42話 オススメの店
「うむ、次に来た時はもっと色んな魔道具を教えてやるからの」
「はい。ありがとうございました」
「それでは失礼します」
私たちはその店主らしき人と別れて宿に戻っていた。流石に外は夕暮れで赤く染まり、真っ赤になっている。
「すいません。不用意にあんなことを言ったせいで……」
「いや……色々と勉強になったからいいさ。それにかなり安く売ってもらえたのもあるしな」
「そうですね……」
私たちはそれぞれのマジックバックを購入していた。本来一つ金貨150枚位が相場らしいが、話を聞いていたからか話の分かるやつとして金貨30枚、更にレント君の名前を出して金貨20枚安くなって計100枚でそれぞれのマジックバックを買うことが出来た。それも前に私が使っていたちょっとだけ容量が大きくなるものではなく、あれより小さいのに容量は倍以上に入るもの。下手をしたら3倍位あるかもしれないものになっている。しかも本人登録が出来て、私以外には中を漁ることが出来ないようになっていた。勿論この機能は解除することも可能だ。
「しかも他に何か買っていただろ?」
「ええ、ちょっと色々と」
私は調理用の魔道具とかを買っていた。その名も『どこでも万能調理キット』だ。……。名前はまあいいとして。それはフライパンや鍋、包丁、他にも多数の調理器具も持ちやすいようにセットになっていて、重ねるようにして仕舞うものだった。これの素晴らしい点は魔道具なので魔石は使うが、セットの中に仕舞っておくだけで自動で洗浄してくれるという所だ。これでどこかに旅をしたとしてもわざわざ川などの水がある所を探したりする必要もない。何とも素晴らしい物だった。
「フリッツさんに言われてちょっと料理に興味が出てきたのでやってみようかと」
「そうか。またクロエの料理が食べられるのは楽しみだ」
「勉強中なのでハッキリと良くなるとは言えませんけどね。やってみます」
「ああ、楽しみだ」
「それでこれからどうしますか?」
「流石に腹が減った。昼も食っていないしな。それとも作ってくれるか?」
「調理場がありませんし、どこかで買って食べませんか?」
「分かった。今日はオススメの店2を教えてやろう」
「そのオススメって一体いくつあるんですか?」
「それは……まだ決まってない。その日の気分で変わる」
「分かりました。ではそのオススメの店もっと行ってみたいです」
「これだけ金があるなら行けるだろう。こっちだ」
「そんなに高いのはやめてくださいね? あ、あとこれ、受け取ってください。今の感じではあんまりいらないかもしれませんが」
私はそう言って彼に金貨を5枚差し出す。
「これはなんだ?」
「色々と借りていたお金とかです。その利子も含めて返しておかないと」
借りたままの金をなかったことにするのは聖女としてのお金の倫理に反する。一応お金はあるのだし多分かなり多い気がするけど、それをやっても大丈夫なくらいのお金は残っている。
「……」
「フリッツさん?」
「いらない。そんなものはいらない。今の俺の財布の中身を知っているだろ?」
「そうですけど……」
「それに俺はお前に命を助けられたと言ってもいいんだ。その価値に比べたらそんなものはいらないよ」
「そんな、悪いですよ」
「じゃあ今度その金で美味い料理を俺と母さんと師匠に作ってくれ。それでいい」
「それだけじゃ使い切れないですよ……」
「余った分はいいから好きにしてくれていい。それよりも早く飯に行こう。腹が減って我慢できない」
「分かりました……」
私たちはフリッツさんオススメの店に向かい、美味しい食事をして宿に帰った。
誤字脱字報告をしてくださった方、ありがとうござました。昨日の夜にやっと気づきました。
ないように気を付けていく予定ですが、あったら教えていただけると助かります。
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