第24話 見た目は普通、重さが異常な少女 その2
見た目は普通、重さが異常な少女、その2
【東エクスアリアの森、入口 夜刻】
私達は今、野営ポイントから離れた、声が聞こえて来た周辺にいる。
カシャン! カシャン! カシャン!
森の入口と思われる場所から鎧の様な物を纏う人影が見えた。
「朝陽、あれを見ても救うの? 滅した方が早くない?」
「しっ! まだ分からないでしょ、来るよ」
カシャン! カシャン! カシャン! カシャ……ン。
「おやぁ、こんな夜中に、『ヒューマ……』日本人と『アリア人? ……』、出会えるとは『逃げてください!』」
日本人? 夢喰にかなり侵食されてしまっているけど、私と弥乃葉を見て、ヒューマアリア人という言葉が出てきたという事は、まだ完全には侵食されていない……だからまだ救える!
私は……明日を奪う鬼から明日を護る者、夢斬士、だから……
「大丈夫、あなたを救うから! 行くよ、弥乃葉!」
ユメキリとユラキリを介して、ヘッドギア付き夢斬士の戦闘スーツと装備した私達を見た、目の前の夢喰に侵食された兵士は、歪な型の長き剣を剣鞘から抜いた。
「なるほど、夢斬士しかも2人。
でもここは、夢覚市ではない『早く…メリデ……』 チッ! お前、しぶといな!」
――この兵士みたいな人、まだ抗ってるみたいだ、これならまだ救える!
【夢宮朝陽が夢鬼理滅想刀、夢月弥乃葉がユメキリブレードを装備しました!
「来るよ! 弥乃葉!」
「了解、朝陽、バトルスタート!」
【夢宮朝陽と夢月弥乃葉が、夢喰エルタティア兵士型と交戦開始しました!】
「巫女メリディちゃんを何処へやった、夢斬士! 何処へやった! 何処へやった! 何処へやったんだ!」
キィーン! キィーン! キィーン!
「なんのこと? 夢喰のお前には関係ないだろ? お前を討滅するのが、正義の夢斬士であるわたし、夢月弥乃葉なのだから!」
――巫女メリディちゃん? もしかしてさっきの…………
「何処へやった! 殺めそこなったじゃないか! どうしてくれる! 邪魔をするな! 夢斬士が!」
「ふうん、あっそ、邪魔なのはお前だよ! はい!」
バリバリバリバリ!
『我は、ユラキリブレード也、夢羅鬼理チャージ開始也』
バリバリバリバリ!
えっ? 夢羅鬼理カウンターじゃなくて、チャージ?
『朝陽よ、我の分体、ユメキリIIIのチカラと鬼理刻のチカラが合わさり、想いを充填する型へと変えた姿がユラキリブレードの様だ』
弥乃葉の握るユラキリブレードは、私とユメキリが作った分体の一刀、軽すぎる振動剣――高周波ブレードのユメキリIII型の面影が確かにあった……
「チッ……その力は、許せぬ! いでよ、巫女メリディちゃん様を殺め隊!」
――殺めたいであやめ隊? ヤバっ!
常時、視界に表示されている夢鬼理ガジェットのUIを見た私は、思わず笑いが溢れてしまった。
「プッ、『夢喰エルタティア兵士が、夢喰巫女ちゃん様をあやめ隊を召喚しました!』、ネーミングセンス……おかしいって、あははは!」
「チッ! バカにすんなよ、夢斬士がぁ! やっちまえ!」
私達の目の前には今、巫女ちゃん様をあやめ隊がいる。
20体ぐらいいる巫女ちゃん様をあやめ隊は、歪な型の長き剣を構え、全員こちらに向かってきた…………その時だ。
「はい、チャージ完了! 『正義の夢斬士、夢月弥乃葉の必殺技を喰らうがよい!』、行くよ、ユラキリ!」
『承知。我は、ユラキリブレード也。我の必殺技は、デザ――――――――――(デザイアストレートスラッシュ)! ナァリィ!』
――え? ユラキリの必殺技? デザ? 聴き取れない……
赤き光を帯びたユラキリブレードから放たれた、赤き光の想いの斬撃波は、20体いたあやめ隊を一瞬で殲滅し、エルタティア兵士の夢喰の討滅してしまった。
【夢喰エルタティア兵士型、討滅、ゲート封鎖完了!】
――えーと、デザイアストレートスラッシュ? ……確かに集団戦向きの技みたいだけど、流石にアニメの見過ぎでしょ…………
「ふぅー…………どうだ! 『これが正義の夢斬士、新たなる世界での初陣、お見事勝利なり!』、疲れたー」
「色々と言いたい事もあるけど……弥乃葉、この人を野営ポイントに連れて行くよ」
「えー、危ないでしょ、何考えてるの、朝陽?」
『弥乃葉よ、先程のお前の技で、この者と夢喰を繋ぐゲートは閉じられたのだ、安心するが良い』
「そうなの、ユメキリさん。確かにさっきの『数多なる人の生命を吸いし、血塗られた黒騎士の邪剣であった』みたいな剣が消えてる!」
「はいはい、弥乃葉。ここに留まっていたら危ない……はい、この人の反対側の肩を持って。野営地に帰るよ」
「分かったよ、う……ん、しょっと」
私と弥乃葉は、いかにもファンタジーのアニメで出てくる夢喰だった一般兵士を救い出し、野営地まで連れて行くことにした。
24話 見た目は普通、重さは異常な少女 その2 完
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