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トラック19 音楽プレイヤー?

 

幼女の姿にアムドゥスキアスは、再び宙に浮いて俺の目の前までやってくる。


「な、なあ…何するんだ?ま、まさか!修行とか言い出すなよ!」


「そんな事するかっ!めんどくさい!」


「なら、なにするんだ?…えーと…アムドゥス?…」


名前が言いにくい…「ドゥス」の部分が発音しにくい…


「呼びにくいじゃろ。アムスと呼ぶがよい!」


「アムスか。わかった。それで、アムス、どうするつもりだ?」


「ちゃんと、考えておる…よっ!」


アムスは、器用にフードに手を突っ込むと右手で探り何かを探す。フードから、真っ黒い塊を取り出した。まっ黒い塊から、目に見えるほどの黒いオーラが漂っている…え?なにこれ!なにこのダークマター!


「こいつは、魔材の思念形成粘土リライゼーションクレイじゃ。これに触れながら、スキルを使うとスキルを具現化する。ジョブは、どうせ演奏家じゃろうし。それをワシが…よっ!」


左手をフードに入れ再び探る。取り出すと、大きな金属製の道具箱を取り出した。え?フードの中どうなってんの?容量無限!?

アムスは道具箱を地面に下ろすと、まるで子供がおもちゃ箱を開けるようにマイナスドライバーやペンチを持って笑顔だ…


「その、ダークマ…塊を触ればいいんだろ。」


アムスから、ダークマターを受け取る。ダークマターは、手に吸い付くような触感だ。まるで生きているように…はやく、終わらせよう!

えーと…音楽…何流そうかな…『聖堂の鐘の音』でいいか。頭に流す…。すると、手の上のダークマターが激しく動き出し…


「懐かしいな…」


手の平には、転生前に愛用していた音楽プレイーヤーがあった。銀色のボディにタッチパネルの大きい画面。正面にボタンは一つ、サイドには音量調節のボタンが二つ、上には電源ボタンがある…俺は、慣れた手つきで電源をつける。画面には、音楽の保存画面が表示された。おお!これが、スキルの具現か…

すると、さっきまで工具を持ってウキウキしていたアムスは、持っていた工具を落としていた…目は点になっている…


「おい。大丈夫か?」


「な、なんじゃ!なんじゃそりゃ!!!」


「お、おい!落ち着けよ!どうしたんだよ!」


「ハ、ハジメぇ…なんで…ジュークボックスじゃないじゃないかぁ…!」


ショックな表情で、肩を動かして駄々をこねる…

ジュークボックス?…なにそれ…


「ジュークボックスってなんだ?」


「ジュークボックスはジュークボックスじゃ!転生後にレコードが現れたじゃろ!そこから数種類の神曲を選んだじゃろ!」


レコード?なにそれ…ああ!昔の音楽聴くやつだった?いや、現れてないな…


「現れてない。神曲は全て音楽が選択できて、そこから保存している。」


「なっ…全てだと!?」


俺は保存の画面を開いたまま、アムスに見せる。アムスは画面を見ると、目を見開いた。


「こ、これは…ありえん…。それでは、ここにある音楽は全て使用できるのか!」


「た、多分できるだろ…」


「ワシですら、200曲が限度じゃ…ブレーメンは500曲じゃが…全て保存できれば…」


何かぶつぶつと、アムスが言っているので無視して画面をいじる。ホームボタンを押すとホーム画面になる。

変わったところがないか、見ていると設定の部分に大量のメッセージが来ていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・一件の危険な音が強制停止されました。以後、ブロックしますか?

・一件の危険な音がありました。ブロックされませんでしたので一時許可をだします。

・一件の危険な音がありました。ブロックしますか?Y/N

・外部から未確認の音がきています。確認ください。

・外部から未確認の音がきています。確認ください。

・外部から……

 …………

 ………

 …

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おお!こわっ!なにこれ…

危険な音?…これが、”蝕蟲の鳴き声(デズ・グローヴ)じゃないか?…通知来てたのかよ…。ブロックしとこ…


「おい!聞いておるのか!ったく…して、どうするかの…やり方がわからん…見たこともないジュークボックスじゃし…」


「いや、これジュークボックスじゃなくて、音楽プレイヤーだぞ。それと、もうブッロクしたから”蝕蟲の鳴き声(デス・グローヴ)は鳴らないぞ?」


「は?音楽ぷれいやー?ぶろっく?なんじゃそれ…それにならないじゃと!?」


「ああ。まあ、大丈夫だろ」


またも、アムスが目を点にして固まる…まじかよ〜ゲルグのスキルつかえたらな…

数分アムスをみると、ゆっくりと目の焦点が合っていき、固まりがさめるとほおを引きつらせながら笑い始めた…こわいこわい!


「はははぁ!面白い!これは、ブレーメンにいい土産ができたわっ!もう、することがなくなったの…帰るかの。まあ、今後『神曲(ディバイン・コメディ)』で何かあったらワシが教えにくるから、それまでは自由にしておれ。」


「ああ。自由にしてるよ、ありがとなアムス!」


「う、うるしゃい!」


アムスが軽く指を弾くと、ファンファーレが鳴り響く。それと同時にアムスの姿が薄くなっていき、数分後消えた…

悪魔…嵐みたいなやつだったな…それにしても、いろいろ聞いたぞ…神曲(ディバイン・コメディ)か…


「旅にでるか…」

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