前へ目次 次へ 30/612 第三十話 洗濯物を干していると隣の夫婦の話し声が聞こえてくる。 「昨日言っただろ? 出かけるから準備しとけって」 「だって、パパが午後の出発って言ったじゃない」 「早く出るかもしれないって言ったぞ」 「そんなこと聞いてない」 「いつだってそうなんだから」 「ひどいわね、パパ一人で行って!」 「そんな、親父になんて言うんだよ!」 「知らない!」 他人の喧嘩は客観的に見える。 『いつだってそうなんだから』 これは喧嘩の始まりの言葉よ。