前へ目次 次へ 74/612 第七十四話 一枚、二枚、三枚……。 何度数えても足りない。 確かに五百円玉を七枚入れたはずなのに、一枚足りない。 この家にいるのは二人だけ。 自ずと犯人が分かる。 「おーい、貯金箱に入れてあった五百円玉が足らん」 「あら、あなた忘れてるのよ」 「何を?」 「昨日プリン買ってきてって言ったでしょ」 「それは生活費からだろ」 「だっておやつは別に買ってるから」 「君の食べたいものばかりじゃないか」 「小さいこと言わないの」 どっちがだよ!