77話 言い訳
今回の方が多分ショック度は高いと思います。なのでもう一回あらすじをあとがきに書いておきます。
良ければそちらをご覧ください。あとがきのあらすじを少し変更しました。
それからも何とか話を続けたが、帰ってくる返事は最初の人のような断るときっぱり言われたものか、次の若者の様に体や金銭を先に払ってくれたら考えるといった人、最初から話を聞く気のないような人達ばかりだった。
それでも私は話を聞いてもらおうと話しかけ続ける。その場にいた全員に話しかけ、それでもダメだとなったら、もう一度全員に話しかけた。
「いい加減にしろよ!」
「きゃ!」
私は一番最初に話しかけた斧使いに再度頼みに来ていた。これで4,5回目だろうか。それでも何とか頷いて欲しかった。
しかし、私は彼に突き飛ばされた。
「俺らは依頼を達成した。その祝いでここに居んのに邪魔すんじゃねえよ」
「すいません……」
「謝るんなら最初から声をかけてくんな」
彼はそう言ってドカリと腹立たしそうに座る。
私は……私はどうしたらいいのだろう。リッター村を守りたい。そう思っても私一人では何も出来ない。
また一人新しい冒険者の人達が入ってきた。その人達は一度も声を掛けたことがない人達だ。それでも、私は動けなかった。
また声をかけても断られるんじゃないか。適当な事を言われて濁されて、酌をさせられたり、関係を持つようにさせたりさせられるんじゃないか。
なら、声をかけなくたっていいじゃないか。これ以上、傷つくこと必要なんてないじゃないか。そう思ってしまう。そう思って動けなくなってしまう。
その装備をつけている人達は私に色目を使ってきた人達と同じ様な装備をしている。なら、どうせ低ランクなのだろう。声をかけなくてもいいじゃないか。そうだ。そんなことをしなくてもきっとフリッツさんが多くの人を連れてきてくれる。
私はここに来て短い。大したことも出来ていない。だから、こうやって声をかけなくてもいいんだ。私は自分でそう思い込んで、声をかけることをしなかった。
それから数十分。私は入ってくる人達に声をかけない言い訳を探し続けた。あの人たちは弱そうだから、あの人たちは性格が良くなさそうだから、あの人たちは……。
探そうと思えば幾らでも見つかる。何かしら欠点を見つけて、声をかけない理由を探す。
そしてまた数人が入ってくる。その人達はしっかりした装備で、皆の表情は明るい。年齢もしっかりと重ねていたようで活力が漲っている。首から下げた冒険者証もBランクの物だ。是非とも依頼を受けて欲しい。でも、あの人たちは……あの人たちは……。もう、何でもいいや。
私は彼らの方を見るのすら止め、下を向く。何も見ないように。
それから暫くして。
「あの、貴方がクロエさんですか?」
誰かが私の名前を呼んだ。私は重たい顔を上げると、そこにはさっきの明るいBランク冒険者の人達が心配そうな顔で私を見ていた。
「そうですけど」
口から出たのは自分でも驚く程の乾いた声だった。
「良かった。探しましたよ。貴方の依頼、受けてもいいですか?」
「え……?」
ぱっと分かるあらすじ。
クロエ「お願いします。どうか一緒に強い魔物を狩りに行ってくれませんか?」
冒険者「何回言ってもダメに決まってんだろ」
クロエ「どうしてもですか?」
冒険者「うるさい。しつこい」
クロエさん、勧誘をするのが怖くなる。
謎の冒険者「僕は受けるよ」
クロエ「え……?」
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