彼女の顔は露骨に心配しているのが分かる。
「俺も未だに師匠には勝てないからそう思っても仕方ないんじゃないか?」
「最近は腰を痛めているとかでほとんどやってないでしょうに。早く倒して安心させてあげて」
「ああ、次こそは俺が勝って見せるよ」
「ええ、貴方は私の子なんだから頑張りなさい。貴方が出来ないことなんてないんだから」
「分かってる。手始めに頭が3つある犬を退治して来るよ」
「そんな犬を退治した程度で調子に乗っちゃダメよ?」
「分かってるって」
「それならいいのよ。さ、彼のお見舞いに行って犬をさっさと倒してきなさい」
そう言って彼女は私たちを外に出そうとする。
「分かったって。あいつらを倒したらまた来る」
「ええ、待ってるわ。あ、それとクロエさん。ちょっといいかしら?」
「はい?」
ちょっと入りずらかった所に話しかけられて驚いてしまった。
「俺は?」
「女同士の話よ。外で待ってなさい」
「分かったよ」
フリッツさんはそう言って外に出て扉を閉める。
76話の最後のあらすじが分からないと言われたので修正しました。
大変分かりずらいことをしてしまい、申し訳ありません。
77話の方も修正してあります。
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