前へ目次 次へ 92/434 第二楽章 Valkyrie Op.10 しかしながら。 今、悠人の相手は、京である。 悠人が生きてきた中で、最も美しいと感じている女子なのである。 その韓流ドラマのヒロインのような京が、自分に密接にしがみついている。体の細さに比して決して貧弱でない二つの山が、これでもかとグイグイ押し付けられている。京の頬が自分の首筋に当たっている。潮まじりの柔らかい若い女子の匂いが、直接鼻腔から肺に流れ込んでくる。 この三時間で三度目の出血を止める手立ては、悠人には皆無《ムリゲー》であった。