出会い
「はぁ~あまりいい武器がありませんね」
武器屋の中で、呟くレインもしここに店主がいたのなら追い出されていただろう。しかし、いい武器が売ってないのも事実なのである。
「次は、防具屋ですね。いつまでもこんなのでは心許ないですからね」
と言い服を触る。レインは速足で防具屋に行った。
「鉄のキュイラスですか。しかし、五千シリスもあるのはキツイ」
他にもブーツに手袋を買って店を出た。
「買いすぎましたね」
今までモンスターを倒して稼いだ金が底をついてきたレインだった。
「金を集めますか」
そう言い。次は、何処へいくか考えるレイン。その時、前方に人影のようなものを見た気がしたレインは、門の近くに小走りで近づいて行った。
「やっほ~」
ピンクの髪の毛に貴族の令嬢の服?を着たかわいらしい女性が立っていた。
「みんなのアイドル、ルルンだよ~」
「大丈夫ですか?」
「初対面なのにどうしてそんな酷いこと言うの~」
ぽっぺを膨らませながら怒った口調で言う。ここに擬音を付けるとしたらプンプンだろうか。
「いつからここに居たんですか?」
「昨日からかな?この服も、昨日買ったんでけどやっぱりルルンには合わないな~」
「アイドルにでもなりたいんですか?」
「そう」
レインは、迷いのない一言に関心してしまった。
「あっレインをファンの第一号にしてもいいよ」
レインは、凄く嫌だった。そう考えた理由は、めんどくさそうと思ったから。だから必死に考えたファンにならないようにするために。
「ファンは無理ですけど、スポンサーならいいですよ」
「む~なんで~」
ルルンは怒っていたが、元会社員であるレインは相手を納得させるぐらい簡単にできると思った。
「投資ですよ」
「投資?」
「そうです。未来あるアイドルに投資するのは当たり前じゃないですか」
「ふ~ん」
レインはため息を吐きそうになっていた。それは、ゲームの世界で会社の真似事をやるとは思ってもいなかったからだ。
「じゃ~どんな事をしてくれるの?」
「例えばですが、アイドルのような服の提供などはどうですか」
レインは相手が一番納得する提案をした。言っているレインはこの話を聞いてこれがいいと判断して言っていた。
「でも、良いの?自分で分かってるけど、相当おかしなこと言ってる自身があるよ。それにレインのメリットも無いし……」
「そこは……俺の頼みを優先してくれるとかでいいですよ」
「変わってるんだね」
「……あなたには言われたくないですよ」
レインはそこで違和感に気が付いた。
「俺の名前を言いましたっけ」
「あ~ルルンのスキルで名前とレベルが見えるの」
レインはそんなスキルもあるのかと考えていたら、ルルンが閃いたみたいな顔をした。
「レインさんって、強そうだからルルンと一緒にレベル上げをしない?」
レインは一瞬迷ったが、すぐに考えが答えを出した。
「別にいいですよ」
「やったー」
ルルンは両手を挙げてジャンプしていた。