14話 いざリッター村へ
それからの日々は特に強い魔物とも出会うことなくサクサクと進むことが出来た。私の中では十分に強敵のグリズリーベアはフリッツさんが出会った矢先に瞬殺していたので、グリズリーベアが可哀そうになってくるほどだ。
フリッツさんの住んでいるという村には4日程で着く。自分が安心出来たら人のことも気になってきた。勇者パーティの皆は無事に偵察を終わらせてくれただろうか。あんな人達でも人類の希望なのだ。彼らに勝ってもらわなければ困る。
その村はかなり小さかった。家の数も全部数えて50あるかどうか。もしかしたらもっと少ないのかもしれない。
村の周りを柵で囲っているがそれはかなり粗末なもので、ちょっと強い魔物が出てきても防げそうにはない。ただこの村に入るにはかなり狭い道を通らねばならず、大型の魔物はほぼ確実に入ってこれないだろう。
村の中を歩いている人達の顔もかなり健康的で暗い様子もない。いい村だというのがすぐにわかった。
「さ、ここが俺達の村。リッター村だ」
「リッター村。聞いたことないですね」
「そうだろうな。ここはかなり奥地だし、商人もほとんど来ることがない。だから自給自足が基本で成り立ってるから、外に出ていくやつもいないんだ」
「それなのに冒険者なんですか? というかギルドはあるんですか?」
「当然だ。冒険者ギルドはちゃんとあるぞ。といってもいつも居る訳じゃないし、ほとんどの時間は裏の畑でクワを振っているがな」
「嘘。そんな場所もあるんですね」
「この一帯の村というか、こういった小さい村は大抵がそうだぞ?」
「なるほど。確かに今までは街かある程度の大きさの村にしか行ったことありませんでした」
思い返してみれば王都や有力な街といった大きな場所にしか行かなかった気がする。そういった所の近くで発生したクエストには行ったが、こういった田舎の近くのクエストは無かった気がする。
今回私たちが行っていた魔族側の調査も国境最大の街のクエストということでだったし、あれだけ長い間に旅に出ていたのは初めてだったかもしれない。
「まぁそっちの方が実入りはいいしな。物もあるし人もいる。冒険者は慈善団体じゃない。食料や魔道具の装備も整えなきゃいけないし、装備の修繕に回復魔法で治らなかった場所の治療。大きい街に冒険者がいつくのは当然だ」
「そうですよね」
確かに勇者のランドや剣士のルーカスは頻繁に鍛冶屋とかに行っていたし、サラやディーナはよく魔道書の所に行っていた。腕のいい鍛冶師は大きな街に行ってよりいい仕事を受けようとするだろうし、魔導書なんて高級品を買う人は大きな街にしかいないだろう。
「さ、話しててもあれだから中に入るぞ」
「はい、よろしくお願いします」
フリッツに案内されて村の中に入った。
面白かった、続きが気になると思っていただけたなら、ブックマーク、下の評価をお願いします。
星1個でも頂けると、小説を書く励みになります。




