神々
巨大な自動ドアが機械音を立てながら開いていく。そして部屋に入ると宇宙船を思い出させるような、階段のような形をした大部屋になっていた。そこにはパソコンと人がずらりと並んでおり、目に前の大画面には何個もの映像が別々の場所を撮っていた。
「終わったぞッ!」
「……そんな大きな声を出さなくても聞こえる」
「はいはい」
一番近くにいた男がその女を見て答えた。実はこの場所テラセルドを作ったゲーム会社の運営と呼ばれている者が仕事をしている場所だった。その中でも一番大きな部屋で通達部屋、司令部とも言われている仮想世界の監視などをしている重要な場所だった。
「で、どうだった?」
「倒されたよ」
「お前もか……」
この会話で気付いたものがいるかもしれないが、この女性はレインに闘いを仕掛けてきた緑王で運営に雇われたエキストラの一人だ。
「元全国ボクシング大会優勝様がね……」
「”も”ってことは私以外にも負けた奴が居るんだろ?それに別にチートをしてるわけじゃないんだから良いじゃねか」
「そうだが……勘違いするなよ?全員だ」
その言葉を聞くと緑王は驚いた。雇われる前に事前に強いとは聞いていたが、それと同時に他に誰が雇われているかも聴いていたからだ。
「全員って、元自衛隊に私のライバルだって居たんだろ?」
「いくら本人が運動能力に優れていてもダメだってことが分かったが……」
「あの仮想世界で身体能力が伸びたのは良いが、あいつはそれを使いこなしてそれに特殊能力も使ってくるからな」
「あぁ特に二人は会った瞬間に倒されて帰ってきたからな」
全員が現実世界で猛者と呼ばれる存在だが、仮想世界では簡単に倒されてきて帰ってきたのだ。しかし弱いわけでもない、今のプレイヤー達と戦わせたら一人でも無双ができるほどの強さがある。
それを倒すテストプレイヤー、いやバランスブレイカー達がおかしいのであるが。
「チート、チーターだったら話が早いがな」
「そうか。まッそういうわけだから私は帰る」
背中を向けながら手を振って、来た道をそのまま通り帰っていった。




