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影37
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「うん。ちょうど顔が、牛か山羊のようで、角があって、毛が生えてて、でも、2本足で飛び跳ねてたわ。その闇の中央に、地獄の閻魔様みたいな大きな人がいて、私にこう尋ねたの。『この地球を壊したいが、どうする…?』って。」
「りっちゃん、なんて答えたの?」
「うん。昔の私だったら、はっきりとこう答えたわ。壊さないでくださいって。世の中には、悪い人もたくさんいますが、善人もまだいっぱい残っています。だからせめて、その人たちのためにも、この地球を壊さないでくださいって。でもね…」
律子が、言葉を詰まらせた。
「今の私には、そんな…」
その時、ポタッと空から何かが落ちた気がした。紛れもない雫の類いだった。雨降りしている様子のない雲のない冬の日の夜だった。




