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第二十九話

 孫を連れて歯医者に向かう。

 この歯医者は最近できたばかりで、美しく若い女医さんだ。

 新しいセーターを着た。

 歯医者が初めての孫はウキウキとしている。

 そんなスキップして楽しいところではないぞ。

「検診ですか?」

「はい」

「そんなに口を開けなくても大丈夫よ」

「はーい」

 見ている私も口を大きく開けた。

 それを女医さんに笑われた。

 孫は虫歯がなかった。

 次は私。

 ああ虫歯が二本。



「おじいちゃん痛い?」

 孫に慰められながら帰る。

 

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