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影44
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幻一郎は、煙草を吸うことで死に近づくのではない。1ミリでも数ミリでも『生』を生きたいのだ。
煙を吐き出す瞬間、それは『修羅』が吐き出す溜め息なのだ、と。
律子は、「この人のためなら、死んでも後悔しない」という人と、やっと巡り会った気がしていた。
人は、どうして悲しくて、無様で滑稽な生き物なんだろう。
残された人間は、死よりつらい苦悩を背負うことになる。
人はどうして生まれ死ぬのか。
なぜ、悲しみが存在するのか。
考えることを止めれば、いずれ何も感じなくなる。
怒りは憎しみを誘い、憎しみは悲しみを癒してくれる。
『水槽の水に差し込まれた光』、これも一つの『生』だろう。『復讐』、これも一つの『生』だろう。『無常の真実』、それは誰にも止められないのだ。
律子は、「じっちゃんを助けて下さい。私の命は捧げます」と、何度も何度も祈った。




