負けたくなければ強い者には者手を出すな
階段を下りていくレインはすでに大量の煙を纏っていた。周りから見れば彼こそモンスターに見えるかもしれない。
「次は城ですか」
夜を照らす大きな満月が巨大な城を照らし合わせていた。その屋根の上には人影が見える。今見えている敵と仮定するなら手ごわいだろう。
「届くでしょうか。渾身、限界熱化、斬刃」
核融合、渾身、限界熱化で強化された斬刃が城へ向かって飛んでいく。初めは小さかった刃が巨大化し、核反応を起こした刃が大量の熱を放出し出す。それは満月の方へと飛んでいき、少し軌道がズレるが城の屋根へと向かっていく。
しかし、それも一瞬のことだった。
「がっ!」
斬刃がビームを貫いて粒子になり、レインまで届き胸を貫く。ダメージこそ大きくはないがレインの攻撃よりも速く、貫通力にたけた攻撃だろう。それでも魔法でHPを削ていたレインには強い一撃になった。
「ポーション、ポーションは何処ですか?」
下位回復ポーションを何個も取り出して無味無臭のポーションを飲み込んでいく。核融合はまだ続いているので煙が止まることはない。だが、大量に取り込んだ回復はその効力を表していた。
次の瞬間、彼の強者という異能が牙を剥いた。
「威圧」
言葉にしなくても発動できる〈威圧〉が敵を睨む。
「やっぱり強いですね。あの化け物は」
そう言うと城のよく見る。人影だったものが何倍にも膨れ上がり口や目が鋭く尖った、奇妙な化け物がそこには立っていた。それは〈威圧〉の効果でレインと同じだが、レベルの差があるためレインの〈威圧〉が負けて、敵の〈威圧〉が大きく見えたのだ。
「核融合が終わる間にここを離れておきますか」
幸いここは平地ではなく森もある場所なので、モンスターに気を付けていれば今この中でレインに勝てるものなどいないだろう。
「あれはドラキュラでしょうか?でも光魔法に似た攻撃をしてきましたし、絶対にそうと決まったわけではないですが、一応そう仮定しておきましょうか」
城に住んでいるなら吸血鬼に違いないだろうが、聖魔法を使えるのは不死系にはほとんど存在していないと思った方がいいだろう。しかし、光魔法なら使えるアンデットが続出してくる。
それを知らないレインには答えが出てくるまでに時間がかかるだろう。
「俺よりも強い威圧の持ち主ですか……」
威圧とは、元々言葉に発動しなくても垂れ流すことができる。そして、今もその威圧の効果で下位のアンデットは近づけずにいた。
葉丸小話
吸血鬼っていいですよね。中二病なら誰もが憧れそうなモンスターですよね。こう伯爵って感じが好きなんですよね。




