第12.5話 閑話
閑話 フェルレト亭
【エクスアリア大陸 フェルレトの街 フェルレト亭】
私は今、ヒューマアリア人の街、フェルレトの街の食堂の前にいる…………というよりもよくあるファンタジー小説によく出てくる、そのまんまの食堂兼酒場だ。
「いらっしゃいませー! フェルレト亭へようこそ!」
元気が良い挨拶をしてくれた女の子の店員さんに席まで案内された私とシャリアさんは、酒樽のテーブルの上に置かれたメニュー表を見ながら、何を食べようか迷っている。
――ヴェルレトの村以来の異世界の料理だあ! メニュー表の文字は分かんないけど、ちゃんとメニューの絵も書いてあるし、どれも美味しそーだぁ!
「シャリアさん、何食べる?」
「えっ、じゃあ……エクジャガの細揚げを…………」
「それじゃ足りないよ!」
「えっ、じゃあ……フェルレト亭特製キューブテーキを…………」
シャリアさんが頼んだ、エクジャガの細揚げ。
エクスアリアのエクとジャガイモからエクジャガ、からの細揚げ……つまりファンタジー世界のフライドポテト!
私が高校生の時、夢斬士の任務の隙間を使って、夢覚市のユメミヤバーガーでバイトさせてもらった時を思い出が蘇る……
ポテトを揚げている時の食欲を刺激する、あのいい香りがする!
「お待たせしました! エクジャガの細揚げです!」
確かあの時、ユメミヤバーガーのマネージャーさんに『夢宮さん! ポテトのつまみ食いはダメだからね! いくら夢宮コンツェルンのご令嬢であってもね!』って、怒られた記憶を思い出すよ。
「美味しー! 何、この味、何?」
あまりのポテトの美味さに私とシャリアさんが驚いていると、キューブテーキを持って来たウエイターさんが話しかけて来た。
「お待たせしました! エルレト亭特製キューブテーキです! エクジャガの細揚げはお口に合いましたか?」
「はい! 今まで食べた事のないポテ……細揚げでした!」
「それは良かった! だそうですよ、マスター!」
ウエイターさんの声かけに反応したマスターが厨房の中から返事をした。
「そりゃ、ありがたいねー! その言葉は料理人として、何回聞いても嬉しい言葉だぜ、ありがとな、嬢ちゃん達!」
さあて、フェルレト亭特製のキューブテーキのお味は………………
「美味しー! もう満足……お腹いっぱい」
「お2人様。これ、マスターからサービスとして出すようにと言われましたので、どうぞ!」
マスターからの私たちへのサービスは、食後のデザードで、エク牛のミルクを使ったバニラの風味が香るアイスクリームだった。濃厚なバニラ風味の香りとミルクによって、私のスイーツ好き図鑑の一品へと追加された。
私たちの食べっぷりを見ていたのか、厨房からマスターがこちらに対して満面の笑みで見ている。
「ありがとう! マスター!」
「良いってことよ! 嬢ちゃん達またよろしくな!」
「はい! また来ます!」
こうして私とシャリアさんは、フェルレトの街のご飯を堪能したのであった。
「美味しかったね、シャリアさん!」
「はい! 朝陽様、次は何を食べましょうか?」
「また来た時のお楽しみって事で!」
「はい! 朝陽様!」
――やっとご飯も食べれて、元気になれた! よし! 明日からまた頑張ろう!
第12.5話 閑話 フェルレト亭 完
第13話へ続く!
第2章 異世界を旅する夢斬士 終
第3章 エクスアルディアギルドの夢斬士へ続く!




