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テラセルド  作者: 葉丸 そう
β編
19/106

苦戦

「全部、避けることはできませんか」


 あの後にゴブリンの援軍も来て苦戦していたが、ポーションや巻物を駆使して全滅させた。


「確か、援軍が来たのがあっちからでしたから巣はあっちですね」


 案の定援軍が来た方へ行ってみるとゴブリンの巣らしき洞窟を発見した。すると、奥の方からゴブリンが出てくるのが見えた。


「暗視などのスキルがないと、洞窟はきついですね。魔法でも放ってあぶり出しますか」


 見張りのゴブリンが目を逸らした瞬間に走り出し右腕を斬る。


「グギッ」


 見張り役のゴブリンは痛みで声が出せずにいた。

 ゴブリンは咄嗟に持っていたこん棒を盾にしようとするが痛みで持てない。心臓に向けてレインは胴体に向けて突きを放つ。


「ギャッ」


熱放射線ヒートレイデーション


 洞窟に手を向けて魔法を放つと三本の光線が洞窟の奥へと飛んでいく。大きな爆発音と共に洞窟内から煙がもくもくと出て来る。


「多いですね」


 異変に気が付いたのかどんどん洞窟の中から湧いて出てくる。


「ヤバいですね」


 今まで溜めておいた巻物を次々と使い出す色々な色の魔法陣が出てくる。〈火球(ファイヤーボール)〉にアイスボールなどの魔法で、止まらぬ連撃を浴びせられたゴブリンの部隊はほぼ壊滅状態だった。


「敵の大将のお出ましですね」


 洞窟の中から中学三年生くらいの大きさをしたゴブリンが出てくる。ただ、大きいだけではなく筋骨隆々な姿をしていた。


「グッグッグッ、俺の部隊を簡単に倒すとはなかなかやるな」


「……」


「何も考えずに、来い」


 大剣をレインへと向ける。何かのスキルを使ったのか剣の周りから黒に近い緑のオーラが出ていた。


(スキルの差が大きそうですね)


 刀を構えそして距離をとる。何故かその理由は強者感知が教えてくれたから。

 そして、考える暇もなく一瞬で近づいたゴブリンジェネラルの大剣が振り下ろされる。


「くっ」


 刀を上に持ち上げ、振り下ろされた大剣を受け止める。レインの視界が揺らぐそれほどまでに重たい攻撃だったため。


「弱すぎるな」


「あなたがですか?」


 刀を滑らせて腹部に差し込み、すぐに後ろに下がる。腹部には跡が残り(赤い粒子)がでていた。


限界熱化オーバーヒート


「やるじゃねーか。だがよ、ゴブリンジェネラルなめんなよ」


 ゴブリンジェネラルは何の動作もなく体全体から赤いオーラがでる。


「渾身、物理強化フィジカルブースト、小鬼の一撃」


「渾身、鬼闘化、一閃」


 大剣が振り下ろされるがレインの物理攻撃力の方が高く、そして速かった。その刀はゴブリンジェネラルの体に大きな傷をつくった。


「グッ、オッラァァ」


 これ以上攻撃させないためにもレインを近づけさせないように大剣を振る。


「おっと」


「チッ、一撃」


 レインは簡単に避ける。そして、これが最後の抵抗だと思いゴブリンジェネラルに向かって突進した。


「馬鹿が」


 ゴブリンジェネラルの拳がレインに吸い込まれるようにまれる入る。そして、そのまま木に叩きつけられる。


「小鬼の一撃、これは一番新しいダメージをそのまま返すスキルだが強いだろ」


「確かに強いですね」


「お互いにあと一撃で倒れるだろ、ここからが本番だ」


 互いに睨み合う。互いに一撃で倒されるそれが二人に緊張を与えていた。 

 先に動いたのはレインだった。刀の速さを活かした横からの攻撃だったが、大剣で受け止められる。


「遅い」


 レインの刀を力だけで弾き、無理持ち上げた大剣を振り下ろす。レインはすぐに後ろへと下がっていく。


「遅いのはそちらも同じですね」


「最高の一撃をくれてやる」


 ゴブリンジェネラルは走り迫る。そして、振り上げていた大剣をレインの頭上目掛けて斬る。だが、レインはそれを避け突きの構えをとる。不可避の一撃だ。


「いい勝負だった」


 ゴブリンジェネラルは消滅して、大剣を落とす。


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