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①アレン・ウォーロッカ


 本作の主人公。悪魔である父親と、人間の母親の間に生まれた半魔。父親はアレンが生まれてすぐに聖教者によって殺され、それから五歳ほどのときにアグネス・ベルランドによって殺された。そこから変異の力を使い命からがら脱出し、それから約十二年ほど逃げ続ける。

 指名手配され、その賞金目当てに殺されかけた回数は両手じゃなりない。人間にも何度も騙され、次第にその憎しみは悪魔に向き始める。その頃から自分は人間だと主張し始めた。

 変異は感情が高ぶったときに起こる。死にかけたり、激しい怒り、悲しみを感じたりしたときだ。変異した部分は麻痺したように痺れ、自分では制御できない。感情のままに勝手に行動する。



②リリア・ベルランド


 魔女。

 魔女の母と人間の父を持ち、アグネス・ベルランドの妹。母親は悪魔から魔法を教わり、父親はその悪魔と契約した魔付き。印のトゲは一本だった。

 幼い頃から母親から魔術を学び、その話の中で登場する悪魔に憧れるように。悪魔にはあったことがない。才能はある方で、数少ない魔女の中でも腕は上の方。

 リリアが十歳の時、十二歳だった兄、アグネスが両親を殺した。リリアはそこから逃げ出し、逃亡生活を始める。各地を転々とし、今の家に落ち着いた。

 今の家はまだ開拓の届いていない、前線から離れた場所にあり周りには魔物も多く生息するが、魔術によって寄せ付けないようにしている。

 基本真面目で、母親がそうでありその母からの教えもあって常に冷静でいるように心がけている。だが悪魔や魔法、魔術関係の話になると興奮し、我を忘れることも。それに加え、一度不測の事態になったり予想外のことが起こると、テンパってしまい一気に鈍臭くなってしまう。

 苦手なものは芋虫、ナメクジ、ミミズなどウネウネしたもの。


③クル・ガルバルチェ


 リリアの家に封魔の薬をもらいに頻繁に訪れる、魔付きの少女。トゲは三本。

 叶えてもらった願いは病の進行を防ぐこと。その病は「蝕鬼病」と言い、グールから受けた傷によってごく稀に発症する奇病。発症すれば五日ほどで悪魔に似たハンニバルという化け物に変異する。

 始めは兄がクルの病気を治すため契約しようとしたが、彼は人間的に弱く、契約に値する能力がないため悪魔に殺された。その後クルが自分で契約した。

 クルとリリアが出会ったのは偶然。たまたま魔付きの印をリリアに見られ、それから交流を持つように。

 ある日契約した悪魔が殺され、そこをリリアが助け今の関係が出来上がる。

 魔物が多く潜む森をワープも使わず行き来できるのは、蝕鬼病に感染しているから。魔付き+その病気の患者であることから、ほぼ魔物化しているため襲われない。

 大量のグールに襲われた時のショックで、感情の機微が著しく少なくなる。だがイタズラ好きな性格は変わらず、アレンやリリアをからかったりちょっとしたイタズラをよくしかけたりする。

 天才肌で、大抵のことはできる。ただ体が弱く体力も少ないため、運動だけは苦手。


④アグネス・ベルランド


 教会が誇る、最強の聖教者。やはりその信仰心も教会一で、天使のためならば肉親すら殺してしまう。

 幼い頃はその家庭もあって悪魔に対して負の感情は持ち合わせていなかった。だがある日、いろいろと鈍臭いが親友とも呼べる男子が、契約に失敗し悪魔に殺されているのを目撃する。その男子の妹が奇病にかかっているのも知っていて、そんな境遇のやつすら殺すのかと激怒する。そこに目をつけた聖教者がアグネスを鍛える。もともとベルランド一家が悪魔と関わっていることは知られていた。そして、アグネスは両親を殺した。

 その後も鍛錬を続け、ついに悪魔をも殺す。初めて殺したのは、親友を殺した悪魔だった。その後も魔女の摘発、魔物の殲滅など成果を上げ、今の地位にまで駆け上がった。

 基本正義感が強い。人間を守りたいという気持ちは本物で、その気持ちが強すぎるが故にその障害となるものは一切の容赦もなく殺す。人間から見たら何よりも頼もしい英雄であり、魔物や魔女から見たら何よりも恐ろしい悪魔。

 英雄のような扱いを受けているが基本警戒心が強く、情報には細心の注意を払っている。

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