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第七十三話

 置き時計の電池が切れた。

 こういう時に限って新しい電池が見つからない。

 抽斗の中がぐちゃぐちゃだ。

「おーい、新しい乾電池はどこにある?」

「抽斗よ」

「それがないんだよ、いっぱいで」

 家内がやって来た。

「整理してないから」

「あら、私の所為?」

「そういうわけではないけど 大体……」

 と言いかけて思い出した。

 この前ペンチを探してひっくり返したのは私だ。


「どうぞ」

 と冷たく渡されたから、両手で頭の上に捧げて礼を言った。

 

 


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