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2話 疑い

主人公視点


這いずりながら何とか半ばまで来ましたギルです。


でも、もうさすがに限界です...


回りは真っ暗です...


「...はぁ、これさえ売ればいいものが食えたのに...」


懐にある魔核をを大事に抱えながら前進を続ける。


「はぁ...はぁ...まだ...」


意地だ。


折角生まれ変わったんだ。死にたくないという意地だ。


もうちょっと...




「君大丈夫!!」


後ろから声がかけられる。


振り返ると、女がいた。


「...」


見た目からして冒険者か。


「大丈夫かい!足がひどい状態じゃない!」


女は側に来ると、足を見る。


「これは、酷い...すぐに町へ戻ろう!」


女は俺を背負うと、町へ駆け出した。


(あぁ、寝てもいいかな...)


俺はそこで意識を手放した。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

???視点


私は血痕を辿っていき、倒れている少年を見つけた。


しかし、少年の状態はひどい状態だった。


体中が傷だらけ、尚且つ右足は折れていた。


出血が多く、意識も朦朧としていた。


私は、すぐに少年を担ぎ、町へ走った。


私が暮らす街。


灰原集落。


ここは葦原島の中央に位置する砦のようなところだ。


魔物の脅威が残るこの島で生きるため、ほとんどの町や村は城壁や柵で囲まれている。


灰原集落も、集落という名前だが実際は鉄板で囲まれた砦だ。


そこにいけば大抵のものはある。


医者、食堂、宿だったり、簡易的な鍛冶だったりだ。


今、そこへ向かっている走っている。


「...生きてるのか、こいつは...」


背中に背負っている少年は、異様に体温が低く、冷たい。


遅いと手遅れになる可能性がある。


しかし、この少年がダンジョンを攻略したのか...?


死んでいた男との関係もわからんし...


しかし、装備は明らかにあの男のもののようだ。


「...よくわからんぞ」


私は疑問を浮かべながら町へ駆ける。




しばらく、して集落へ辿りついた。


「...門を開けてくれ!急ぎだ!」


「ん?...げ、孤児じゃねぇか...そんなん捨てとけよ...」


門番はぶっきらぼうに言い放つ。


「いいから開けろ!」


私は善人ではないが、さすがにここで見捨てるという判断はしない。


「...ッち。わかったよ。ちょっと待ってな」


門番は仕方ないというような表情で扉の開門を始める。


門自体は鉄板でできた簡素なものだが、重さは優に300キロ以上だ。


男数人でやっと開ける重さ故に、用がなければ開けることはない。


「...ありがとう!助かる!」


「はぁ。てか、死んでそうだがな。そいつ」


確かに。門番の言う通りだ。


冷たく、肌は青くなっている。


早く医者のもとへ。




医者のいる場所は、村外れに位置し、少し遠い。


私は夜だが、構わず駆けた。


こけて擦りむいたが、そんなの関係ない。


そうこうしているうちに、医者のいる診療所へたどり着く。


「おい!開けてくれ!いるんだろう!!」


”ドンッ!ドンッつ!ドンッ!”


ドアを目いっぱい叩く。


「ううう、何だ、こんな時間に...」


医者が出てきた。しかし、眠そうだ。


「眠っている場合ではない!患者だ!」


「あぁ?こんな時間に...重症だな...」


医者は怪訝な表情だったが、少年の状態を見て深刻だとわかったらしい。


「中に入りなさい」


医者は私たちを中に案内させた。


「そこの上に寝かせて」


少年を寝かせ、わたしは服を脱がせていく。


「足が折れている、体中も傷だらけだ」


「...足が先だな、麻酔をして足を開くぞ。ポーションでもあれば良かったんだが、あいにく今はない...」


「...仕方ないわね」


服をすべて脱いだ少年を観察する。


(...やはり傷が多い...)


そうこうしているうちに、医者が手術器具を持って来た。


「今から足の手術を始めるぞ。折れている部位を固定する...」


「頼む...」


「〈スキル 診断Lv3〉」


医者のスキル、診断。


患者の状態を観察し、見えない内部の損傷まで見ることができる。


このスキルのおかげで村で何人が助かったか、わからない。


医者は慣れた手つきで手術を進めていく。


「...よし、足の固定は終わった」


何時間経ったかわかんないが、医者はほとんどの処置を終わらせた。


「...助かりますか?」


「さぁな、わしは助けた。あとはそいつの気力次第だな...」


「...わしはしばらく寝る。そいつが目を覚ましたら知らせてくれ」


医者はそう言うと奥の部屋へ入っていった。


改めて少年を見る。


「...まだ、子供じゃないか。」


こんな子供が、あんな危険なところに生きる為に通っていると思うと気の毒になる。


「...はぁ」


溜息が出るが、しばらくしているうちに私も意識を手放した。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

主人公視点


はーい。死にかけギルです。


今、絶賛死にかけです。


意識がなくなったと思ったら、なんか変なところにいます。


「...どこですかねぇ、ここは...」


あたり一面白い...部屋?空間?


「...精神がおかしくなったのか...?」


「いや、おかしくなったわけではないぞ」


「ッ!?」


びっくりした...いきなり声が聞こえたと思ったら、後ろに何かいた。


「...どなたですかね」


「あぁ、俺ぁ...なんでもいいや。」


(なんでもよくはねぇだろ...)


男?かわかんないが、すんげぇ適当だった。


「...えっとな、このままだとお前死ぬんだわ。」


「は?死ぬ?俺が?」


「あぁ、だって、血が出過ぎてるからさ、子供の体じゃ無理だって」


思い当る節がありまくる...


「...それで、あんたは死ぬよって報告にでも来てくれたのか?」


「まぁ、そうだねぇ。でもさ、今お前に死なれるのは困るんだよねぇ」













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