89話
「はい。ハジメは、あの音楽家…いや、音楽神 ブレーメンにの加護を受けた初めての音楽の勇者です。」
「ブレーメン…」
「続けます。ハジメは『神曲』を扱えます。どの『神曲』かはわかりません。私も{天国編}、{煉獄編}、そして{地獄編}と、全てこの目で確認したことがありますが…どれにも当てはまらない『神曲』だと思います」
「な、なんじゃと!?新たな『神曲』があるというのか!?」
「ええ。そうですね…言うなら、まんま「人間」なのです。」
「人間…とは?」
「人間です。我々魔族と人間の違いは多く、身体能力なども違います。人間はジョブがあります。我々魔族はジョブがありませんし、その恩恵のスキルもない…あ!ルシファー様は別です!いえ、特別です!はいっ!…つ、続けます!ハジメは、ジョブが分からないのです。ある時は魔法使いのように強力な魔術を使い、ある時は剣で戦ったりと…」
「確か人間のジョブは生まれた時から決まり、ジョブにそったスキル以外は手に入らないのではないのか?」
「正確には、ジョブにそったスキルは手に入れやすく、それ以外のスキルは鍛えれば手に入れられる。が…簡単なものではない…」
「さすが、ルシファー様ですね…あ!…申し訳ございません…」
「大丈夫だ。気にしていない。私はとっくに人間を捨て悪魔として生きるのを決めた。今更、気にしない」
「それで、フォカロル。そのハジメがどうだというのだ。所詮人間であろう」
「彼は『神曲』が使えるのです。そして…「俺と同じか…」
「ええ…そうです。そして、現在ハジメのところにはアムドゥスギアスが居ます。アムドは前からハジメに接触していたようで、先日地獄の…七つの大罪 『強欲』のアモンと戦闘になりまして…
「アモンが接触してきたのか!?そして、アムドは!?」
「大丈夫です。私が治しました。現在ハジメはアルバスの元に向かっているかと…」
「あ、アルバス…フォカロル…いいのか?…」
「良いのです。別に今更彼女に会っても何も変わりませんから。彼に我々の戦争のことは伝えました。そのうえで彼がどうするかはわかりません。しかし、彼はあのパイモン様に敵意を持っているようで…」
「ははは!ブレーメンと同じじゃないか!面白い!」
「何を笑っているのですか!」
ルシファーとフェレスがまた口喧嘩になりそうになると、フォカロルが一歩前に進み二人を見つめる
「そこで!この戦争が終わりましたら、我々の…魔族の未来を託しませんか」
フォカロルがそういうと、二人は黙り込む。
「突然申し訳ございません。ですが、ハジメは何かしら…方法があると思います。以上です」
「分かった。フォカロル貴様、『神曲』はどうした」
「え?…」
「もうすぐ、戦争が始める。軍を動かす。フォカロルは龍甲族等の南部1番隊の指揮をしてもらう。」
「は。」
「以上だ。このまま南部一番隊に顔でも見せておけ。ルシフェル、何かあるか?」
「…特にない…」
「では、下がっていいぞ」
フェレスがそううと、フォカロルは軽く頭を下げて下がっていく。ちなみに、フォカロルを連れてきたウルフカットの兵は南部一番隊の所属だ。
フォカロルがさり、扉が閉められるとルシファーはため息をつき肩の力をぬき背もたれに背を預ける。
「それで…どうするのじゃ?」
「戦争…するしかないだろ。ハジメか…巻き込みたくなかったな」
「うまく使えば、この戦争を楽にできるぞ」
「はぁ…」




