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吸血鬼犯罪捜査官 美紅  作者: 城島 剣騎
<第3章>アイドル恐喝殺人事件
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第三章<迷い傷>


悲鳴を聞いて急遽スタジオに入った私達が見たものは、ソファーに横たわる中里 瞬くんの姿。

「ちょっと、どいて貰えませんか?」

私達は動揺を隠しきれないsprintersのメンバーや、マネージャーの八神さん、そして新くんを押しのけて、中里 瞬くんに外傷があるかないか、生存しているかを調べる事にした。

「すまないが、もう少し離れてくれないか?

そんなに密着されては、調査に支障をきたします。」

あぁ、春樹ったら何もそんな言い方しなくってもいいのにぃ。

「おい、あんた達は吸血鬼専門の刑事なんだろ?

とっとと犯人調べろよ。

これって咬み傷だろ、吸血鬼のよ。」

随分と無礼な人って振り向いたら、私の真後ろに立っていたのは桜庭 優だった。

「っていうか、なんで犯行予告した俺じゃなくて瞬なんだよ!」

ちょっと、そんなつっけんどんにあれこれ聞かないでよ。

そんな事、私が教えて欲しいぐらいよ。

私は軽く腹が立ったので、思わず上目遣いに睨んだ。

「おいおい、この女刑事さん俺を睨みつけてきたぜ?」

あぁもう邪魔だなぁ、この人。

と思っていたら、私達が来た廊下から姿を現したsprintersのメンバー、香山 良治さんが制止しに来てくれた。

「おい、優!

今は刑事さん達に任せて向こうで待機していようぜ。」

続いて黙って事の成り行きを見守っていたsprintersのリーダー、長田 裕仁くんも桜庭 優を止めに来てくれた。

「いい加減にしろよ、優。

今、刑事さんが瞬を見てくれているんだから落ち着けって!」

あぁ、2人ともいいなぁ。

イケメンだし。

「おい、アホぅ。

ぼけっと見惚れている場合か!」

ちょっと、なによぉ。

別に見惚れてなんかいないわよ、こんな非常時に。

と、言い返したかったけど面食いの私が言っても全く説得力がないわよねぇ。

「とりあえず被害者は数度に渡って咬まれている。

にもかかわらず、息をしていて脈拍も正常。

さほど血を吸われた訳でもない。

おい、美紅。

お前ならこの状況、どう思う?」

へぇ、珍しいわね春樹が私に意見を求めるなんて。

「迷い傷…、かしら。

それも、数度に渡って吸血を試みるも、挫折しているって感じよね。

普通、吸血するとなると頸動脈を牙で探り、確認しつつ牙を突き立てて吸血するはず。

でも瞬くんの傷は浅く、そしていくつも咬まれている。

これって私が思うに吸血初心者の吸血鬼じゃないかしら?

だって今や人工血液があるから、人にスパッと吸血出来る吸血鬼って少ないと思うしね。」

と私が応えると、春樹はさらに話を続けた。

「ふむ、確かにそういう線もありえる。

だが、考えられる事は他にもあるのではないか?

吸血鬼が小心者である可能性。

小心者という言い方をすると語弊があるやもしれんが、吸血する事に罪の意識を感じているとか、な。

もしくは数度に渡って吸血を試みるも、その都度邪魔が入っていたとか。

被害者の口から微量だがクロロホルムの匂いがする。

これは、後ろから眠らされたようだな。」

なんだろう?

なんだかすっごく腑に落ちない。

だって吸血鬼が人を襲うのは捕食の為ばかりではない。

基本的に犯罪を犯す吸血鬼ってドSなのよ。




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