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プロローグ
大樹の根は世界を支え巡り命を還す。
天を覆う枝葉は子らを守りて輝き放たん。
銀光は遥か彼方まで届き照らす。
神々の頂、世界の梢。
闇を退け、魔を滅す。
正義の光よ。
真を写し、正しきを成せ。
されど銀はいずれ黒く病む。
光は陰り不浄の手が忍び寄る。
だからこそ。
「見つけ出せ、罪を。なんとしても世界を救い出すために」
銀の王宮の中、片目を隠した1人の男がそう呟き2羽の鴉を解き放つ。バサバサとうるさい羽音の中黒い羽が舞い落ちる。
――彼の胸には、かすかな銀光が宿っていた。
初めまして作者のすけろく小僧です!
お話が軌道に乗るまで少し時間がかかります。
お付き合いいただければ幸いです。




