61話 アンリ孤児院
アンリ孤児院へ向かう途中でフリッツさんに孤児院について聞いてみた。
「フリッツさんはアンリ孤児院ってどんなところかご存じですか?」
「アンリ孤児院か。この街でかなり大きいというか一番大きい孤児院だったはず。そこで育った子達は冒険者になって、それなりの規模になっているはずだ」
「それなら何で私たちに、というか依頼書が出ているんでしょうか?」
「俺も冒険者情報に詳しい訳じゃないからな。そこまでは知らん」
「なら行って話を聞かないといけないですね」
「だな」
そんなことを話していると到着する。冒険者ギルドからかなり近かった。
「大きいですねぇ」
「ここまでのはそうそうないだろうな……」
目の前の建物、というより敷地は広大だ。塀で仕切られていて、その後ろには大きな広場があってそこでは子供たちが元気に遊びまわっている。
その後ろの建物もかなり大きく、冒険者ギルドよりも圧倒的で高さもある。
「入りますか?」
「だが、門の柵はしまってるぞ?」
「こういう所の門は大抵……」
私は門に近づき勝手に押す。するとギィっと門が開いた。
「勝手に入っていいのか?」
「大丈夫でしょう。ここの孤児院には教会のマークもありますし、私はシスターですから何とかなります」
「そうなのか」
私たちは門の中に入る。これまでは門の柵から広いことと子供たちが遊んでいることしか分からなかった。しかし、中に入ってみるともっと大きさがわかる。中央で遊んでいるのは子供だが、門の縁の方には大人が剣を振っていたり、畑仕事に性を出す少し大き目の子も居たり、端の方に植えてある木で遊んでいる子もいたり様々だった。当然、それを見守るシスターや大人の姿もある。
私は周りを眺めながら進んでいく。自分がいた所の10倍以上大きいように感じる。
取りあえず剣を振っている人の所へと向かう。依頼のことで話をするなら大人相手にしなければならないからだ。
「あの、すいません」
「ふん! はぁ! ふん! はあ!」
私の声が届いてないのか素振りをやめる様子はない。
「あの! すいません!」
「ふん! なんだ!」
彼は振り向くと振っていた剣を突きつけてくる。上半身は裸で筋肉質な体を惜しげもなく晒していた。
「あの! 依頼で来たんですけど、どこに向かえばいいのかと思いまして」
「依頼? 何のだ!」
「子供たちを見ていて欲しいという依頼です。Fランクの所に貼ってあった物です」
「なるほど。それなら建物の中に入ってすぐ右に受付がある。そこで話を聞けば問題ない!」
「なるほど、ありがとうございました」
私はそう言って軽く頭を下げて建物へ向かう。
彼はそのまま気合を入れて剣を振り始めた。
「凄い体ですね」
「ああ、あれはかなりの実力者かもしれないな」
建物に到着すると、その迫力に気圧されそうになる。ここでよく使われている煉瓦で建築されていて、建物としての高さは4階位あるのかもしれない。下から見上げると半端なく高い。
「近くで見ると凄いな。まるで城門だ」
「確かに。入る時もこれくらい大きかったですもんね」
「もしかしたらあれ以上の高さかもしれないけどな」
そんな感想を抱きながら建物の中に入った。
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