40話 ボロい
「何て言うか最初にあった時の印象とは全然違いますね」
「そうだな。何だか、俺の方が年下になったのかと思うくらいに大人びてた気がする」
「坊ちゃんは商会にこもりきりで働かれますからね。外で違ったのはゴブリンに襲われて怖かったからなんでしょう。ああやって大人ぶっていますが中身はまだ子供ですから」
「なるほど」
「苦労されてるんですね」
「本人も好きでやっているようなので気にしないでください。それと直ぐに行きますか?」
「そうだな。この部屋を使っているのは悪いような気がするし、直ぐでいいか?」
「はい。私もこの部屋にいると何か壊しちゃいそうで怖くて落ち着きません」
「ははは、大丈夫ですよ。といってもわざわざいる必要もないですからね。行きましょうか」
私たち3人は店の外へ出る。何だか気分的に解放された気分だ。
「外の空気が美味しい」
「だな。俺もこっちの方が好きだ」
「分かります。その所為で護衛をやっているのに、冒険者を未だに辞めれませんからね」
「そう言うことだったんですか」
「はい、それでは行きましょうか」
私たちは歩き出す。その先頭をバルドさんが歩いてくれているからついていくだけでいい。
「ここから近いのか?」
「そうですね、歩いて20分といった所でしょうか」
「何とも言えない感じだな。近いような遠いような」
「そうかもしれません」
私たちは話ながら目的地の『グリー魔道具店』を目指す。そして20分ほどした頃にバルドさんが目的地を示した。
「あそこになります」
「あれは……」
「何と言うか……」
凄くぼろい。私とフリッツさんの意見は同じだったように思う。
「凄くぼろいですよね。私もそう思います」
「あ、やっぱり」
「そう思うのも仕方ないか?」
「ええ、あれは店主の方がわざとやっているのですよ」
「あれをか?」
「はい。何でも沢山の人に入られたくないとかで、人が近づかないような雰囲気にしているそうです」
「何で魔道具店なんかやっているんだ?」
「それは魔道具を作りたいからだそうです。そして買った人に使用感を聞きたい。だけどいっぱい来られるのは困る。そういった理由からああなったそうですよ」
「何とも大変な性格だな」
「そうですね。お店が開いているのも週に2日しかないですからね」
「じゃあ今日開いてるのはラッキーなのか?」
「そうですよ。なかなかないことだと思います」
「じゃあ早速行くか」
「それでは私はこれで」
「来ないのか?」
「余り多くの客が入るとこれまた嫌がるんです。それに坊ちゃんの護衛をしに戻らなければいけませんから」
「なるほど。助かった」
「ありがとうございました」
「いえいえ、それではお気をつけて」
そう言ってバルドさんは帰って行った。
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