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第七十五話

 「ラリラリ~。友だちとランチに行くの」

 パンプスを磨く家内の手が軽い。

「ふーん、僕も行こう」

「ダメよ、ついてこないで」

「犬みたいに言うな! 僕も別の店に行くんだ!」

「そう。いいお店知ってるの?」

「うん、フライが美味しいんだ」

「どこ?」

「モール街の東入り口」

「フライか、そっちにする。私幹事だから、あなたは別のお店にして」

 ウインクする家内。

 今更そんなことで心乱されないが、すぐに目が元に戻らない顔が怖いぞ!


 

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